サインバルタの副作用って?むくみの他にどんなものがある?

最終更新日:2024/05/05

サインバルタは現在世界では一番売れている抗うつ剤です。
どんなお薬にも必ず副作用があります。
抗うつ剤をはじめ、精神科のお薬は体重増加の副作用をもつものが多くあります。
サインバルタの副作用にも体重増加やむくみなどの副作用が見られるのでしょうか??
これからサインバルタに関する記事をご紹介します。

サインバルタの副作用総評

うつ病やうつ状態の治療に用いるサインバルタ。

従来の抗うつ剤に比べ、安全性の高い薬とされていますが、吐き気や頭痛、けいれんといった副作用が報告されています。

ほかにも、セロトニン症候群や、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、肝機能障害などの重い副作用もあります。

また、この薬は症状改善の過程で、むくみや体重増加、食欲減退などが起こる可能性も示唆されています。

そこで、サインバルタの作用から生じる、副作用の特徴について、説明します。

サインバルタは、SNRIというタイプの薬です。

脳内には、セロトニンとノルアドレナリンと呼ばれる2つの神経伝達物質がありますが、SNRIは、それらの再取り込みを阻害し、脳内シナプス間の濃度を上げることで、抗うつ作用を発揮しています。

サインバルタでみられる副作用の主な原因は、セロトニンとノルアドレナリンによるものです。

これらの物質を増やして薬の効果をあげているのですが、セロトニンが過剰にはたらいてしまうと、嘔気や下痢などの消化器系に問題が生じます。

また、ノルアドレナリンが増えすぎてしまうと、血圧上昇や動悸、頭痛などの症状や不安や興奮などの精神症状があらわれます。

サインバルタの副作用でむくみって出るの??

抗うつ剤のイヤな副作用といえば、顔のむくみ。

太って顔が丸くなるのではなく、体内の水分が正常に排出されないために、顔や瞼、あごなどがパンパンになってしまう症状です。

ひどい人では、人相が変わってしまう場合もあるみたいです。

この副作用は、主に三環系抗うつ薬である、パキシルに多くみられました。

パキシルは、セロトニンやノルアドレナリンだけでは無く、アセチルコリンという神経伝達物質にまで、作用を及ぼしてしまいます。

この副作用によって体内の代謝機能が落ち、体内分泌がスムーズでなくなり、結果、むくみにつながってしまうのです。

今は、三環系抗うつ薬ではなく、SSRIやSNRIといった抗うつ薬が多く処方されています。
そのため、このような副作用の心配はかなり軽減されています。

ですので、SNRIに属すサインバルタの副作用でも、むくみはあまり問題にされていません。

しかし、サインバルタは、腎臓に少なからず影響を与えるので、人によっては、尿の出が悪くなることで、むくみにつながってしまう可能性もあります。

サインバルタによる副作用。むくみ以外の症状とは?

サインバルタの副作用には、むくみや吐き気、頭痛などのほかに、皮膚症として、かぶれや発疹、かゆみ、精神神経症状としては、不眠や眠気、焦燥感や不安感などがあります。
起こる頻度は極めて少ないですが、不安や興奮・混乱、血圧上昇などを起こすセロトニン症候群や、体の硬直や意識障害をともなう悪性症候群、意識を失ったり、痙攣をおこしたりする抗利尿ホルモン不適合分泌症候群などの重篤な症状が発症することもあります。

ほかにも、実際には聞こえない声や音が聞こえたり、その場にいない虫や動物、人が見えるといった精神症状があらわれることもあるようです。

また、サインバルタは、服用を徐々に減らしたり、服用を急に中止することで、副作用として離脱症状が起こるといわれています。

症状として、めまいや全身の倦怠感、吐き気、不眠、不安感、震えなどの症状が報告されています。

離脱症状は1週間~2週間程でおさまるとされていますが、長い場合では、数ヶ月続くこともあり、症状も軽度から重度までと、人によってさまざまなようです。

サインバルタを飲むと太るのか!?

抗うつ剤の多くは「太る」といわれています。

リラックス作用や鎮静作用で、代謝が落ちてむくみやすくなり、また、食欲も上がりやすいためです。

では、サインバルタも太るのでしょうか?

答えは、「太りもしないし、痩せもしない」です。

正確にいえば、体重は数キロの増減におさまるということです。

サインバルタカプセルの発売元であるイーライリリー社によれば、体重への副作用は、体重増加(頻度:1-5%未満)、体重減少(頻度:1-5%未満)と公表されています。

このことから、「ほとんど体重を変化させない薬」と、いえるのではないでしょうか。

抗うつ剤で太る理由は、抗うつ剤がヒスタミンを遮断してしまう抗ヒスタミン作用があるためだと考えられています。

サインバルタにも、この抗ヒスタミン作用がありますが、従来の抗うつ剤と比べると、遮断の程度は少ないといわれています。

また、サインバルタは、意欲や活気を上げ、体の活動レベルを向上してくれるため、体重を減らす方向に働きやすいという面もあります。

顔のむくみの原因はうつ病だった!?

うつ病時の顔のむくみは、抗うつ剤の副作用が原因とされていますが、薬を飲む前の、初診時の段階で顔がむくんでいる人も少なくありません。

その場合、うつ病ではなく、橋本病や膠原病といった、ほかの病気が要因で代謝が落ち、むくんでいる可能性もあります。

しかし、検査でも判明されないような原因不明のむくみは、実はうつ病自体から生じている可能性もあります。

むくみと精神疾患は、関連性がないようにみえますが、精神科でうつ病の治療をはじめると、むくみが軽減することが多くあります。

これにも、やはり代謝が関わっています。

うつ病時は、あまり外出せずに動かなかったり、寝てばかりいることで、体内の血流は滞りやすくなります。

むくみは、血流が悪く、余分な水分が排出されないことで、引き起こされます。

ですので、運動などで筋肉を刺激し、リンパ液を動かしてあげれば解決します。

うつ病治療により、精神状態が快方に向かうことで、自然と行動範囲が広がり、むくみも軽快に向かうというわけです。

抗うつ剤使用上の注意

抗うつ剤は、効果があらわれるまでに時間がかかります。

そのうえ、むくみや吐き気といったつらい副作用がでることもあります。

そういったことに耐えられず、服用をあきらめてしまう人も少なくはありません。

しかし、これでは余計に病気を長引かせることになり、以後の治療もむずかしくなってしまいます。

また、うつ病の症状と抗うつ剤の副作用の症状が、よく似ていることから、病気の進行具合がわかりにくいといったこともあります。

治療状況を知る上でも、医師から指示された、服用量・服用時間・回数・期間を正しく守り、続けることが大切です。

自己判断での薬の中止や減量、増量は危険ですので、絶対におこなわないでください。

抗うつ剤を使用する上で、過去に過敏症状があらわれたことがある人や、心臓病、肝・腎障害、甲状腺機能亢進症などがある方は、病状の悪化に注意し、慎重に用いるようにしてください。

そのほかにも、この薬を使用中に、降圧剤や気管支喘息の治療薬などと併用する場合は、必ず医師に相談をしてください。

サインバルタの副作用 まとめ

今やうつ病は10人に1人がなるといわれているぐらい身近な病気になっています。

サインバルタはうつ病に効果的な薬です。

他の抗うつ剤と比べても比較的副作用が少ない薬だといえます。

症状の早期改善のためには用法用量を正しく守り服薬を継続していくことが大切です。

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