ストレッチを始めようとする時に悩むのが、道具の問題でしょう。
・ストレッチに道具は必要なのか。
・どのような道具を揃えなければいけないのか。
・道具を買わなければいけないなんて、気が重くなってしまう……。
ここでは、市販されているストレッチ専用の道具を紹介するとともに、身の回りのもので代用できるものはないか考えていきます。
市販されているストレッチの道具
ここでは、市販されているストレッチの専用道具の中で、代表的なものを紹介します。
1つ目はマットです。
これは、ストレッチを行う時に床に敷くものdせう。
・床からの衝撃を防ぐ
・冷たさから身を守ってくれる
上記のような効果があります。
2つ目はボードです。
・その傾斜や凹凸を利用して体の柔軟性を高める
・体のゆがみを直す
・脚や背中のツボを刺激して血流を改善する
こういった効果があります。
3つ目はポールです。
・姿勢を正す
・肩こりや腰痛を改善する
これらの効果があります。
4つ目はバランスボールです。
・バランス感覚を養う
・エネルギー消費を即し、ダイエット効果がある
・体幹を鍛える
・体の柔軟性を高める
このような効果があります。
市販されているストレッチの道具は、これ以外にたくさんありますが、いずれも効率的にストレッチを行うことを助けてくれるものです。
身の回りのものをストレッチの道具に その1 建具類
前述したように、ストレッチ専用の道具を購入するのも方法の1つですが、身の回りのもので代用できるものはないか探してみましょう。
まず考えられるのは、壁・柱などの家の一部や建具類です。
壁は、押して足腰を鍛える、または1人で逆立ちをする時の支えに利用できます。
また、最近の住宅は柱が露出している構造が少なくなりましたが、柱も道具として利用できます。
柱がない場合は、収納庫の扉を開けた中の区切り壁など、両手でつかめる幅のものなら大丈夫です。
使い方は、柱または収納庫の区切り壁にお尻を向け、両脚を肩幅以上に広げて立ちます。
柱と体の間は60~70センチメートル程度開けておきます。
そのまま、後ろに反る形で両手を伸ばして柱をつかんでください。
つかんだら、今度は両手の力で柱を下の方に伝っていきます。
それにつれて、体が後にどんどん反っていくイメージです。
はじめは無理せず、ある程度の深さで止めて、今度は逆に両手で柱を伝って上方に戻りましょう。
難しそうですが、慣れてくれば両手が床につくところまでできるようになります。
両手で柱または収納庫の区切り壁をつかんでいるので、倒れる心配はありませんし、戻ってくることも楽にできます。
このストレッチは、背骨から腰周辺の筋肉を柔軟にするとともに、腹筋を鍛える効果もあります。
お風呂あがりで体が柔らかい時に取り組めばやりやすいでしょう。
身の回りのものをストレッチの道具に その2 家具類
ここでは、家具類の中から使えそうなものを考えてみましょう。
まず、家具の代表格であるテーブルが使えそうです。
例えば、テーブルにお尻を向けて、両手を広げてテーブルについた状態で立ちます。
そして、徐々に肘を曲げながらその場にしゃがみ込むような動作を行います。
しゃがみ込んで肘が十分に曲がったら、今度は脚と腕の力を使ってゆっくりと起き上がってください。
これは、両肩から肩甲骨にかけての筋肉を柔らかくして、肩こりを改善させるストレッチです。
この運動を行う時に注意する点は、体の重みでひっくり返らないように、頑丈なテーブルを使うということです。
次にイスですが、これはストレッチの道具として欠かせないものですね。
イスに座った状態で脚を真っ直ぐに伸ばし、上半身をそのまま前に倒していく運動は、背中や腰の筋肉を伸ばし、腰痛の防止になります。
また、仕事の合間などには、座ったままの状態で首の運動や両肩をグルグル回すなどのリラックス法が考えられます。
これも立派なストレッチです。
身の回りのものをストレッチの道具に その3 一般の運動用具類
一般の運動用具で、ストレッチの道具として使えそうなものはないか考えてみましょう。
家族に野球をやっている方がいれば、バットが使えそうです。
使い方として、まずは両手でバットを逆さまに持ちます。
そして、足を開いて立った状態で上半身だけ前傾させます。
両手を真っ直ぐに伸ばしてバットの頭を床に立て、上から圧しつけるようにすると、わきの下からわき腹にかけての筋肉を伸ばすことができるでしょう。
また、バットの素振りも効果があります。
素振りの目的は、体の筋肉をリラックスさせることにあり、野球の練習のためではありませんのでフルスイングは行いません。
体の力を抜いて、素振りを軽く数回ほど行いますが、ここで左右を交代させるのがミソです。
左右を交代させることは、体全体のバランスを調整する効果があるからです。
左右数回の素振りを1セットとし、これを数セット行います。
次に使えそうなものが、テニスボールです。
テニスボール2つをガムテープで留めたものと単独のものを用意します。
テニスボールは、背中や腰の下に当てて前後左右に動かし、コリをほぐすために使用します。
また、脚の裏側のふくらはぎや足首の裏側などに当てて、リラックスさせる方法もあります。
単独のボールでは安定性が悪い場合に、2連結のボールを使います。
身の回りのものをストレッチの道具に その4 雑貨類
次に身の回りの雑貨で、ストレッチの道具になりそうなものを探してみましょう。
まず、雑誌を何冊か重ね合わせてガムテープで止めれば、ストレッチ用のボードとして使えます。
背中や腰の下に敷いてツボを刺激することができそうです。
次に考えられるのは、ペットボトルです。
使い終わった500ミリ~2リットルのペットボトルに水を入れれば、ダンベルの代わりにできます。
ボトルの大きさや水の量は、自分の体力に応じて調節してください。
これを両手用として、2つ用意しておくと便利です。
代表的な使い方は、ペットボトルを両肩の高さに持ち上げ、そこから左右交互に頭の上に持ち上げる運動です。
肩の筋肉や上腕の裏側の筋肉を鍛えることができます。
どちらかというと筋トレに近いですが、筋肉を鍛えることで血行も良くなります。
ストレッチの道具を使う場合に気をつけたいこと
ここまで市販されているストレッチ専用の道具を紹介し、また身の回りのものを代用する方法について説明してきました。
以上のことから、道具があれば効率的・効果的にストレッチができるということが分かりました。
そこで、どのような道具を揃えなければいけないかとの疑問ですが、ストレッチの目的や内容が人それぞれで異なるため、必要な道具も変わってきます。
肩こりや腰痛改善を目的とする方、ダイエット目的の方、故障した部位のリハビリ目的の方、全般的な体力増強を目指す方など、様々な目的の方がいます。
したがって、現在の自分の症状に合わせたストレッチプログラムを組むことが先決で、その目的や内容次第で、道具の必要性や種類が決まってくるのです。
つまり、ストレッチの内容を考えずに片端から道具を買い込むようなことは、あまり上手な方法とは言えません。
購入する場合は、自分が行おうとしているストレッチの目的や内容に適合したものを選ぶようにしましょう。
道具に縛られず、まず始めてみましょう
今までみてきたことで大切な点は、ストレッチの目的や内容に適合した道具を選ぶということです。
そして、ストレッチの目的や内容に適合した道具が決まれば、市販の専用道具を買うのも良い方法だと言えます。
しかし、仕事が忙しく必要な道具を買う暇がない、今は購入予算がないなどの理由で道具を買えず、ストレッチを始められない方も多くいることでしょう。
そのような場合には、身の回りのもので代用できるものがあれば、当分の間はそれを利用するのが上手な方法です。
道具に縛られず、まず始めてみようではありませんか。