抗不安薬は不安を和らげる作用を持つお薬で、「安定剤」「精神安定剤」などと呼ばれることもあります。
抗不安薬には沢山の種類があり、それぞれ特徴が異なります。
『処方されて抗不安薬を飲んではいるが、どのような特徴を持っているのだろうか?』
『自分に一番合っている抗不安薬はどれ?』と疑問に思いますよね。
そこで今回はデパスとレキソタンについてと、デパスとレキソタンは併用しても大丈夫なのか調べてみました。
デパスとレキソタンの併用可能?デパスとは?
デパスとレキソタンの併用ができるかどうかについてですが、まずデパスについて説明していきますね。
デパスなどのベンゾジアゼピン系の薬には、抗不安作用の他に、筋弛緩作用、催眠作用、抗けいれん作用の働きがあります。
ベンゾジアゼピン系の薬は、この4つの作用があります。
4つの作用の強さは薬によって違うので、病状にあったものを選ぶことが大切です。
デパスは抗不安作用・筋弛緩作用が強く、不安を減らしたり体をリラックスするのに効果があります。
そのため、患者からも高い人気があります。
筋弛緩作用が強いので、筋肉の緊張からきている肩こりなども改善できるので、精神科だけでなく整形外科などでも使われています。
ただ、足の筋肉が緩んでふらつきやすくなることがあるので、気をつけてくださいね。
高齢者がデパスを使うと転倒や骨折の原因になることがあります。
それから、不安を改善する効果が高いことは、薬の効果を感じやすいということなので薬の依存状態になりやすいということになります。
デパスとレキソタンの併用可能?デパスの副作用とは?
次にデパスの副作用についてご紹介します。
デパスは、抗不安薬の中では副作用は少し多いほうになります。
デパスは素晴らしい抗不安薬で、日本では抗不安薬として最も処方されています。
抗不安作用があり、筋弛緩作用や催眠作用もあるので、心身を落ち着かせるのに有効です。
ただ、副作用も出やすいので、デパスは医師の指示に従って正しく服薬してください。
デパスなどの抗不安薬で最も問題になる副作用は依存性です。
デパスはベンゾジアゼピン系の薬ですが、ベンゾジアゼピン系は医師の指示を守らずに長期・大量に服薬すると耐性形成、依存性形成が生まれることがあります。
耐性とは、身体が薬に慣れて効きが悪くなること。依存性とは、その薬を手放せなくなるという状態です。
耐性・依存性はベンゾジアゼピン系で生じる副作用ですが、デパスは効果が強く半減期も短いので、耐性・依存形成は少し多めです。
ベンゾジアゼピン系には、 抗不安作用、催眠作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用、の働きがあり、デパスも同様です。
強さは薬によって違います。
デパスは抗不安作用は強く、催眠作用は中等度、筋弛緩作用は強く、抗けいれん作用は弱めです。
また、これらの作用に関係のある副作用が起こることもあります。
眠気が生じる、ふらついて転倒が起こりやすくなる、などです。
このあとに説明するレキソタンと比較すると自分にとってもベストな服用方法が見えてくるかもしれません。
デパスとレキソタンの併用可能?レキソタンとは?
デパスを知っていただいた後はレキソタンについて説明していきますね。
レキソタンは、ベンゾジアゼピン系の薬です。
ベンゾジアゼピン系は、 抗不安作用、筋弛緩作用、催眠作用、抗けいれん作用、の作用を持ちます。
強さは抗不安薬によって違いがありますが、レキソタンは強い抗不安作用、中等度の筋弛緩作用、中等度の催眠作用、中等度の抗けいれん作用、という強さになります。
レキソタンの最も素晴らしい特徴は、強い抗不安作用です。
そのため、レキソタンが抗不安薬の中で最も効果がある、と評価する医師・患者はたくさんいます。
抗不安作用は強いので、不安が強い患者にとってはなくてはならない薬になります。
即効性が高いのも、レキソタンが人気がある理由です。
レキソタンは、服薬後だいたい1時間で血中濃度が最大になります。
これは抗不安薬の中で速いほうです。
服薬して15分ほどで効果を感じるので、いざという時にすぐに使えるお薬として好まれています。
デパスとレキソタンの併用可能?レキソタンの副作用とは?
次にレキソタンの副作用について説明していきますね。
効果が強いのは、副作用が出やすいという事です。
ふらつきや転倒、眠気、倦怠感、集中力低下、等の副作用があります。
耐性、依存性の副作用もあります。
耐性は、薬の服薬を続けると身体が慣れて薬の効きが悪ることです。
効果を得るためにはより多い量を必要とするので大量処方につながります。
依存性は、薬の服薬を続けていると、その薬を手放せなくなり依存性が形成されるころです。
お薬を飲まないと不安定になったり、発汗やふるえといった離脱症状が出ます。
ベンゾジアゼピン系の薬は、耐性・依存性があるのですが、効果が強いお薬ほど耐性・依存性が起こりやすいです。
レキソタンは効果が強いので頼ってしまいやすいお薬なので、そのため安易な服用を続けてしまい、その結果として耐性・依存性が生じてしまう危険性があります。
特に大量の服薬や長期の服薬を続けていると耐性・依存性が形成されるので気をつけましょう。
耐性・依存性が起こらないよう薬の量は少量・短期間にしてください。
医師の指示を守って、決められた量を服用しましょう。
レキソタンのメリットは、強い抗不安作用と筋弛緩作用で肩こりや筋緊張性の頭痛にも効果があり即効性もあること、デメリットは眠気やふらつきが強く、耐性・依存形成も強いので、効果が強いが副作用に注意が必要、となります。
どうでしたか?
デパスとレキソタンの違いが理解できましたか?
効果や副作用に大して違いが無いように感じたのではないでしょうか。
デパスとレキソタンの併用は可能?
ここで最初の疑問についての回答ですが、デパスとレキソタンの併用は、あまりおすすめできません。
主成分が少し異なりますが、脳のBZD受容体に作用してリラックス系の神経を活性化させる仕組みは同じです。
主成分が違っても、とても似ているのです。
頭痛のときにバファリンとEVEを一緒に飲むのと似ています。
健康上の飲み合わせの問題はないのですが、一緒に飲んだら相乗作用で効き目が強くなりすぎるのです。
そしてこれはとても危険です。
薬には一日または一回に処方できる最大限度量があります。
合わせ飲みで効き過ぎる効果に体が慣れると、単剤の最大処方量でも効き目が足りなくなります。
また、薬剤耐性がつきやすく、更に薬が効かない体になることもあります。
一時の体調を優先して合わせ飲みを続けていると、後で後悔します。
毎食後デパス、頓服でレキソタン、など処方を変えるのがいいでしょう。
薬の感受性は人によって違います。
精神疾患は、自分に合った薬や併用の処方を見つけることが大切になります。
主治医と相談してくださいね。
私は前に不安感が強くなり医師と相談の上、レキソタン、デパスの併用をしたのですが、問題ありませんでした。
現在は、不安時にレキソタンを飲み夜寝る前にデパスを飲んでいます。
デパスとレキソタン等の抗不安薬の強さの分類
デパスとレキソタンの併用についてご紹介しましたが、次は、抗不安薬の強さについてご紹介していきます。
まずは、抗不安薬を強さの程度によって分けてみましょう。
抗不安薬を、不安を和らげる作用が強い、不安を和らげる作用が中くらい、不安を和らげる作用が弱い、という強さで分けると次のようになります。
強い→デパス、レキソタン/セニラン、ワイパックス、リボトリール/ランドセン、レスタス、などです。
中等→ソラナックス/コンスタン、セパゾン、セルシン/ホリゾン、メイラックス、などです。
弱い→グランダキシン、リーゼ、セレナール、バランス/コントール、などです。
抗不安薬は強ければ強いほど、不安を抑える働きが強くなりますが、かといって強いほどいいというものではないのです。
それは、働きが強ければ強いほど、副作用が起こる可能性が高くなるからです。
そして、働きが強ければ耐性と依存性も起こりやすくなります。
自分の症状に対して、最も合った強さの抗不安薬を選んでくださいね。
デパスとレキソタンのメリット・デメリットを知って上手に付き合おう
抗不安薬は、不安で苦しんでいる方にとって役立つお薬であるのは間違いありません。
しかし一方で、過量服薬や乱用過量・依存・離脱症状なども問題となっています。
抗不安薬の正しい知識を持って、適切に使用することが大切なのです。
自分が使っている抗不安薬の特徴やメリット・デメリットを知り、抗不安薬の正しい選び方を考えて付き合っていきましょう!