風邪や体調不良、咽頭痛などがあると、首に小さなしこりができて痛みがでることがあります。
それは、リンパが腫れて浮かび上がってくるためだといいます。
しかし、その腫れと痛みが原因不明のまま何カ月も続いたら不安になりますよね。
もしかしたら、hiv(エイズウイルス)感染の疑いがあるかもしれません。
そこで今回は、hivと長引くリンパの痛みの関係についてご説明致します。
hivに感染したらリンパに痛みがでる原因は?
一般にはリンパ腺として知られるリンパ節は、免疫機能を持つリンパ球を含んだリンパ液が流れるリンパ管の節々にできた関所のような場所です。
このリンパ節で外部から侵入してきた細菌やウイルス等をリンパ球が迎え撃つ際、その場所が腫れたり、しこりが生まれたり、痛みを伴うのがリンパ節炎です。
実はこのリンパ節の腫れ、実に様々な要因で起こります。
代表的なものとしては風邪やインフルエンザを起因としたり、咽頭炎、扁桃炎などから飛び火するものがあります。
その他にも、外(中、内)耳炎などを要因とするもの、口内炎、虫歯などを要因とするもの、外傷や結核菌によるもの、胃がんや肺がんの転移によるものなど、実にその要因は多種多様です。
hiv感染の初期症状の中にもリンパ節が腫れるというものがありますが、必ず感染者全員にこの症状が現れるわけでもなく、またリンパ節が腫れる要因も上記のように様々あることから、「リンパ節の痛み」=「HIV感染」と過度に怯える必要はありません。
リンパに痛みが出て、hivに感染したか不安になったら
もちろん、リンパ節の痛みがhiv感染によるものである可能性はあるわけです。
もし、リンパ節の痛みがありHIV感染を疑う過去があるならHIV検査を行ってみるべきでしょう。
リンパ節の痛みや、その他の症状だけではHIV感染の有無を確定させることはできません。
結局HIV検査をしてみるしかないのです。
私の場合。リンパ節の痛みこそありませんでしたが、帯状疱疹や全身の発疹、頭痛や下痢などHIV感染の初期症状といわれるものが次々と現れたので、HIVに感染していると覚悟して検査に臨みましたが「陰性」でした。
今回の一件で、もしHIV感染の疑いがある症状が出たとき、そして感染の可能性に身に覚えがあるとき、「恐れなくてもいいが、見ないふりはもっと危ない」ということを学んだ気がします。
保健所に行けば無料匿名で検査を受けることができますし、自宅で使え、10分ほどで検査ができるキットもあります。
あなた自身のことであると同時にパートナーにとってもとても大事なことなのですから
hiv感染からからくるリンパの痛みをケアするマッサージ方法
hiv感染によるリンパ節の痛みを以下の方法で和らげましょう。
「脇もみ」の手順
①腕を上げて脇の下に反対の手の親指を当てます。
②残り4本の指を背中側に回し、親指と4本の指で脇を挟みます。
③10秒程脇をもむように押します。
④親指は残したまま、残り4本の指をゆっくり離します。
⑤脇全体をマッサージできるように、4本の指の位置を少しずつ変えながら、①から④を3回程繰り返します。
「脇もみ」のコツは、親指をしっかり脇に差し込むこと、4本の指を強く掴むように行うことです。
十分ほぐれるまで何回でもやってみましょう。
次に「脇回し」ですが、これは大胸筋と胸の筋肉をほぐすことで、「脇もみ」同様、リンパ液の流れを改善させ、脇の下のリンパ節の痛みを緩和させる効果があります。
手順
①回す腕と反対側の手のうち、親指を除く4本を脇の下に差し入れます。
②親指は大胸筋に当てます。
③当てた親指を10秒ほどゆっくりと押し込みます。
④血行を良くするため、①から③の工程を前後5回程度ずつ腕を回して行います。
最後に風邪の初期症状の改善や眼精疲労や肩こりなどに効く「風地(ふうち)」と呼ばれるツボについての紹介です。
このツボは後頭部中央にあるくぼみから、左右に指2本分外側へずらした場所にあります。
耳の後ろの出ている骨から2~3cm首側、髪の生え際の少し上を目安にしてもいいでしょう。
このくぼみに両手の親指を当て、押し上げるようにもみます。
その際、頭を少し後ろへ傾けると効果的です。
リンパとは?
リンパ管とは、免疫機能を持つリンパ球を含むリンパ液が流れる管で、体内に張り巡らされています。
このリンパ液は毛細血管から染み出した血漿がリンパ管に入りこんだもので、組織の余剰液の除去、脂質や老廃物の運搬、免疫細胞の産生などを担っています。
また、血管系のようにポンプで流れるのではなく、蠕動、骨格筋の収縮によって流れています。
リンパ管の合流地点にあるのがリンパ節で、全身で400~700個あると言われています。
大きさは0.3mm~3cmくらいとまちまちで豆のような形をしています。
また場所は、頸部・腋窩部・腹部・骨盤部・鼠径部と特定の場所に集中しているのも特徴です。
ここで外部から侵入した細菌やウイルスを堰き止め、リンパ球がそれらを駆逐する際に痛みや腫れがでるのです。
しかし、このリンパ節が原因不明のまま腫れてきたり、その腫れが1cmを超えるような場合は、hiv感染や他の深刻な病気の可能性があるので注意が必要です。
hiv感染を見分ける方法①
hiv感染の初期症状について
①原因不明の急性疲労。
通常の眠気ではなく、常に倦怠感がつきまとうような状態です。
昼寝の回数が増えたり、睡眠をとっても疲労感が抜けない等です。
このような症状が数ヵ月も続くようなら、HIV感染ではないことを確かめるためにも検査を受けた方が良いでしょう。
②発熱・寝汗。
HIVに感染してから2~4週間でよく見られる症状です。
この症状が出ない感染者もいる一方で、風邪やインフルエンザでも出る症状なので、これだけでHIV感染を深刻に疑うことはできません。
③リンパ節の腫れ。
HIV感染によるリンパ節の腫れは主に首、脇の下、脚のつけ根等に起こりますが、起こらない感染者もいます。
また②と同じくインフルエンザ等でもリンパ節の腫れは起こるので、これもまた詳しい検査が必要です。
④吐き気、嘔吐、下痢。
これもまたインフルエンザの症状と酷似しています。
⑤口腔内と陰部の潰瘍。
普段、口腔内に潰瘍ができることはないのに、他の症状と共に口腔内に潰瘍ができていたらHIV感染を疑った方が良いかもしれません。
また陰部の潰瘍にも注意が必要です。
hiv感染を見分ける方法②
hiv感染の進行症状について
①乾性咳に注意。
進行したHIV感染症に見られる症状で、HIVが体内で何年も潜伏した後に現れることがある症状です。
風邪や花粉症などのアレルギー症状と混同されやすいのでアレルギーの薬や吸入器でも改善されない場合はHIV感染を疑ってみるべきかもしれません。
②肌に斑点ができる。
進行したHIV感染患者は、赤や茶色、ピンク、紫等さまざまな色の発疹が、特に顔や胴体にできます。
また乾燥して赤みを帯びた肌も進行感染者の特徴です。
これらはインフルエンザや風邪では出ない症状なので、他の症状と併せてこの症状が出たら場合はすぐに医師の診察を受けるべきです。
③肺炎。
進行したHIV感染者は免疫不全のため、肺炎にかかりやすくなります。
④口腔カンジダ症。
進行したHIV感染者は免疫不全のため、カンジダ菌という真菌による口腔感染症にかかりやすくなります。
症状としては舌や唇などに白い斑点ができます。
⑤爪白癬(爪のミズムシ)。
これも免疫不全のため、爪に白癬菌が繁殖し、爪が白濁化してしまう症状です。
⑥HIV消耗症候群。
1ヵ月以上発熱や下痢が続いたり、10%以上の急激で不自然な体重減少がみられる症状です。
⑦HIV脳症。
認知、運動等に障害が出る進行性の認知症です。
幻覚や、躁・うつ状態など幅広い精神障害がみられることもあります。
これは非常に深刻な症状なので医師の診断が不可欠です。
体に異変を感じたら、医療機関へ早めの受診をしよう
『痛む』という症状によって『あなたの体が戦っているというサイン』を受け取ることができます。
人間の体ってよくできていますよね。
そのサインを見逃さず、しっかりキャッチして“ちょっと変だな”“心配だな”と思う時は、重大な病気の可能性もありますので、早く医療機関へ受診しましょう。
一人で悶々と悩むより、まずは行動です!