尾てい骨を打撲したとき湿布を貼っておけば自然と治るのか

最終更新日:2024/06/03

階段から滑り落ちて尾てい骨を打撲することは良くありそうですね。
普通の打撲なら湿布を貼って冷やせば自然に治るイメージがあります。
でも尾てい骨って座るだけでも痛みが増したりします。
悪化してしまわないか心配です。
今回は尾てい骨を打撲したときの対処法をまとめてみました。

尾てい骨は構造的に必要なの?

皆様は尾てい骨がどこにあってどういった形で何のために備わっているのか知っていますか?知らない方も多いと思いますので、説明していくことにします。

尾てい骨とは、背骨を下に辿って行った最も下にある尖った骨のことです。
尾てい骨は尾骨とも呼ばれることもあります。

尾と名前についているように、尾てい骨は、私達人類が昔はサルだった名残りで、しっぽの部分の骨がわずかに残っているのです。尾てい骨は尾椎が融合してできるのですが、胎児から成長すると共に退化していきます。
尾てい骨は退化していくから、必要ないものと思われがちですが、実際はその残った小さな骨にも役割があるのです。
それは、脊柱つまりは背骨のバランスを取っているのです。

尾てい骨はほぼ身体の中心にあり、目を閉じて立つ、歩くといったときにバランスを保つための重りとして働いているのです。普段は視覚情報によって、傾きなどを感じて立ったり、歩いたりしているのですが、目をつむって同じように出来ますか?30秒ほど目をつむってその場足踏みをしたら同じ場所にいなかったり、車のバック駐車が苦手で曲がったりしてしまう方は、尾てい骨が曲がってしまっている可能性が高いそうです。

尾てい骨の打撲の湿布とそれ以外の治療法

転んだり、つまづいたりして尾てい骨を強打した場合、いわゆる打撲症状が出てきます。その場合は、患部を冷やしてあげることで、痛みを和らげることができます。
強打のレベルにもよりますが、尾てい骨が折れたり、ヒビが入ってしまったら、他の処置がさらに必要ですが、まずは第一に冷やすことで炎症を最小限に抑えることが出来ます。打撲などの外傷性症状は基本的に熱を帯びて炎症し腫れあがります。
冷やし方は、いろいろありますが、簡単なのは冷湿布を貼ることです。患部に密着するように貼ってください。冷感が減ってきたら、貼りかえてください。また、ビニール袋に氷を入れて、タオルで軽く巻くなどして当てるのも効果的です。直接当てるとしもやけしてしまう可能性があります。打撲の程度にもよりますが、15~20分ほど冷やしたら、一度冷やすのを止めましょう。そしてまた、熱をもってきたら冷やすことを繰り返します。繰り返して熱が引いて来たらおしまいです。その後は患部に絶対に負担を掛けないように2,3日過ごしてください。
熱が引き、炎症が治まってきたら、次に行うことは組織の回復のために血行を良くすることです。患部に溜まった老廃物を流し、酸素と栄養を送り届けることで代謝が促進され組織が生まれ変わっていきます。そのためには、患部を温める必要があります。痛みが和らぎ、熱を帯びていなければ、温湿布を貼ったり、マッサージをしたり、ゆっくり湯船に浸かったりしてください。血行が促されて回復を促進することが出来ます。
温めるのは、最低でも一日以上空けてから行うようにしてください。痛みの度合いに関係なく打撲症状は必ず起きているはずですから。

尾てい骨の打撲による二次的症状

尾てい骨の打撲は、しりもちをついたのを忘れてしまった頃に全く関係なさそうな症状を発症する場合もあるため、注意が必要です。
症状としては、頭痛、肩こり、腰痛、腱鞘炎、手足のしびれ、めまい、自律神経失調、下痢、生理不順、不妊症、鬱などなど沢山あります。
これらの症状は痛みや違和感の出ているところに目が行きがちなので、昔のしりもちが原因で尾てい骨がゆがんでいるからという考えに及ばないのです。
病院での臨床では、これらの症状が治りにくかったり、突然の精神症状(怒りっぽくなる、沈み込む、焦り、不安、恐怖、脅迫感など)の場合は、過去の尾てい骨打撲や骨折を確認し治療することで治ってしまうことが良くあるそうです。
小さい頃に高いところから落ちたり、転んだりして尾てい骨を痛めたのに、放っておいて自然と痛みが治まってしまい、大人になって全く覚えていないなんてこともあります。
骨折はくっつけば治っていると判断されがちです。
でも、実はほんの少しだけ歪んでくっついているかもしれないのです。
体のバランスが悪いなと感じることがあったら、普段の体の使い方だけでなく尾てい骨の歪みも疑ってみると良いでしょう。

尾てい骨打撲時の痛みを和らげるために

尾てい骨を痛めてしまうと、ほとんどの姿勢で痛みを伴います。特に座ることが一番直接的に患部に圧が入りやすいので、とても辛いものです。
疲れたときに少しだけ腰かける程度なら我慢できるかもしれませんが、事務作業やパソコン業務の方は長時間座っていなければいけません。すると、尾てい骨に体重がかかり、痛みがどんどん強くなってきたり、我慢しながらの仕事は能率も悪くなってしまいます。
椅子に座るときに、足を伸ばしたり背もたれに寄り掛かったりすると尾てい骨に圧が伝わりやすいので、なるべくしっかりと骨盤を立たせて坐骨で支えられるように座ってください。そうすることで、痛みは最小限に抑えられると思います。痛みが最小限に抑えられるだけでなく、骨盤が立つと背すじも伸びやすく、肩こりのもなりにくくなる効果が得られると思います。
理想を言えば、尾てい骨の打撲後は安静にするのが一番ですが、完治するまで仕事を休むというわけにはいきませんよね。先ほどの座り方でも痛みが変わらないこともありますから。
そんな場合にオススメなのが、真ん中に穴が空いたドーナツクッションをおしりに敷くことです。
真ん中の穴に尾てい骨を入れるように座ると、どこにも当たることなく座れると思います。量販店やホームセンターで安く手に入りますので、必ず使うようにしてください。

湿布はいつまで貼り続けるもの?

尾てい骨を打撲したら、最初に湿布を貼って患部を冷やし炎症を抑えましょうと説明しました。
冷たい湿布は患部の熱を奪い、腫れが大きくなるのを防いでくれます。
ですが一枚を張りっぱなしにしておいても効果は見込めるのでしょうか?
湿布の効果を正しく理解しておくと、最大限治療に役立てることが出来るでしょう。
ただ冷やすだけなら、氷水でも良いのですが、湿布は冷やすだけでなく痛み止めを含んでいるというメリットがあります。
ですから、痛みのある間は湿布を貼るのは問題ありません。
一枚貼っている時間は4時間ほどが適正です。小まめに交換すると効果を最大限活かせます。朝に貼り、お昼に貼り換え、さらに夕方と寝る前に貼り換えられたら最高です。
熱が引いたら、冷湿布ではなく温湿布に切り替えるのをお忘れなく。

まとめ【尾てい骨を打撲したとき湿布を貼っておけば自然と治るのか】

尾てい骨はいらない骨ではありません。とても大切な役割があります。そして一度痛めるとどれだけ日常生活で苦労するか分かると思います。打撲は湿布で痛みを和らげて数日すれば治ります。ただ歪んだり、ヒビが入っていたら後々辛い症状に見舞われるかもしれません。ですから、軽い打撲でも必ず病院に受診するようにしてくださいね。

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