動悸・息切れ・頭痛がするなど感じる方いらっしゃいますか。
その症状、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)かもしれません。
甲状腺の機能が正常に働かず、甲状腺のホルモンが異常に分泌され、体に症状が出ているのかもしれません。
橋本病(甲状腺機能低下症)と逆の症状が出るバセドウ病について、ご紹介していきたいと思います。
バセドウ病とは?
バセドウ病は、誰もがなる可能性のある病気です。
特に20~30代の女性がなる可能性が高いです。
バセドウ病になると、甲状腺ホルモンが通常よりも多く血液中に分泌されます。
それによって、「交感神経」の働きが通常よりもさらに活性化されてしまい、さまざまな症状を引き起こしてしまうのです。
「交感神経」が働くと、体は活動するときに適した状態になります。
しかし、「交感神経」が働き過ぎることで、沢山汗をかいたり、疲れやすくなったり、頭痛がしたり、心臓が働きが強くなりすぎて動悸がしたり、暑さに弱くなったり、手の震えが起きたりします。
十分に食べていても体重が減ることもあります。
目が飛び出してしまったり(眼球突出)、まぶたがつり上がってしまう(眼瞼後退)こともあります。
ただし、甲状腺ホルモンの血中への分泌量が多すぎるからと言って、必ずバセドウ病と診断されるわけではありません。
ほかの病気である可能性もあります。
また、バセドウ病であるのに、心臓病や更年期障害などの別の病気を疑われることもあります。
バセドウ病の原因と症状
バセドウ病は、「自己免疫疾患」のひとつです。
「自己免疫疾患」とは自分の免疫が自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病気です。
免疫は、通常は外敵(細菌やウイルス等)が体内へ侵入したときに攻撃する重要なものです。
しかし、攻撃対象が自分自身となってしまうと、様々な悪い影響が生まれてしまいます。
バセドウ病の場合は、攻撃対象は甲状腺です。
甲状腺を攻撃しようとする「甲状腺自己抗体」が、通常の「甲状腺刺激ホルモン」と一緒に甲状腺を刺激します。
甲状腺ホルモンは過剰に分泌されてしまうことになります。
甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にします。
バセドウ病になることによって、さまざまな症状が引き起こされます。
たとえば、バセドウ病の代表症状として、メルゼブルク三徴というものがあります。
眼球が飛び出してしまう(眼球突出)、脈が速くなる(頻脈)、甲状腺がある場所である首が腫れる(甲状腺腫大)です。
ほかの自覚症状として、動悸や息切れ、手の震えやしびれ、体が疲れやすくなったり微熱が続いたりする、不眠症状などがあります。
さらに、いくら食べても体重が減る、汗をかく、月経の異常、精神が不安定になったりイライラしたりする、暑がりになる、高血圧になる、下痢をする、脱毛、口渇、目やのどの痛み、頭痛といった症状もありますが、個人差があります。
治療を受けて、甲状腺ホルモンの値が正常になると、これらの症状は治まっていきます。
頭痛がする・・これってバセドウ病の症状?
バセドウ病の患者の中に、頭痛を訴える人がいます。
それには、さまざまな原因が考えられます。
たとえば、バセドウ病の症状の一つである高血圧によって、収縮した血管に勢いよく血液が流れて、もともとの持病であった偏頭痛などの痛みが悪化することがあります。
しかし、もともと持病がなくても、頭痛の症状は現れることがあります。
甲状腺ホルモンが心臓に刺激を与えると、心臓の動きは速くなります。
それによって脈拍は上がります。
1分間に通常70~80である脈拍が、100になることもあります。
流れる血液の量も増えます。
最高血圧も最低血圧も高くなりますが、最低血圧でも90mmhgになることもあります。
大量の血液が速く流れることから、血管が広がってしまい、神経が刺激されてしまいます。
そうなると、頭痛という症状になります。
また、バセドウ病の症状である高血圧が、別の病気を引き起こすことがあります。
脳出血やくも膜下出血、脳梗塞などです。
動脈硬化を併発している場合に起こります。
血管の一部が詰まってしまうことで頭痛になってしまうのです。
バセドウ病の頭痛の症状の対処法について
バセドウ病になることによって、新陳代謝は活発になります。
内臓へ負担がかかります。
バセドウ病の症状には、脈が速くなる、動悸がする、高血圧になる、といったものがあります。
バセドウ病によって頭痛が引き起こされる原因の一つとして、血液量の変化があげられます。
バセドウ病によって、心臓の働きが活発になり、脈が上がり、血流は増えます。
それによって血管に負担がかかり、頭痛が起きるのです。
さらに、バセドウ病の患者はイライラしたり不安になったりと、精神的な症状にも悩まされます。
そのストレスによって緊張型頭痛なども引き起こされてしまうのです。
交感神経の働きによって、常に緊張しているので、肩コリや首のコリにも悩まされます。
それも頭痛の原因です。
頭痛だけでは、バセドウ病とはなかなか気づけません。
ほかの症状にもよく注意して、病院を受診し、治療を始めましょう。
バセドウ病に気づくヒントとしては、体重減少があります。
食べているのに体重が減っている場合は、疑ってみましょう。
バセドウ病と診断され、薬による治療が始まれば、甲状腺ホルモンの値はコントロールされます。
そうなれば、症状は治まります。
バセドウ病の治療中で頭痛が起きたときは、よく休んでリラックスすることが重要です。
タバコやアルコール、ストレスになるものは避けましょう。
再発しやすい病気でもあるので、自分の体調に気を配りましょう。
診察を受けることも大事です。
バセドウ病は片頭痛がひどくなる
「バセドウ病」になると、片頭痛がひどくなることがあります。
脳の血管が広がったりするなど、不安定になることが原因です。
また、甲状腺ホルモンが低下する「橋本病」という病気もあります。
「橋本病」の頭痛の症状は、緊張型頭痛のような痛みです。
副鼻腔炎や蓄膿症によっても頭痛が引き起こされます。
鼻の粘膜に三叉神経がきているからです。
また、帯状疱疹などの原因となる「ヘルペスウイルス」も片頭痛を引き起こすといわれています。
片頭痛を引き起こす要因としては、ストレス、睡眠不足や過眠、人込みや騒音、強いにおいや光、女性ホルモンの増減などがあります。
また、甲状腺機能障害や、市販薬の過剰摂取、副鼻腔炎や蓄膿症、帯状疱疹なども片頭痛の原因となります。
片頭痛は、名前の通り頭の片方に出ることが多いです。
「ズキンズキン」と脈打つような痛みの症状があります。
緊張型頭痛に関係する「肩こり」は、片頭痛の患者にも75%の割合である症状です。
片頭痛の頭痛以外の症状としては、吐き気が起きたり、光や音、においに敏感になることがあります。
特定の状況で症状が強くなったり治まったりするので、暗い部屋でじっとしていると良いという人もいます。
片頭痛の前兆として、目の前にチカチカした光が見えたり、ギザギザした線が見えたりすることがあります(閃輝暗点)。
そういう前兆のある人は、全体の約1~2割です。
頭痛の一般的な治療法
頭痛の症状で脳外科や脳神経外科を受診すると、一般的にはCT撮影やMRIで脳内に異常がないかを確かめます。
重要な病気がないか見つけることが目的です。
しかし、検査で異常が見つからないことも多いです。
その場合、機能的頭痛(一次性頭痛)とみなされます。
問診と診察が、頭痛の治療には一番大切ですが、画像診断で異常がない場合、薬を出されるだけの場合もあります。
鎮痛薬を飲むのは基本の治療ですが、漫然と薬を服用するだけでは良くならないばかりか、重大なリスクを負うことになります。
特に片頭痛の場合、頭痛の症状が起こるたびに、少しずつ脳が損傷されていきます。
それが積み重なると、脳梗塞になるリスクが高まります。
専門医にかかって、早めに効果的な治療を受けた方が良いです。
頭痛の症状を抑えるために、薬を不適切に飲み過ぎてしまい、薬物乱用頭痛になってしまう人もいます。
推定3,000万人いるともいわれます。
場当たり的に市販の鎮痛薬を使用しても、脳の興奮は治まらず、逆に高まってしまうこともあります。
治りにくくなってしまい、一生痛みが続く可能性もあります。
片頭痛の場合、「トリプタン製剤」を処方されるのが一般的です。
痛みの発作を緩和する薬であり、即効性があります。
また、血管の広がりを抑え、炎症を鎮めます。
脳の損傷を抑えることによって、脳梗塞が起きるリスクも抑えます。
病気とうまく付き合おう
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)は異常にホルモンが分泌されるために、体に不調を感じるのですね。
最近、甲状腺の病気の名前をよく耳にしますが、とても辛い症状ですよね。
バセドウ病の場合は新陳代謝が活発になるため、頭痛も起きやすいようですので、頭痛が続いている方などは、無理をせずに一度病院で診察してもらうといいかもしれません。