足裏の痛みで骨に異常があるということもありますが非常に稀です。
筋肉の異常のせい、何かの病気の兆候が足裏に痛みを出すことも。
足裏のチクチクした痛みの考えられる原因について紹介します。
足裏のチクチクした痛みは走り過ぎ
足裏がチクチク痛くなるのはどんなときでしょうか。
ただ単に椅子に座っていると何も感じないのに、長時間立っていたり、歩いたりするとだんだんと足裏が痛くなってくることがあるようです。これは、足裏の筋肉疲労が大きく関係していると考えられます。
私達人間は立つ、歩くといったとき、足裏は全体重を支えるために使われています。足裏には、骨と筋肉、さらには腱があり、立ったり歩いたりするときに体重を支えながら筋肉や腱が収縮しています。ですから、座り仕事を除いて、立つ歩く走るといった行為は、足裏の筋肉に疲労が溜まりやすく、炎症が起こり痛みを生じやすいと言われているのです。足裏がだんだん痛くなる代表的な病気は、足底筋膜炎、足底腱膜炎です。
どちらも同じ症状で、原因としては、ランニングやジャンプなどによる足裏の筋肉と腱の酷使が挙げられます。偏平足も原因のひとつとして考えられます。
痛む場所はかかと、土踏まず、土踏まずの上方が多いのが特徴です。
足底筋膜炎になると、かかとの骨の一部にとげのようなものがレントゲンで映ることがあります。これは骨棘と呼ばれ、痛みが強い場合、手術になることがあります。
足裏のチクチクした痛みは偏平足や外反母趾
先ほどの足底筋膜炎の原因のひとつに挙げた偏平足ですが、それ以外にも足裏のチクチクした痛みの主たる原因になるようです。
偏平足というのは、足裏の土踏まずが凹んでおらず、真っ平らな状態の足を指します。幼児の足は偏平足なのですが、それは足裏の脂肪が多いからです。成長に伴い運動量が増えてくると土踏まずが形成されてくるのです。
大して、大人の偏平足は老化や運動不足、体重増加が原因でなりやすいと言われています。特に中年以降の女性に多いとされています。
偏平足になると、足裏の筋肉や腱がしっかり働かずにアーチが作れず衝撃吸収機能が低下し、足裏が疲れやすく痛くなりやすいようです。また足裏の筋力が弱いので、バランスが悪く姿勢が不安定になりやすいとも言われています。
外反母趾も足裏の痛みを引き起こします。
外反母趾とは読んで字のごとく、足の親指が体の外側に向かって反り返る病気です。原因としては、ヒールの高い靴、つま先の狭い靴、肥満や筋力低下によって親指の付け根の関節に体重が掛かり過ぎることが考えられます。
外反母趾になると、飛び出した親指の付け根の関節が圧迫、擦れることで痛みを生じるのですが、悪化しすぎると安静にしていても痛みが止まらなくなってしまいます。外反母趾は見た目で判断しやすく、足の内側のラインより親指が15°以上反っている状態を外反母趾と呼びます。女性の方で気になる方は紙の上に足を乗せて足型をなぞり、測ってみることをオススメします。
足裏のチクチクした痛みは内臓の病気
足裏のチクチクした痛みは筋肉や腱のせいではないことも考えられます。
そのうちの一つが糖尿病です。糖尿病になると合併症で糖尿病性神経障害を引き起こします。糖尿病性神経障害は血糖値が高いままだと、毛細血管から末梢神経に栄養が行き渡らないために起こるようです。
これは、足の指のしびれや痛み、虫が這うような感じがあるそうです。進行すると、足裏に力が入りにくくなってしまいます。血糖値が高い方は定期的に受診することが必要でしょう。
糖尿病性神経障害よりも、問題になってくるのが、閉塞性動脈硬化症です。
閉塞性動脈硬化症は、高血圧、高脂血症、そして糖尿病により、動脈が硬くなり足裏の血管が狭くなり、血行不良に陥りしびれや痛みを発症します。
さらに急性動脈閉塞もあぶないです。これは、不整脈が原因で心臓に血の塊が出来て、それが末端の足裏の血管に移動し詰まることで、急に足が痛くなったり血が止まってチアノーゼになったりしてしまいます。
どちらも、放っておくと足先に血が廻らなくなり、動かなくなったり、壊死してしまう可能性がありますので、万が一足裏が急に痛くなり、色が変わり冷たくなったらすぐに病院に行くようにしてください。
まだまだある足裏の痛みの原因
足裏がチクチクと痛くなる病気はまだまだあります。
痛風でも足裏が痛みます。痛風は血中の尿酸が結晶化して関節に蓄積して炎症を起こす病気です。20代以上の男性に多く発症します。
痛風になりやすい関節は、足の親指の付け根です。そこの関節が赤く腫れて激痛を伴う場合は、痛風が疑われ、血液検査で尿酸値を調べることになるでしょう。
痛風と間違われやすい病気として、中足骨頭部痛があります。この病気は人差し指が炎症して痛くなる病気ですが、原因は足のアーチ構造によって浮きやすい人差し指が筋力低下によって遊びが出て暴れて地面に叩きつけられ続けるようになって起こるようです。
さらにモートン病というのもあります。
この病気はつま先に長時間圧力を加え過ぎたことで起こる神経障害だと言われています。ハイヒールを毎日履く女性や、つま先立ちすることの多い仕事をしている人に発症しやすいそうです。
主な症状としては、足裏のしびれや痛み、ほてりが挙げられますが、足指が麻痺したり、強い痛みがふくらはぎまで広がる場合もあるそうです。
どの症状も悪化させないように、それぞれの症状が当てはまる方は一度病院で検査をすることをオススメします。
痛みを解消するために自分でできること
日中起きていると足は体重を常に支えていますし、荷重のない座り姿勢でも重力の影響で疲労が蓄積しやすい場所です。疲労物質が溜まると筋肉は緊張し硬くなり痛みにつながります。疲労物質を取り除くのに効果的な方法は、ぬるま湯に半身浴、足湯、ストレッチがおすすめです。どれも血行を良くして疲労物質を流し、栄養と酸素が行き届きやすくすることが最大の目的です。特にストレッチは硬くなった筋肉を伸ばせるので一石二鳥です。お風呂上がりにストレッチすることが最も効果的であることは言うまでもありません。足裏だけでなく、ふくらはぎ、太もも、股関節、さらには上半身まで併せてストレッチ出来ると全身の血液の流れが整うので、時間があれば足先だけでなく全身のストレッチを取り入れてください。
また、足の痛みの予防法としては、自分の足に合った靴を履くようにすることです。
大きすぎても小さすぎても足には負担がかかるのです。
靴選びのポイントをまとめてみます。
・擦り減った靴は修理するか買い替える
・小さすぎて足指を圧迫している
・大きすぎて靴裏の曲がりやすい位置と足指の関節の位置がずれてしまう
・足の甲の高さが合っている
・きちんと試着して選ぶこと
上記のポイントを押さえて靴選びをすることで、足への負担は最小限に抑えることができることでしょう。
まとめ【足裏の痛みのチクチクを何とかしたい。原因は何なの?】
足裏のチクチクした痛みの原因は筋肉や腱の問題から体内の病気によって引き起こされるものまで様々です。まずはご自身の足を入念にチェックすることから始めてみましょう。自分の足をマジマジと確認したことがない人も多いのではないでしょうか。確認するだけでも何か新しい発見があるかもしれません。自分の足は取り換えのきかない唯一無二の大切なもの。もっと大事にしてあげてくださいね。