タバコを吸っている方で、最近呼吸が苦しい・・、咳や痰が長く続いている、という方いらっしゃいますか?
タバコが原因でなるCOPDという病気、ご存知でしょうか?
COPDになってしまう一番の原因は喫煙です。
COPDについて詳しく紹介していきたいと思います。
タバコを吸うと呼吸が苦しい・・考えられる原因は?
タバコを吸うと、呼吸が苦しい場合は、慢性閉塞性肺疾患である可能性があります。
慢性閉塞性肺疾患は、一般的には『COPD』と言われているのですが、COPDは慢性呼吸器疾患の一つになります。
有毒なガスや微粒子を吸い込むことで、肺胞が壊れたり、気道が炎症したりして、息苦しくなるのです。
呼吸が苦しいこと以外の症状として、咳や痰の症状もあります。
COPDは、タバコが原因で生じることがよくあります。
タバコ1日40本を長年続けて吸っている40歳以上の場合、咳や痰が出るなら自覚症状がなくてもCOPDであることがあります。
息苦しさを感じる場合は、病院で検査してくださいね。
症状が重くなると慢性閉塞性肺疾患は、息切れがしやすい、動悸がする、という症状も出てきます。
そして、平らなところをちょっと歩いただけでも呼吸が苦しくなったり、さらに症状が重くなると、日常の動作でさえ息が切れるようになっていきます。
タバコで症状がひどくなるため、患者の95%はタバコを吸う人です。
呼吸が息苦しいのは肺の病気の可能性も
タバコを吸うと呼吸が苦しい場合は、肺が息苦しく感じるのですが、タバコが原因ではなくて、肺の病気が原因であることもあります。
肺の病気で息苦しい場合は、体に取り込む酸素不足、酸素は十分あるけど空気の通り道が細い、肺が十分に広がらない、という原因があります。
呼吸が苦しくなる肺の病気は、肺炎、肺水腫、肺気腫、気管支喘息、急性気管支炎、過換気症候群、膿胸などがあります。
肺炎は、肺が微生物に感染して炎症する病気です。
熱、激しい咳、痰、悪寒などの症状も出ます。
肺水腫は、呼吸困難が主な症状で、肺血管の透過性亢進や内圧の上昇、膠質浸透圧の低下などで肺に水が溜まる病気です。
肺気腫は肺の機能が低下して、中年以降の男性によくある病気です。
タバコを吸わない40代以降の男性が、息苦しい場合は、肺気腫の可能性があります。
気管支喘息は、発作的に呼吸困難が生じます。
急性気管支炎は、痰が出ないのが特徴で、風邪の後に急性気管支炎になることがよくあります。
過換気症候群は、過呼吸症候群とも呼ばれます。
発作的に呼吸が速くなり、息苦しさや不安感などの症状が出ます。
不安を感じやすい性格や、心理的ストレス、などが原因です。
膿胸は、胸膜が炎症を起こして胸水が膿性となる病気です。
膿がたまって呼吸が苦しくなり、息切れ、呼吸困難、胸部の圧迫を生じます。
タバコを吸うと呼吸が苦しい・・COPDについて
慢性閉塞性肺疾患は、タバコの煙などの有毒物質を長期間吸うことで起こる肺の炎症の病気です。
肺胞系のダメージが進んで、気腫型になる場合と、気道病変が進んで非気腫型になる場合があります。
COPDは、 肺胞‐末梢気道‐中枢気道に関わる病変を包括しますが、以前は肺気腫と慢性気管支炎に分かれていました。
COPDの患者数は世界的に増えていて、2020年までに世界の死亡原因の3位になると言われています。
日本で2000〜2001年に行われた疫学調査で、40歳以上の成人の8.5%、530万人がCOPDに罹患していることがわかりました。
喫煙が、COPDの原因の約90%です。
慢性の咳、痰、息切れ、が主な症状です。
しかし、COPDは、早期に気づきにくいのが特徴です。
そのため、重症になって呼吸不全になったり、呼吸が苦しいので日常生活ができなくなったり、というのが繰り返されます。
早めにCOPDを見つけるためには、肺機能検査が必要です。
また、禁煙をしたり、適切に病気を処置すれば、COPDの予防と治療ができます。
COPDの原因はタバコ?受動喫煙にもリスクがある?!
呼吸をすると息苦しいCOPDの原因は、タバコです。
COPDは、喫煙者の15〜20%に発症し、COPD患者の90%は過去にタバコを吸っていた人です。
また、遺伝的素因もCOPDの原因になります。
今解明が進んでいるのがα1-アンチトリプシン欠損症です。
肺胞のダメージが促進する病気です。
この病気を持っている人が喫煙したら、肺胞のダメージや肺機能が低下するスピードが早くなります。
ただし、日本ではα1-アンチトリプシン欠損症はとても少ない病気です。
また、大気の汚染物質や、換気が十分でない部屋での調理などが原因になることもあります。
中国で問題のPM2.5もその原因の一つで、PM2.5は喘息の危険も高める原因でもあります。
COPDはタバコの煙による肺の炎症なので、同じ室内で煙を吸う人にも危険が及びます。
タバコを室内で吸う人が1人いると、部屋はPM2.5よりも高い濃度になります。
タバコを吸う人がいる家庭といない家庭の部屋のPM2.5の濃度は、10倍くらいもの差があるのです。
タバコをやめ禁煙しましょう!COPDの症状を悪化させないための治療法
COPDは、タバコを吸うことが原因です。
そのため、禁煙をしたら肺は元に戻る、と思っている人もいますがそんなに簡単に肺は元に戻りません。
たとえば、喘息はアレルギーが原因なので、アレルギー反応を元に戻すと治るのですが、COPDにはリンパ球が関係しています。
そして、そのリンパ球が増えて、炎症反応を強くする物質が作られ、肺や気道が損傷するので、禁煙しても病状は進みます。
COPDは、早期発見をして、適切な治療を受けて、症状を悪化させないことが大切です。
治療は、禁煙、薬物療法、呼吸リハビリテーションになります。
喫煙者は、まずタバコをやめましょう。
薬物療法では、β2刺激薬や抗コリン薬などを使用します。
気管支を広げて、空気を通りやすくして症状を改善するのです。
呼吸リハビリテーションは、肺の周りの筋肉を動かすことが目的です。
COPDになると、呼吸が苦しいために、日常生活の動作が制限されるので、呼吸困難を減らして社会生活に戻れるようにしていきます。
身体活動をすれば、COPDになっても生存期間が伸びたり、病気を克服することもあるので、とても大切な治療になります。
いつもより呼吸が苦しい・・COPD増悪が原因?予防方法はある?
COPDは、増悪の前兆を見逃さないようにしてください。
次のような症状が一つでも出れば、対処方法を医師に相談しましょう。
安静時でも呼吸が苦しい。
発熱がある。
痰の量が増えた。
痰の切れが悪い。
黄色の痰が出る。
咳が増えた。
風邪の症状がある。
ゼーゼーという呼吸音。
息切れの増悪。
安静時でも息切れがすれば、増悪の可能性があります。
また、黄色の痰が出れば、細菌感染による増悪の可能性があります。
増悪の発端になる風邪やインフルエンザを予防することが大切です。
うがい、手洗いなどで、風邪やインフルエンザの予防をしてください。
また、インフルエンザワクチンを接種することも大切です。
インフルエンザワクチンは、増悪を減らし、インフルエンザや肺炎による入院や死亡を減らします。
それから、肺炎球菌はCOPDの増悪や肺炎を生じる病原体なので、肺炎球菌ワクチンを受ければ、この菌による肺炎を予防できます。
COPDの治療に使用される吸入薬でも、憎悪が防止できます。
運動療法で、身体活動をアップさせるのも、増悪予防に役立ちます。
また、繰り返しますがタバコを吸うのはやめましょう。
あれ?と思ったら早期受診を!
喫煙している方で、年齢を重ねられている方は、要注意です!
喫煙歴があり、咳や痰が長期的に続いて呼吸が苦しいと感じている場合は、COPDの可能性があるかもしれません。
違和感を感じた場合は、病院で検査をしてもらいましょう!
早期発見できるかもしれません。