サインバルタは副作用が少なく、世界では一番処方されている抗うつ剤です。
精神症状だけでなく痛みにも効果があるので、心療内科や精神科だけでなく内科や整形外科などでも処方されるようになってきています。
日本では2010年に発売された新しいお薬ですが、海外では2004年から使われています。
ここでは、サインバルタの特徴と眠気(だるい)が出る副作用の原因と対処法をご紹介します。
サインバルタの副作用で眠気(だるい)は出る?サインバルタの特徴
サインバルタカプセル(別名デュロキセチン、以降サインバルタ)は他の抗うつ薬で意欲の面での改善が見られない患者さんに主として用いられています。
うつ病患者の約6割に心因性の疼痛が見られるというデータがありますが、サインバルタはこの心因性による身体の痛みに対しても十分な効果を発揮します。
サインバルタは他の抗うつ薬に比べ、効果が強い割に副作用は比較的少なく、心因性疼痛の緩和、そして従来の抗うつ剤が苦手としていた意欲向上への強い効果が期待される薬です。
この薬の持つデメリットとしては、カプセル剤なので、錠剤のように半分に割って服薬するなどの微量調節ができない点が挙げられます。
症状改善につれ減薬していく際に気をつけることは、いかに離脱症状を起こさないようにするかということなので、使用する際は独断での減薬は避け、医師に相談しながら慎重に行っていくことが大切です。
また、身体的な副作用は全体的に少なめですが、投与初期に消化器がだるい(胃部不快感、吐き気)と訴えられる方もいると報告されています。
サインバルタの副作用で眠気(だるい)は出る?サインバルタの適応疾患
サインバルタは心因性の疼痛を伴ううつ病、糖尿病性神経障害、繊維筋痛症の患者、意欲低下が主体のうつ病に使われることが多いお薬です。
痛みが強いとうつ病の経過に悪影響があることが報告されています。
セロトニンを増やす効果があるので、従来の抗うつ薬で効果が見られなかった場合、パニック障害などの不安障害にもサインバルタが使われることがあります。
しかし、例えば不安障害の一種であるパニック障害は脳の青斑核と呼ばれる部位のノルアドレナリン神経の過剰興奮が原因とも言われているため、ノルアドレナリンを増加させるサインバルタを使用する場合の投薬は危険です。
不安障害では主にSSRIと呼ばれる抗うつ薬が主に用いられています。
副作用は比較的少ない薬ですが、消化器がだるいと感じられる症状が報告されているので、症状により、慎重に考えて使用する必要があります。
また、内科や整形外科で調べてもらっても原因が一向に分からない患者さんは心因性疼痛の可能性があるので、サインバルタが効く可能性があります。
サインバルタの副作用?眠気(だるい)が生じる理由
サインバルタは比較的副作用の少ない抗うつ薬だと言われています。
その主な副作用として、消化器がだるいと感じられることが挙げられます。
薬を服用することでその成分は血液に乗り、全身を巡回します。
この際、作用して欲しくないところにも作用し、その結果、期待される効果が得られる反面、好ましくない症状も生じてしまうことを副作用といいます。
眠気は抗うつ剤でしばしばみられる代表的な副作用です。
眠気が生じる主な原因は、抗うつ剤が、脳にあるヒスタミン受容体と呼ばれる受容体を遮断してしまうためだと言われています。
抗うつ薬ではありませんが、花粉症やアレルギー疾患に用いられる抗ヒスタミン薬と呼ばれるものがありますが、この薬も、症状改善効果の反面、眠気が生じるという副作用を持っています。
サインバルタをはじめとする抗うつ薬は、脳内のモノアミンと呼ばれる物質を増やすことで、抗うつ効果を発揮しています。
モノアミンとは、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの総称で、理論的には、セロトニンは落ち込みや不安を、ノルアドレナリンは意欲や活気を、ドーパミンは楽しみや快楽を改善させると言われています。
サインバルタの副作用の眠気(だるい)の対処法①
サインバルタの副作用といえば、だるいと感じられる消火器の不快感が代表的なものでしたが、眠気が生じることが完全にないとは言い切れません。
他の抗うつ薬に比べ、眠気を起こす頻度は少ないといえますが、実際に眠気が出てしまった時の対処法をみてましょう。
まずは、薬に慣れるまで待ってみることです。
人間の身体は順応する力を持っているので、1〜2週間の様子見で副作用が軽減することがあります。
次に、睡眠の見直しです。
不規則なリズムで睡眠をとっていたり、時間に問題があれば、その眠気は副作用ではなく、薬を飲み始めたことで睡眠の問題が表面化しただけに過ぎない可能性があります。
規則正しい生活を心がけてみましょう。
その次に考えられるのは、併用している薬をチェックしてみることです。
併用する薬の成分により、サインバルタの副作用が強く出てしまうケースがあります。
もちろん、抗うつ薬とアルコールの同時摂取は厳禁です。
他に併用している薬がある場合は、担当の医師に相談してみるといいでしょう。
最後に、肝機能、腎機能に問題はないでしょうか。
指摘されている場合は必ず医師に伝えてください。
代謝、排泄機能が不十分なまま通常量を投与してしまうと、薬の量が多すぎて副作用も通常より多く現れてしまうからです。
サインバルタの副作用の眠気(だるい)の対処法②
サインバルタの副作用、眠気の対処法をいくつか見ていきましたが、服用時間を変更してみるという方法もあります。
添付書通りの服用であれば、朝食後の服用となっています。
しかし、眠気があるのであれば、就寝前に飲むようにする方法もあります。
この服用法であれば、眠る時間帯に沿って眠気が訪れるので問題はないかのように見えます。
ただし、副作用として睡眠が浅くなるという報告があります。
悪夢を見るようになった、寝苦しくて目が覚める、などの症状が見られる時はこの方法は中止したほうがよいでしょう。
様子をみる、という対処法をお話しましたが、それでも改善が見られない場合は、今後も改善されることがない可能性が高いです。
生活に支障をきたすほどの眠気があるのであれば、減薬、薬を変えていくことを検討する必要があります。
症状への効果は出ているが、副作用も強い場合は、量を減らしてみるとよいでしょう。
その結果としてうつ症状の悪化が見られず、眠気も軽くなったとなれば、その量で維持していくことをおすすめします。
効果がなく、副作用だけが出ている場合は、別の抗うつ薬に切り替えたほうがよいかもしれません。
サインバルタの副作用は消化器がだるいと感じることが主な症状ですが、どの抗うつ薬にも一長一短があります。
その点は主治医に相談しましょう。
サインバルタの副作用、眠気(だるい)の他の抗うつ剤との比較
サインバルタの副作用で主なものとして消化器をだるいと感じること、が挙げられますが、人によっては眠気が出てしまいます。
抗うつ薬にみられる一般的な副作用である眠気に関し、サインバルタと他の抗うつ薬を比較してみましょう。
抗うつ薬の中では鎮静系抗うつ薬の眠気が一番強いとされています。
Nassa、テトラミドといった四環系抗うつ剤、デジレルなどがあります。
これらは睡眠剤として利用されるほど強力で、不眠を伴う症状に効果を発揮します。
眠気の頻度は総じてサインバルタよりも高いと言えます。
三環系抗うつ薬はトフラニール、トリプタノール、ノリトレン、アナフラニール、アモキサンなどが属し、これらは古いタイプの抗うつ薬で、SSRIやSNRIに比べ、作りが荒いため、副作用が全体的に多く、 眠気に関してはサインバルタよりも多いと言えます。
パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ、ルボックス、デプロメールといったSSRIと比べるとどうでしょうか?
実際はSSRIと比べても、SNRIであるサインバルタの方が眠気の頻度は少なめです。
しかし、SSRIの中でもジェイゾロフトは眠気も含めた副作用が比較的少ないため、切り替えることで眠気が軽減できた例も少なくありません。
ドグマチールも眠気の頻度は少ないため、眠気を軽減することだけで言えば、切り替えることで改善の可能性が高くなると言えますが、個人差があることもご了承願います。
サインバルタの副作用や特徴を知って上手に付き合おう!
薬を服用するとだるくなったり眠くなる事がありますよね。
これは、薬の副作用がもたらすものです。
眠気が続いては集中力がかけ、仕事や勉強がはかどらなかったり、外出先で事故に遭う可能性が高まってしまいます!
サインバルタの副作用や特徴を知って、服用の際には十分に注意しましょう!