ストレッチは、体各部の筋を伸ばしリラックスさせるために行うものです。
体調を維持するためにも、毎日の日課として習慣づけると良いですが、少々億劫だという方もいらっしゃるようです。
そこで、種目によっては椅子に座って簡単に行えるものがありますので、ここではその代表的なものを紹介します。
椅子座りストレッチの効用
ストレッチは、体の一部分だけではなく、全身の各部位に対してバランス良く行うことが大切です。
従って、ここで紹介する「椅子に座ってできる種目」では、広く体の上部から下部までを対象とする運動を取り上げます。
具体的には、首、肩、背中、腰、脚、足首などの部位を対象にします。
首及び肩のストレッチは肩こりの予防・改善に、また、背中及び腰のストレッチは腰痛やぎっくり腰の予防・改善に効果を表すものです。
さらに、脚や足首のストレッチは、仕事や家事などで疲れてうっ血した部位をリラックスさせ、血行を良くする効果が見込めるでしょう。
また、ここで紹介する種目は、職場の昼休みや休息時間にできる簡単な運動が多く含まれています。
ただし、ここの種目をすべて職場で行うのは、時間的に難しいかもしれません。
そのため、この中から短時間で簡単にできそうなものを選び、ぜひ取り組んでください。
それでは、体の上の方から、順番にストレッチを行っていきましょう。
椅子に座って毎日やりたい首ストレッチ
ここでは、首のストレッチを行ってみましょう。
姿勢は、椅子に座って背筋を真っ直ぐに伸ばした状態で、両手を組んで後頭部に添えます。
まず、首を前後に倒すストレッチです。
前に倒す時に、両手で下に押すようにすると、首の裏側の筋肉が伸びるのが分かります。
数秒間ほど倒した状態を維持し、元に戻してから、今度は後ろに曲げて数秒間ほど止めてから、初めの姿勢に戻します。
これを1セットとし、数セットほど繰り返してください。
次に、同じ要領で首を左右に倒します。
この場合も、両手を使って押し込むようにすると、首の側面が伸びるのが分かります。
この運動も、左右それぞれ数セット分行ってください。
次は、首を左右にひねります。
これも両手を使って、数セットほど行います。
首の筋と合わせて、肩から背中にかけての筋肉が伸びるのが実感できるはずです。
最後に、首をぐるぐると回して終わりです。
椅子に座って気軽にできる肩ストレッチ
ここでは、肩のストレッチを行います。
姿勢は、椅子に座って背筋を真っ直ぐに伸ばした状態で、両手を組んで膝の上に置きます。
まず、両手を組んだまま、手のひらを前方に向けるようにして、両腕を思いきり前に伸ばしましょう。
この時、肘が真っ直ぐになるよう、また、首から肩の筋が十分に伸びるように行うのがコツです。
そして、両腕を前方に思いきり伸ばした状態で、数秒間その姿勢を維持した後、ゆるめて元に戻してください。
これを数セットほど繰り返します。
次に、右腕を前方に真っ直ぐ伸ばした状態で、その右肘の上部、ちょうど上腕三頭筋のあたりを左の前腕で抱え込むようにします。
この時、左腕には力を入れて、右腕を引っ張り込むように行うのがコツです。
これは、右肩から背中にかけての筋肉を横方向に伸ばす運動です。
右腕の後は、同じ要領で左腕を引っ張り、それを左右数セットほど行います。
最後は、左右それぞれの肩をぐるぐる回して終わりです。
このストレッチは、肩ばかりでなく首や背中の筋も伸ばしてくれ、肩こりの改善に効果があります。
椅子に座って誰でもできる腰ストレッチ
ここでは、腰のストレッチを行ってみましょう。
まず、椅子に座って、両脚を閉じたまま前方に真っ直ぐに伸ばします。
そして、上半身を脚方向に折り曲げて、前屈させてください。
体が柔らかい方でなければ、頭を脚につけることは難しいですが、できるところまで前屈させましょう。
この時、腰から背中にかけての筋肉を、意識的に伸ばすようにするのがコツです。
終わったら、今度は両脚を開いて、左右それぞれの脚の方向に上半身を折り曲げます。
これを1セットとし、数セットほど行います。
次に、背筋を真っ直ぐに伸ばした状態で、上半身をひねって後ろを向くような姿勢をとります。
この時、両手を椅子の背にかけて、腕の力で上半身のひねりを助けるようにし、目いっぱいひねった状態で数秒間止めましょう。
このひねり運動も、左右それぞれ数回ずつ行います。
日常の生活では、体にひねりを加える動作は意外と少ないため、このストレッチは体によい刺激を与えてくれるはずです。
このストレッチは、腰痛やぎっくり腰の予防・改善に効果があります。
椅子に座って午後にやりたい脚ストレッチ
ここでは、脚のストレッチを行います。
まず、椅子に座って、右脚が前後に動かせるよう体を少し右端に寄せます。
そして、右手で右の足首をつかんだ状態で、右膝を床方向、さらに後方向に動かすようにしましょう。
この時、右脚の太ももの筋が伸びる感触が伝わってくれば成功です。
この運動でも、筋肉が伸びた状態で数秒間ほど止め、元に戻します。
右脚の次は、同じ要領で左の太ももを伸ばします。
このストレッチも、左右で数回ずつ行ってください。
次に、右脚を前方に真っ直ぐ伸ばし、右手でそのつま先をつかみ、自分の方向に引っ張ります。
この時、脚は曲げずに伸ばした状態を維持しますが、力加減は各自調節して構いません。
この運動は、ふくらはぎやももの裏側の筋肉を伸ばすものです。
これも、左右の脚それぞれにつき、数回ずつ行いましょう。
仕事や家事に追われ午後になると、疲れが溜まって脚がむくんだり、うっ血したりしてしまいます。
そのような時にこのストレッチを行えば、筋肉がリラックスして血行が良くなります。
椅子に座ってスッキリできる足首・足指ストレッチ
ここでは、脚の先端のストレッチを行ってみましょう。
まず足首ですが、椅子に座って右脚を椅子の上にあげ、その右の足指に左手を絡ませます。
足の指と手の指を交互にしっかりと組んだ状態にしてください。
この時、右手で右足首を持って支えるようにします。
そして、指を時計回りに数回、逆回りに数回まわします。
これは、足首を柔らかくするストレッチで、足首がグルグルと回れば成功です。
これも、左右の足首それぞれにつき、数回ずつ行いましょう。
次に、足指の運動に移ります。
同じ要領で、今度は足の指を1本ずつ、ひねりながら伸ばしていきます。
色々な角度にひねって伸ばせば、足指の末端まで血行を良くすることができるでしょう。
この足指ひねりストレッチも、左右の足指それぞれにつき、数回ずつ行ってください。
次に、足裏の指のつけ根をマッサージします。
右の足指を行う時は、左脚の上に乗せて、指のつけ根をもみほぐすようにマッサージします。
この時、併せて土踏まずもマッサージすると、疲れがとれてリラックスした気分になることができます。
左右の足指それぞれにつき、数回ずつ行い終了です。
椅子座りストレッチを日課に!
日々の仕事や家事・育児など、多忙さに追いかけられて、体のメンテナンスがうっかり疎かになりがちです。
疲れている時は、敷いたマットの上で道具を使う正式なストレッチは、面倒だと思ってしまいがちです。
しかし、椅子に座ったまま手軽にできる種目を覚えれば、空き時間を使って簡単に体をリラックスさせることができます。
これを機会に、ぜひ毎日の日課に取り入れてください。