うつ病の方への電話やメールで連絡する際に気をつけること!

最終更新日:2024/05/26

うつ病は、今や10人~15人に1人が発症すると言われています。

誰にでもなる可能性がある、非常に身近な病気ですよね。

うつ病になると、言葉では言い表せないほどの沈んだ気分、または興味や喜びが感じられず、辛い気持ちの状態が常に続き、日常生活にも支障をきたしてしまいます。

そんなうつ病と闘っている方への電話やメールは注意が必要です。

今回は、うつ病の方への電話やメールで連絡する際に注意すべきポイントを紹介します。

うつ病とは?

「今ちょっとうつなんだ~」なんて言ったことは誰にでもあるのではないでしょうか?

ただ多くの場合このような状態はうつ状態で、うつ病とは異なります。

うつ病とは脳のエネルギーが欠乏した状態で、それによって憂鬱な気分や様々な意欲が低下する病気です。

外出する、食事をする、寝るといったことまでできなくなることもありますし、友人と簡単に電話やメールで連絡を取ることも難しくなります。

さらに、さまざまな身体的な自覚症状を伴うこともあります。

通常は、自然治癒力によって心身の不具合を回復しようとします。

そのため、日常生活の中で不快な思いをしたり憂鬱な気分になったとしてもなんとか回復し、時間をかけて元気になります。

しかし、うつ病の場合は、脳のエネルギーが欠乏していることで、回復せず、さらには悪化することもあります。

こうしたことにより、人間が普通に行っている生活、例えば仕事や家事、勉強といった社会的機能を送れなくなり、さらには人との交流や趣味にまで支障をきたすことになります。

精神面に起きるうつ病の症状

では、うつ病になるとどういった症状が起こるのでしょうか。

まずは不安、悲しみ、焦りといったマイナスな感情に支配されてしまうという症状があります。

何かマイナスな感情になる出来事があれば当然誰でもマイナスな感情を伴いますが、うつ病の場合、特に思い当たる出来事がなく、自動的に不安や悲しみが起こるという特徴があります。

症状が進むにつれて、楽しいことが起きても不安やマイナスな感情を取り除くことができなくなります。

次に多い症状がやる気が出ないという症状です。

調子が悪くて、仕事や家事のやる気が起きないということは誰にでも起きることだと思います。

うつ病も最初は仕事になかなか取りかかれないという症状ですが、次第に自分が楽しみにしている趣味ですらやる気にならず、さらには外出すること、そして人間的な生活を送るために必要な入浴や着替えと言ったことまでやる気が起こらなくなります。

人との交流もできなくなり、電話に出ない、メールもできないといった症状にもつながります。

怠けているのではないか、と思われがちですが、うつ病の場合、本人はやらないといけないという意識があるのにもかかわらず、やる気を起こすことができなくなるのが特徴となります。

体に起きるうつ病の症状

また、うつ病はさまざまな身体的な症状も引き起こします。

よく知られているのは睡眠障害です。

うつ病になると、なかなか眠れなくなります。

この睡眠障害ですが、寝ようと思っても眠れないという入眠困難、朝早く起きてしまうという早朝覚醒、夜中に何度も目が覚めるという中途覚醒、寝ても寝た気がしないという熟睡障害などさまざまです。

次に食欲に対する不調もよく起こります。

食欲がない、何を食べてもおいしいと感じることができない、食べるのですら億劫になってしまうといった食事を摂れなくなる場合もありますし、反対に甘いものが無性に食べたくなるなど過食になる場合もあります。

その他には、頭痛がする、疲労感・倦怠感が残る、ホルモン系の異常、体のいたるところが痛む、便秘、動機、胃の痛み、発汗、息苦しさ、窒息感などの症状も起きてきます。

これらの体の不調があるのに、病院でも特に異常が見つからない場合で、憂鬱を感じる、やる気がでないといったこころの症状もある場合は、うつ病の可能性も考えて医師に相談する必要があるかもしれません。

では、次にうつ病で休職している人に連絡をとるにはどうしたらよいか見ていきましょう。

電話やメールはうつ病の人にとってどのような影響があるのでしょうか。

うつ病で休職中の人に電話やメールで連絡をとるには?

仕事でストレスを抱え、うつ病になってしまうという人が多くなってきています。

うつ病で休職をした場合、会社としては休職中の労働者の状態を把握していくことが大切となります。

しかし、うつ病の症状が進行している場合は、電話やメールで連絡をとることですら負担になってしまうことがあります。

そのため、会社としてもどのように連絡をとるのかを考える必要があるでしょう。

まず、休職中の労働者は労働を免除されている状態ですので、報告を課すことはできません。

ただし、就業規則として休職中の報告を義務付けることはできるでしょう。

この場合、本人の症状に合わせて報告ができるように配慮する必要があるので、毎週必ず決まった時間に電話報告をする、など負担のかかる方法はオススメしません。

では本人に負担をかけないで連絡するにはどのような工夫ができるのでしょうか。

まずは、電話よりもメールの方が負担を軽くすることができます。

1日の中でも症状に波がありますので、会社からメールを入れておき、症状の良いときに返事をするようにすれば比較的負担を軽くできます。

また、家族が代行しても良いことにしてもいいかもしれません。

報告の頻度も症状に合わせるのがいいでしょう。

うつ病の方への電話やメールをする際の注意点

では、実際にうつ病の人に対して電話やメールをする場合、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。

まず心にとめておいたよいこととして、普通の憂鬱な気分とうつ病とは全く異なるものだということです。

うつ病の人も、脳のエネルギーの状態によっては比較的元気でなんとか外出できる場合もあるでしょう。

外出して一緒に楽しめば憂鬱な気分も晴れるのではないかとお誘いをして、その場は楽しめたとしても、エネルギーを使い果たすことになり、元気になるのではなく状態が悪化してしまうことがあります。

楽しむことで元気を出そうとお誘いすることは避けたほうがよいです。

そして、どうしても誘う場合は、相手が断っても大丈夫なように、参加できないことを前提にお誘いをしましょう。

具体的には「〇日来れそうなら来てね。無理しなくていいよ。来れそうなら連絡ください。」などです。

メールをしたとしても、それを返信する事すらできないこともあります。

返信をしなくても良いように工夫をしたり、相手に無理をさせないようにするといいでしょう。

電話やメールの際にも気をつけて!うつ病の方への禁句

そして、うつ病の人に対して気を付けたほうがよい言動がいくつかあります。

これは電話やメールでもいえることですので気を付けましょう。

まず、うつ病の人に「頑張って」と励ましの言葉をかけるのはよくないと聞いたことはありませんか。

同じように、「元気をだしてね」といった励ましの言葉や、「誰でもそれくらいの事はある」「気持ちの問題じゃない?」「もっとポジティブになろう」といった叱咤激励の言葉もうつ病の人を追い詰めることになります。

実際はこの言葉自体というよりも、こういった言葉を使う人の気持ちに敏感になっているのです。

メールで連絡をとる場合は、こうした言葉を使っていないか、そうした気持ちになっていないかを注意するとよいでしょう。

そして、電話の場合に特に気を付けたいのですが、会話の中で感情的になった時に出てしまう言葉がうつ病の人を傷つけてしまうことがあり注意が必要です。

例えば、「気を遣うのに疲れた」「何が原因なの?」といった発言には気を付けましょう。

うつ病の方に負担にならない様な連絡方法をとろう!

うつ病は、本当に辛くて苦しいですよね。

うつ病になってしまうと、他人との会話を楽しむことが出来ずに、反対にふさぎこんでしまう事もあります。

連絡をとる場合は、うつ病の方がどんなに辛くて苦しい思いをしているかを思いやって、その方の負担にならないように気をつけましょう!

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