ウテメリンという名前を聞いたことがありますか?
ウテメリンは切迫流産・切迫早産の代表的な張り止め薬で産婦人科でよく処方されます。しかし、ウテメリンの動悸という副作用で苦しい思いを経験している人も少なくありません。
今回は、なぜ動悸が起きるのか、その原因と症状、対処法についてお話します。
動悸の副作用があると言われるウテメリンとはどんな薬?
ウテメリンを服用してすることで動悸が起こるといわれていますが、そもそもウテメリンがどのような薬なのかを紹介します。
妊娠16週以降でお腹の張りや痛みがあった場合、出血があった場合、流産や早産の危険性がある場合に、このウテメリンは処方されます。
点滴で投与する時と経口として錠剤で処方される時とあり、妊婦さんの具合によって変わります。
ウテメリンは、子宮の運動を緩めることにより、お腹の張りや痛みなどを改善していく効果があります。
そのため、お腹に張りや痛みを感じたり、出血をしてしまったり、子宮口が開いてきているような切迫早産と診断された時には、このウテメリンが点滴投与して対処していきます。
ウテメリンの主成分は、リトドリン塩酸塩です。
この成分には、子宮を収縮させる平滑筋にあるアドレナリンβを刺激し、子宮の異常収縮を抑える効果があります。
薬の量は、は赤ちゃんの成長具合なども観察しながら、順調であれば徐々に減らしていきますが、自己判断で服用を止めたりするのは絶対やめましょう。
ウテメリンの副作用で動悸が起こる?
次はウテメリンの副作用についてです。
ウテメリンの副作用は少ない方ですが、薬の量が多いと動悸が起こりやすくなります。
また、お腹の赤ちゃんの脈が速くなることもあります。
そのような症状が出た場合、薬の量を減らして対処する必要があるので、病院を受診しましょう。
重い副作用としては、横紋筋融解症や高血圧、新生児腸閉塞、肺水腫が報告されています。
ただし、この副作用は長期間大量に使用したときに気をつけてほしいですが、極めて稀なケースです。
めったにないですが、初期症状などには気をつけてほしいと思います。
ウテメリンの副作用には次の3つが挙げられます。
それは、動悸・手指の震え・吐き気です。
症状が強く出てしまう時には、医師や薬剤師に相談しましょう。
ウテメリンは喘息の薬と併用してしまうと、副作用が強まってしまったり、高血圧の薬と併用すると効果が薄れてしまったりします。
そのため、薬の飲み合わせには注意が必要になります。
薬を飲み合せる場合には、薬剤師や医師に必ず相談しましょう。
ウテメリンで動悸が起きた時の対処法は?
ここでは、ウテメリンを服用して副作用が出てしまった時の対処法を紹介していきます。
副作用として出てくる症状には、動悸があると先に述べました。
この動悸が起こると、「副作用だから仕方がない」「赤ちゃんのためだから」と考えて我慢してしまう人がほとんどです。
早産や流産の可能性があるため、安静にするのが第一ですが、それでも辛い場合は次のような対処法があります。
それは、投薬の量や回数を調整することです。
これ自己判断ではなく、必ず医師との相談のもとに行ってください。
点滴でウテメリンを投与している場合は、量が調節できるため、母体の状態を見ながら投薬することが可能です。
他には、ウテメリンではなく、別の薬を処方してもらうことです。
動悸が激しい場合には、他の薬に変えられるかを医師に相談してみましょう。
ウテメリンよりも副作用が少ないズファジランを処方してくれる場合があります。
また、動悸止めの薬を飲むという方法もあります。
ウテメリンを服用しないと流産になってしまうという場合があります。
それでも動悸が激しくて、辛い時には漢方薬で動悸を抑えることができます。
この場合にも医師に必ず相談しましょう。
自己判断での薬の服用は流産につながってしまいます。
お腹の張り止めのウテメリンが必要な切迫流早産とは?
ウテメリンの副作用である動悸に対する対処法を紹介してきましたが、ウテメリンが必要な切迫流早産とはどんなものなのかについて伝えていきます。
日本では妊娠22週から37週までの出産を早産といいます。
切迫早産とは、お腹が頻繁に張ったり、子宮口が開き始めてしまったり、破水してしまったりして、早産になりかかっている状態のことです。
また、妊娠22週までの出産は流産として扱われます。
流産になりかかっている状態を切迫流産といいます。
流産や早産は始まってしまうと止めることができません。
しかし、切迫流産や切迫早産は投薬などの治療によって妊娠を継続できる可能性があります。
そのため、赤ちゃんのために早めに発見して、病院で治療してもらえるようにすることが大切です。
切迫早産と診断されてしまった場合には、早産になってしまわないために日常生活への配慮や治療を受ける必要があります。
症状の程度によっては早産にならずに済む場合が多いですので、医師の指示やアドバイスに従って、適切な対処をしましょう。
お腹の張り止めウテメリンが必要な切迫早産の症状と原因と対処法
副作用として動悸があるウテメリンですが、このウテメリンを必要とする切迫早産の原因や症状について記述していきます。
切迫早産の原因としては、絨毛膜羊膜炎などの感染症・子宮頸管無力症や子宮筋腫などの子宮の異常・多胎妊娠があります。
原因によって切迫早産を予防できるもの、予防できないものがあります。
多胎妊娠や子宮異常が診断された場合には注意が必要です。
切迫早産の症状は、下腹部痛、背部痛があります。
子宮の収縮が起こっている可能性があります。
しばらく安静にしても治らない場合には注意が必要です。
お腹の張りも症状の一つです。
お腹の張りは多くの妊婦さんが経験するため、切迫早産と気付かない場合もしばしばあります。
安静にしてすぐに治るお腹の張りなら大丈夫ですが、安静にしても規則的に張り続けたり、10分間隔より短く張りがくるようになると要注意です。
切迫早産の症状には、不正出血があります。
妊娠時期ではないのに出血の混じったおりものがあると切迫早産と診断される可能性が高いです。
これらの症状が見られ切迫早産の疑いがある時には、医師の診断を受け、適切な対処をしましょう。
お腹の張り止めウテメリンが必要な切迫流産の症状と原因と対処法
次は、副作用として動悸があるウテメリンを必要とする切迫流産の原因や症状について記述きていきます。
切迫流産の原因には、胎児に異常がある場合の自然淘汰・受精時の異常・多胎妊娠・血液や免疫異常・子宮の異常や病気など様々な原因があります。
しかし、切迫流産の原因について原因不明なことがほとんどです。
東洋医学では「冷え」が流産の原因ともされています。
切迫流産の症状は、主に出血やお腹の張り、下腹部痛などがあります。
下腹部痛の痛みの強さには個人差があり、痛みをほとんど感じない人もいれば、激痛を感じる人もいます。
次のような症状がある時にはすぐ受診しましょう。
1つ目は、腹痛はなく、茶色のおりものが出る状態のときです。
症状としては軽いのですが、家事や重労働は避けて疲労をためないようにする必要があります。
また、仕事も自宅で療養する方がいいです。
2つ目は、腹痛や出血が続いてる時です。
この場合、入院や自宅での安静が必要になります。
入院時の歩行やシャワーは許可されます。
自宅で療養する場合は、できる限り横になって安静にしましょう。
3つ目は出血が多く続いているときです。
この場合は入院して絶対安静が必要です。
状態によっては止血剤を投与する場合もあります。
ウテメリンの副作用と対処法を知り上手に乗り切ろう!
記事を読んでいただいて、ウテメリンを服用するにあたり副作用や対処法を知り、不安を少しは緩和できたでしょうか?
私も切迫流産を経験した一人で赤ちゃんが無事に産まれてくるまで不安でした。
でも、あまり不安になりすぎると赤ちゃんも不安になってしまいます。
上手にウテメリンと付き合い、服用中は無理をせずに心も体もゆったりと安静にして過ごすことを心がけましょう。