デパス依存で服用期間が長く摂取量が多いとどうなるの?!

最終更新日:2024/04/03

抗不安薬は不安を和らげる作用を持つお薬で、「安定剤」「精神安定剤」などと呼ばれることもあります。
抗不安薬にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
『あなたはデパスをやめられますか?』と問われたら動揺してしまうくらい、デパスの依存性と効果の強さは有名です。
デパス依存で服用期間が長く摂取量が多いと離脱症状が起きます。
今回はデパス依存対策と、離脱症状についてご説明します。

安全な使用期間が不安。デパスの依存性は?

現在、処方される抗不安薬ではベンゾジアゼピン系のものが主流となっています。

代表的なベンゾジアゼピン系抗不安薬であるデパスは筋弛緩作用が強く、効果的に体の緊張を和らげてくれる反面、薬を効果的に感じる作用期間が短く、半減期を過ぎると急激に薬が抜けた感覚が生じるため、抗不安薬の中でも特に強い依存性を持っています。

依存性をおおまかに分類すると、薬の欠乏により体のバランスが崩れる身体依存、薬が切れることへの不安が強くなる精神依存とに分けることができます。

さらに体が薬に慣れ、量を増やさなければ効きが悪くなることを耐性といいます。

これら3つが重なると、抗不安薬抜きでの生活が困難になってしまいます。

半減期の短いものほど依存性が高いといえます。

アザピロン系抗不安薬のセディールは半減期が長く、依存性は認められないものの、その効果を実感しにくいという欠点があります。

抗不安薬を使用する際は効果の高さだけに目を向けるのではなく、使用頻度とその半減期にも十分に気をつける必要があります。

依存性の高いデパスの服用期間によっておこる離脱症状とは?

長期間・大量にデパスの服薬を続けているとその依存性から離脱症状を起こしやすくなります。

離脱症状とは急に薬を減らしたり、中断した時に血中における薬物濃度の急激な変化に身体がついていけなくなるために生じる様々な症状のことをいいます。

長期間、あるいは大量に服薬を続けてると、デパスが毎日入ってくるという前提で身体の様々な働きを調整するようになるので、デパスがないと身体の諸機能を調整できなくなってしまいます。

服薬を続けていると徐々に私たちの脳は「この成分は毎日、一定の量が入ってくるものなんだ」と認識するため、それが急に途絶えた場合、脳は急激な変化に対応できず、パニックを起こしてしまいます。

それが焦燥感、頭痛、肩こり、吐き気、悪心、動悸などといった身体症状として現れるのです。

離脱症状を避けるためには、医師と相談しながら、その持続可能な期間を知り、決められた量の内服にとどめることが重要です。

医師の指示に従い、正しい頻度、方法で服薬、減薬をしていれば防げる症状なのです。

適切な使用期間でデパス依存にならない為の対策①

睡眠薬を選ぶときは、デパスと同じベンゾジアゼピン系以外のものにしましょう。

なぜなら、効果が強い反面、半減期が短く依存性が強いといった特徴を持つ同系統の薬を重ねて使用することでさらに依存性が強くなるからです。

非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬にはマイスリー・アモバン・ルネスタといったものがあり、これらの効果はベンゾジアゼピン系睡眠薬によく似ています。

薬が強くなると依存性も高くなるので、デパスを使って不安が落ち着いてきたら、今度は期間を決めたうえで少しずつ依存性の少ない薬へと移行するよう心がけましょう。

離脱症状の問題があるため、薬を変更したい場合や量を調節したいといった場合は、独断で行うことは絶対に避け、必ず医師との相談の上で行うように気をつけましょう。

また、薬にだけに頼らず、不安を自らコントロールしようという意識も大切です。

半減期が長く、依存性の少ないメイラックスという抗不安薬があります。

不安の強い方はこのような効果が長時間続く薬に変えてもよいでしょう。

適切な使用期間でデパス依存にならない為の対策②

治療が長引くことが予想されるときは、SSRIなどの抗うつ剤と併用していきます。

SSRIは効果が出るまでに時間がかかる効果が出るとことが多く、感覚的な話になってしまいますが、周りが気にならなくなるようになり、徐々に発作的な不安も減っていきます。
SSRIの効果が出てきたら、少しずつ抗不安薬の使用頻度を減らし、SSRIにシフトさせていきます。

抗不安薬はメインとして使うのではなく、何かあっても大丈夫だというお守りのようなものだと思って使用することが理想です。

きっかけがあると不安が強くなる方は、デパスを頓服で使っていきます。

不安を1日中カバーする必要のある方は、メイラックスを常用しながらの頓服として使っていきます。

これでもコントロールできない時は、離脱症状、薬を期間を決めて徐々に減らしながらもしっかり常用してください。

しかし、薬に依存しない努力をすることも重要です。

生活リズムを整え、生活習慣を見直し、呼吸法や自律訓練法や漸減的筋弛緩法などを取り入れることで不安をコントロールできるようにしていくことも重要です。

最後に、薬をアルコールと一緒に服用することは非常に危険な行為ですから、絶対に避けましょう。

症状ごとのデパスの副作用①

デパスは睡眠薬としても使われていますのはご存知ですか?

催眠作用がとても強いため、眠気はよく認められる副作用です。

服用を続けてみても症状が改善しないようならば、薬の減量、眠気の少ない薬に変更しましょう。

まだ服用して間もないときは、できれば催眠作用がどれだけ出るのか様子を見てください。

夜に眠気が出てくる分にはよいのですが、日中に眠気が出てくるのには注意が必要です。
不安感や緊張感が強い時は交感神経が活発になっているので眠気どころではありません。
しかし、薬を飲んで落ちつくと、もとの自律神経のバランスに戻っていきます。

その中で少しずつ眠気の副作用が目立ってくることもありますが、効いている感覚がわかってくるまでは、服用後の眠気に注意して生活してください。

慣れてきたら少しずつ期間を決め、徐々に減薬してみましょう。

それでも眠気が残るようでしたら、さらに依存性、催眠作用の弱い薬に変えていきます。
『ワイパックス』『ソラナックス』『コンスタン』『セパゾン』『リーゼ』などへの切り替えを医師との相談のもと検討してみてください。

症状ごとのデパスの副作用②

デパスには筋弛緩作用があり、緊張が強くて肩がこってしまったり、身体に緊張やこわばりがある時は、むしろ効果として期待ができる作用となります。

反面、高齢で足腰が弱っている方に筋弛緩作用が強く出てしまうと、ふらつきの症状がでてしまいます。

眠気とも相まって、転倒して骨折してしまう危険性があります。

ふらつきはよく認められる副作用なので注意しましょう。

眠気と対策は同じで、まだ服用して間もないときは、様子を見てください。

それでも改善が見られない場合は、期間を決めて減量していくか、筋弛緩作用の弱い薬に変更するかのどちらかとなります。

デパスは依存性のとても強い抗不安薬です。

長期にわたる時はSSRIなどの抗うつ剤へと切り替え、出口を見据え、漫然と使わないようにしましょう。

はじめは1錠で効いていたのに少しずつ効かなくなってしまう時は、耐性が形成されたと言えます。

ここで勝手に量を増やすことは離脱症状へと繋がるので、独断での判断は避け、医師に相談したうえで服用してください。

依存症にならない為にデパスの適切な使用期間を考えよう

デパスは『万能薬』と呼ばれるほど、幅広い症状に対して処方されています。

服薬期間が長く、摂取量が多いと特に依存しやすいです。

デパスを毎日服用していると、少しずつ身体が薬に慣れていきます。

すると身体は、デパスがあることを前提にして機能のバランスを整えるようになっていくので気をつけましょう。

抗不安薬以外で対処する努力をしつつ、依存症にならない為にデパスの適切な使用量を守りましょう!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です