多くの女性が、ダイエットの経験をお持ちかと思います。
「キレイになりたい」「ボディラインの分かる服を着こなしたい」・・・そう思って、ダイエットをする方はいます。
ダイエットでスリムになるのは良いことですが、体重を減らしすぎてガリガリになってしまうとNGです。
今回は、「痩せすぎ」「ガリガリ」の健康への影響をお話しします。
女性はどのくらいの体重だと「ガリガリ」なの?
女性は細ければ良いということはありません。
スリムとガリガリは違います。
異性である男性から見るとガリガリな女性は魅力が少ないですし、同性である女性から見ても適度な丸みが必要だと思うのがほとんどです。
棒のようにガリガリな手足が好まれることはありません。
それではどのような体型が良いのか、身長と体重から考えていきましょう。
身長と体重からBMIという数値を計算できます。
BMIは肥満度を示す指標であり、体重(kg)/{身長(m)×身長(m)}で計算できます。
BMIが25以上だと肥満、22だと標準体重、18.5未満だと痩せすぎという判定です。
身長が160cmの人で体重が46kg以下だとBMIが18.5以下になってしまうので痩せすぎとなります。
BMIというのは美容というよりは健康のための指標になるので、自分の身長と体重で計算してみると「太っている」と思うくらいの結果になることがほとんどのようです。
しかしながら最近ではBMIでも痩せすぎている結果となる女性が増えてきています。
本屋さんでは1年中ダイエット本が並んでいますし、次々と新しいダイエット法が紹介されますし、女性は体重を落とすことで美しくなると思いこんでいることが多いようです。
ガリガリで太れない女性・・・原因は?①
痩せすぎな体型の原因は様々ですが、大きく分けると身体的原因と心理的原因の2つになります。
心理的な原因は、女性によくあるのはモデルや芸能人のような憧れの体型になりたいと思うことです。
他人に体型を指摘されることで傷つき、少し太っていることを気にするようになり、痩せようという決意が極端に高まってしまう人もいて、中には体重が減っていくことを食い止められず、拒食症になってしまう人もいるようです。
また身体的な原因とすれば、もともと胃腸が弱くて栄養素の吸収が悪いことが考えられます。
人一倍食べているのに太れないという人は胃腸が弱いと考えていいでしょう。
胃腸が弱いというのは、胃の消化能力が低くて、腸の栄養吸収能力も低くて、栄養素を上手く身体に摂り入れられない状態です。
中には、ちょっと食べないだけでガリガリの状態になる人もいます。
また、胃下垂でも体重が増え難くなります。
胃下垂というのは胃が普通より下に位置していることです。
胃下垂だと、食後に下腹部が膨れて便秘や下痢が多くなり、ゲップも多くなり、少ししか食べられなくなります。
ガリガリで太れない女性・・・原因は?②
太れないことは良いことのように思いますが、その原因を見ていくと良いだけではないことが分かると思います。
太れない原因の一つは過度なストレスです。
ストレスが続くことで食欲がなくなっていきます。
ストレスによって胃腸の調子が悪くなるからです。
栄養素の吸収も落ちてしまうこともあるので、ストレスでガリガリに痩せてしまう人もいます。
ストレスの怖いところは誰にでも起こりうるということで、自覚したら無理に食事をするよりもストレスを解消することを考えてみてください。
それから栄養のバランスが悪いことも太れない原因になります。
適正体重を維持したり、女性らしいボディラインを作ったりすることを考えると、タンパク質やビタミン・ミネラルは欠かせません。
しかし食事を抜いたり、お菓子などを食事の代わりにしたりする人は、栄養素が足りず、適正体重も美しいボディラインも失われて、体重が増えてないのにアンバランスな体型になってしまいます。
そして偏食も太れない原因です。
特に野菜を摂りましょう。
食物繊維を摂ることで内臓機能が活発になるのですが、不足していると内臓機能が低下して、食べたものを消化吸収できなくなってしまいます。
低体重は健康に悪影響
ガリガリに痩せていることは健康にも悪影響です。
痩せてきれいに見えると考えているのは女性に多いので、女性は特に気をつけてください。
痩せている状態が続くと、まずホルモンバランスが乱れます。
BMIでいえば17を下回る数値だとホルモンバランスに影響があると言われています。
女性だと女性ホルモンの分泌が悪くなり、生理不順、無月経、もしくは重い生理痛といった不調が起こります。
健康な女性で突然の生理不順なら病気を疑うことができるのですが、日頃から生理不順だと病気の発見が遅れるということもあり、最悪の場合は将来の不妊の原因になることもあります。
また体重が少なくてガリガリだとスタミナがありません。
筋肉が少なく、疲れやすく、疲れの回復が遅くなります。
ちょっとした運動でもすぐに疲れてしまうので運動が嫌いだという人が多いです。
動かなければ筋肉が増えないので、ガリガリの悪循環に陥っていると言えるでしょう。
血行不良にもなりやすく、肌トラブル、冷え性、肩こりを併発している人がほとんどかもしれません。
低体重は病気の危険性も
ガリガリに痩せていると風邪を引きやすいです。
必要な栄養素が足りず、免疫力や抵抗力の上げようがないからです。
そのためウイルスや細菌が身体の中で好き勝手に暴れて風邪が発生し、また他の病気も心配になります。
糖尿病の可能性が痩せている人にもあります。
糖尿病は太っている人が患うものだと思われていますが、痩せている人も糖尿病になりえます。
日本人の2型糖尿病の患者は、男女比では6:5くらいで男性のほうが多く、全患者の半数以上は標準体重以下です。
2型糖尿病というのは生活習慣や遺伝的要素が原因とされる糖尿病です。
日本人が痩せていても2型糖尿病になってしまうのは、欧米人とは体質が異なるからだと言われています。
欧米人は昔から肉食でインスリンの分泌量が多いのですが、日本人はインスリンの分泌量が少ないのです。
昔の日本人は穀物をよく食べていたのでインスリンの分泌量が少なくても問題がありませんでしたが、ここ数十年は食の欧米化によってインスリンが必要になっています。
しかしインスリンの分泌量は急に増えることはないので、高カロリーな食事で糖尿病を患うと考えられています。
ガリガリは危険!出産へのリスクも・・・
痩せすぎてガリガリになっている女性は、女性特有のリスクがあります。
妊娠・出産するときに低出生体重児のリスクが高まってしまいます。
母体に栄養素が少ないと、胎児にも必要な栄養素を供給することができないので、胎児の体重が思うように増加しません。
早産でもないのに低出生体重児(2,500g未満)で生まれてくることがあるくらいです。
ガリガリの女性とそれ以外の体重の女性を比べると、ガリガリの女性は低出生体重児を出産するリスクが2倍になります。
しかも低出生体重児は適正体重で生まれた子どもに比べて、生活習慣病のリスクが6倍になると言われています。
しっかり栄養をつけて産んであげないと、大人になってから思わぬ苦労をかけてしまうかもしれません。
そのようなことにならないように妊娠・出産を控えたママはしっかり栄養を摂りましょう。
他の問題としては、ガリガリでいると不健康に見られがちです。
神経質のようにも見えてマイナスの印象です。
それに手や首に血管が浮き出た様子は女性の魅力が薄まってしまいます。
男性女性問わず、痩せすぎでは美しいと見られないと思います。
胸もお尻など女性の身体はぺったんこではなく適度な丸みや柔らかさがあったほうが女性らしく美しいと思いませんか?
「ガリガリ」ではなく「スリム」に
ダイエットをしている女性の中には、「とにかく体重を落とせばいい」「体重は少なければ少ないほど良い」と考える方もいます。
しかし、痩せすぎは健康に悪いです。
ダイエット及び肉体改造を行うのであれば、適度な筋肉を作りながら、「ガリガリ」ではなく「スリム」な身体を目指しましょう。