日課にしましょう!3種類のストレッチで全身ケア

最終更新日:2024/04/19

ストレッチをすると体の疲れがとれ、また、スポーツの前後に行うとケガを防ぐ効果も得られます。

それでは、ストレッチで全身をケアする際、無駄に時間をかけず効果的に行うためには、どうすれば良いのでしょうか。

ここでは、効率的でその効果が最も良く現れるようなストレッチの方法について、考えてみましょう。

ストレッチで全身をケアする目的は?

ストレッチとは、全身や特定部位の筋肉を伸ばすことですが、その目的は筋肉をリラックスさせると同時に関節の可動域を確保することです。

筋肉は、その端が関節の骨にくっついており、関節をまたいで伸びています。

筋肉が硬い状態のままでは十分に伸縮しないため、関節の可動域も狭くなっています。

その筋肉を柔らかくすることで、関節が十分に曲がるようになるのです。

その結果、体の可動域も広がり、事故やケガから身を守ってくれることになります。

また、筋肉は筋膜という膜で覆われており、筋肉だけを柔らかくしても十分な効果が出ません。

したがって、「筋肉ストレッチ」と合わせて「筋膜ストレッチ」を行う必要があります。
さらに、筋膜は色々なポイントに、こりが集中しやすい組織です。

したがって、筋膜ストレッチだけではなく、筋膜のこりをほぐす「筋膜リリース」を行うことも必要です。

以上のことを整理すると、まず筋膜のこりをほぐす「筋膜リリース」、次に筋膜を伸ばす「筋膜ストレッチ」、そして筋肉を伸ばす「筋肉ストレッチ」の3種類の運動があるということになります。

ストレッチで全身ケア①筋膜リリース

まず、ストレッチで全身をケアする1番目の方法、「筋膜リリース」について説明します。

自宅で効率的に行おうとすると、テニスボールを使用すると便利です。

テニスボール2個をガムテープで離れないようにつないだものと、つながない単独のボールを用意します。

2個連結のボールは、単独のボールだと安定が悪い場合に使用します。

筋膜リリースは、全身のあらゆる箇所に対して行うことができますが、ここでは代表的な部位を取り上げて説明します。

また、リリースは体の下位の部分から徐々に上に向かって行うと効果的です。

まず、足の裏のリリースです。

椅子に座った状態で、足の裏の土踏まずの部分でボールを踏んで転がし、痛みを感じる箇所を探します。

探し当てたら、その箇所を中心に、ボールをグリグリと前後に圧しつけながら動かし、コリをほぐします。

土踏まずが終わったら、足の裏の外側部分を同じようにリリースします。

足の裏が終わったら、次はアキレス腱部分やふくらはぎ部分など、自分で凝っていると感じる部位をリリースします。

こうして、徐々に体の上位に移動していきますが、リリースを行う部位は、自分で凝っていると感じる箇所を選んで行ってください。

なお、腰や背中などは、連結ボールを使用する方が安定するでしょう。

ストレッチで全身ケア②筋膜ストレッチ

次に、ストレッチで全身ケアする2番目の方法、「筋膜ストレッチ」について説明します。

筋膜は、体の上の方からから下の方まで、例えば肩から背中、背中から腰、腰から足首にかけて、筋肉を覆いながら帯のように伸びています。

それを伸ばしてリラックスさせ、状態を整えるのが筋膜ストレッチの目的です。

これは、通常道具は使わずに、床に寝そべるか、または座る状態で行います。

この筋膜ストレッチも、全身にわたって行うことができますが、ここでは代表的な部位を取り上げて説明します。

それは肩から背中、腰、太ももの裏側に伸びている筋膜を伸ばしてリラックスさせる運動です。

まず、足を前後に大きく開いて前にかがみます。

足を後ろに伸ばしている方の手は床につき、足を前に出している方の手は頭の横に添えます。

後ろに伸ばしている足の膝は真っ直ぐにしたまま、頭を床の方向に降ろしていきます。

この時、肩、背中、腰、太ももの裏側に走っている筋膜が良く伸びるように、自分で体勢を調整しながら行うのがコツです。

このようにして、体の他の部位についても筋膜を伸ばす運動を行います。

ストレッチで全身ケア③筋肉ストレッチ

次に、ストレッチで全身ケアする3番目の方法、「筋肉ストレッチ」について説明します。

前述の筋膜ストレッチは、体の上の方から下の方まで帯のように伸びている筋膜を伸ばす運動でしたが、この筋肉ストレッチは体各部の筋肉に直接行うもので、より細かいイメージです。

筋肉ストレッチは、専用の道具を使う方法もありますが、ここでは道具は使わずに代表的な部位を取り上げて説明します。

それは、お腹の筋肉である腹直筋のストレッチです。

まず、床にうつ伏せの状態で、両手は腕立て伏せの時のように体の脇で床についておきます。

両手の位置は、腕立て伏せの時よりもやや腰の方に近いイメージです。

その体勢から、両手を使いながら状態を起こしていき、腹直筋を伸ばしていきます。

腹直筋を柔軟にすることで、正しい姿勢の維持や内臓の強化、腰痛の予防に役立ちます。
お腹部分が終わったら、ほかの部位も順次行います。

3種類のストレッチの位置づけ

これまで、「筋膜リリース」、「筋膜ストレッチ」、「筋肉ストレッチ」の3種類の運動を説明してきました。

ここで改めて、それぞれの運動について、その位置づけを整理します。

まず筋膜リリースは、帯状になって全身の筋肉を覆っている筋膜のコリをほぐすための運動です。

そして、理想的なタイミングは、1日が始まる朝に行うのが良いとされています。

次に筋膜ストレッチは、筋膜を伸ばしてリラックスさせるための運動です。

昼間に仕事や勉強で疲れた時、また、スポーツ前のウォーミングアップとして行うと効果的と言われています。

最後に、筋肉ストレッチは、全身にある個々の筋肉を伸ばして、リラックスさせる運動です。

夜の就寝前、また、スポーツ後のクールダウンとして行うと効果的と言われています。

ただし、ストレッチは、どの種類をどの時間にやらなければいけないと決まっているものではなく、各人の都合や好みで自由に取り組んでも何も問題ありません。

ストレッチで全身をケアする時の注意事項

ストレッチで全身をケアする時に気をつけたい点を説明します。

まず、ストレッチを行う時は、力んだりせずに自然な呼吸をするように努めることです。

力んで呼吸を止めたりすると、心臓に過度な負担をかけることになります。

2番目は、ストレッチで伸ばしている部位の筋肉を意識することです。

「今、この筋肉が伸びている。柔軟性を取り戻しているぞ。」と意識しながら運動することで、効果が大きく違ってくるのです。

そして3番目は、決して無理をしないことです。

ストレッチで筋を伸ばすと、少しばかりの痛みが生じるのは自然なことです。

しかし、力を入れ過ぎて激痛が走るのを我慢して行うようではやり過ぎになります。

ストレッチは、体をリラックスさせるために行うものです。

無理をしても効果が上がらないばかりか、故障の原因になりかねません。

毎日のストレッチで心身爽快!

ストレッチは、毎日継続して行うことが大切です。

三日坊主ではなく、毎日継続して行えるようにするには、

① 決して無理をしない
② 忙しい合間の空き時間を上手に使う
③ 3種類のストレッチをうまく使い分ける

などが秘訣です。

そして、毎日の継続ができるようになると、それは生活の一部となり、当たり前の日課となりますが、そうすればしめたものです。

皆さんが、ストレッチを生活の一部にできるよう応援しています。

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