スポーツをしている方はテーピングやサポーター、一度はつけたことありますよね。どちらも狙いは似たような気がしますが、実際効果に違いがあるものなのでしょうか?違いを正しく理解した上でどちらが自分にとって効果的なのか知っておくと、早期回復や予防に役立つこと間違いありません。今回はテーピングとサポーターの違いを紹介していきますので参考にしてください。
テーピングとサポーターの主な違い
関節や筋肉を痛めた時、以前は患部の安静が常識でした。
しかし近年は急性期以外、痛くない範囲で平常通り動かすよう指示されることが多いです。
骨折などはもちろん固定が必要ですが、固定不要のケガの場合は、早期に動かし始めた方がはやく治る場合が多いです。患部の固定除去後や、強い固定が必要ないケガのリハビリ期に、サポーターやテーピングはとても活躍します。また、ケガが治ってからも関節が不安定な場合や、スポーツ・日常生活時の再発防止にも欠かせません。
サポーターは、主に固定用と保温用があります。
固定用は、関節をしっかりと覆い、マジックテープで止めるタイプが多いです。金属やプラスティックのステイ(そえ木)で固定力を強化し、巻く強さで圧迫力を調整できます。使い過ぎで痛い関節や、スポーツ選手に最適ですが、価格は高めですね。
保温用は、筒状に関節を包みこむ、昔からあるサポーターです。素材や伸縮率もさまざまで、保温はもちろん圧迫力が期待できるものもあり、比較的安価です。
テーピングは固定用の伸びないテープと、動かしながら治す伸びるテープがあります。正確なテーピングには習練が必要で、貼る位置や貼り方によって効果が違ってきます。ご自分で貼る場合は、専門家の指導を受けた方が良いでしょう。貼るだけで楽になることもある優れ物ですが、かぶれやすい方には、残念ながら不向きです。
サポーターと違いテーピングの方が幅広い場面で役立つ
伸びないタイプのホワイトテープなどは、動かすと痛い関節や、運動を制限する必要のある不安定な関節に使用します。スポーツ時のケガの予防や、応急処置などしっかりとした固定に適しています。
現在治療の現場で広く使用されている、伸び縮みするテープは、当初キネシオテックスと呼ばれていました。貼り方は、加瀬建造D.C.(米国でカイロプラクティック国家資格取得)により、1980年にキネシオテーピング法として開発されました。当時は、筋肉と同じ伸縮率のテープが筋肉の代わりをして保護し、その働きを助ける作用で痛みを和らげ、治癒をはやめると言われていました。その後、皮下リンパの流れを促進することが確認され、よりテーピングの効果が実証されました。お相撲さんや他のスポーツ選手が貼っている姿がテレビで放映され、一般の方にも知られるようになりました。今も専門家により、さらに効果的なテーピング法が開発され続けています。
既存の治療でなかなか効果の得られない患者さんは、キネシオテーピングを一度試してみることをおすすめします。
テーピングと違いサポーターは簡単装着できる
関節は特に冷えに弱い部位ですので、保温は重要です。また冷え性の方にとっても、寒い季節にサポーターは、ありがたいものです。夏場のクーラーによる冷えの症状にも有効ですよ。肌触りがよく、機能的な素材の保温効果の高い品も次々と開発され、ドラッグストア等の棚に並んでいます。季節や症状により、ご自分に合ったサポーターを選んでみましょう。
スポーツ用の固定サポーターは、高価なものが多いです。サイズや装着感など、試着できると良いのですが、販売店ではなかなか難しいですよね。迷われたら、通院中の病院・治療院の先生に相談してみるのも良いでしょう。
またスポーツ選手は、トレーナーさんのアドバイスがとても有用です。選手出身の方が多いので、自身の体験も含めて助言してくれるでしょう。
以前は海外メーカーのものが主流でしたが、最近では国内のメーカーも増えてきました。研究開発に熱心で、優れたサポーターが数多く発売されていますので、興味のある方はネットで検索してみて下さいね。
サポーターは目的を間違えないように
販売されているサポーターは、ほとんど既製品ですので、サイズ選びは慎重にしなければいけません。合わないサポーターは不快なばかりか効果が望めず、逆に痛みが強くなってしまう場合もあります。そんなサポーターは二度と使うことなく、結局無駄になってしまいますので、用途・サイズを良く検討して選びましょう。
固定用のサポーターの多くは巻くタイプなので、関節の大きさや筋肉の太さにさほど左右されず、強度も調整可能です。サイズが合っていれば、とくに高価な製品は付けた瞬間に、その効果を実感できますよ。
保温用のサポーターは筒状のタイプが多いので、関節・筋肉の太さに合わないと辛いです。きつすぎると圧迫感が強く痛いですし、血行を阻害しますので良くないですね。緩すぎても使用中にずれてきてしまい、効果がありません。
製品説明文に装着する部位の適用周径が表示されていますので、参考にして下さい。
サポーターは手軽に利用できる優れた治療手段ですが、製品選びはとても重要ですので、十分に情報を収集してから、決めましょうね。
腰痛用のサポーターをコルセットと呼ぶことが多いです。 さまざまな種類・形状のものが発売されています。
急性期から慢性期にかけて、経過を追って必要な固定力は変化していきます。 決して安価なものではありませんが、それ相応の効果があり、病院・治療院ですすめられます。 通常は既製品ですが、整形外科では装具士さんにオーダーメイドのコルセットを作成してもらえる場合がありますので、ご担当医に相談してみてください。費用は保険給付分が、あとで返還されます。
固定は、弾性包帯やバンテージタイプのサポーターでも可能です。比較的安価で、何度でも使えますが、巻き方が難しい場合がありますので、専門家の指導を受けましょう。湿布の上から使用可能ですし、巻く強さや方向により、圧迫力や制限する角度を調整できますので、慣れるととても重宝ですよ。
どちらもつけっぱなしは禁物です!
手首の腱鞘炎は、女性に多く見られます。使い過ぎや加齢が原因と言われていますが、女性ホルモンも影響しているようです。雑巾を絞ったり、ドアノブを回すだけで、手首の親指側に激痛が走ります。腱や腱鞘に炎症があり、親指を握って手首を小指側に倒すと、痛みが増します。
良く使う部位に発症しますので、動かないようにサポーターで固定する治療は有効です。テーピングも効果がありますが、長期間貼り続けないで下さい。かぶれますし、体が頼ってしましますので、時々間を開けるようにしましょう。
サポーターを一日中つけ放しの方がいらっしゃいますが、これもいけません。動かないように固定しているので、関節を動かしたり関節を保持する筋肉が働かず、少しずつ弱くなってきます。
筋力低下は治癒を遅らせる要因になります。また関節を動かさないと筋肉が伸縮しないので、血行が悪くなります。長時間の圧迫も同様ですね。
痛い部位に負担がかかる動作・姿勢・作業をする時だけ、使用するようにしてください。夜お休みになる時は、もちろん外してくださいね。
正しい知識を身につけましょう
テーピングもサポーターも治療、予防のために上手く活用できるようになると使い分けできて良いですね。一度覚えてしまえば、自分が怪我をした場合だけでなく、身内や仲間が怪我をしたときにも応急処置が可能になります。
サポーターやテーピングには、多種多様のタイプがありますので、いろいろ試してみて貴方の症状に合った方法をみつけてくださいね。