バドミントンは野球やバレーのように肩に痛みを感じやすいスポーツです。使いすぎが主な原因ですが、その他にも原因はあるのでしょうか?また、痛みに対する治療法や予防法があれば知りたいですよね。そこで今回はバドミントンをやっている方の怪我や障害についてまとめてみたいと思います。
バドミントンでの肩の痛みは「インピンジメント症候群」
別名「挟み込み症候群」とも呼ばれるインピンジメント症候群は、肩に腱の「挟み込み」が起こった結果、痛みを起こすというものです。
肩には、肩を安定させるために重要な筋肉があります。
さらに、これらの筋肉は肩の関節を前後から支える腱となり、肩関節を安定させています。
この腱が肩関節に挟まってしまうことによって、痛みが生じるようになります。
その原因としては、突発的に腱を痛めるというよりも、日々の積み重ねが原因となり発症に至ります。
特に、建築作業などの日常的に肩を上げたような姿勢で仕事をする職業や、バドミントンなどの肩を酷使するスポーツが要因となって発症することが多い傾向にあります。
肩を60度から120度の間で上げる姿勢が、最も腱を圧迫するポジションとなります。ですので、日常生活や仕事において、この姿勢を取ることが多い方は注意をしてください。
また、姿勢が崩れ、肩が前方に丸まったようになってしまっている場合にも発症の危険があります。
常日頃から、姿勢に気を配ることも必要です。
肩の痛みインピンジメント症候群の予防法と治療法
インピンジメント症候群を予防するためには、弱っている腱板を鍛えるインナーマッスルトレーニングする必要があります。
そして、腱板を鍛えるためには、まず肩甲骨周囲の筋肉トレーニングが必須となります。
具体的な治療方法として、バドミントンや野球などが発症の原因となっている場合であれば、まずは肩を休めて下さい。
軽症の場合ならば、1週間から2週間肩を休めることにより症状が改善されます。
次に、フォームをみなおしましょう。
肩の開きや肘の位置等を、肩を痛めない正しいフォームに矯正していきます。
さらに、痛みが強い場合には、痛み止めの服用や炎症止めの注射も効果的です。
そして、そもそもインピンジメント症候群にならないための肩づくりも重要になってきます。
「肩甲骨周囲の筋力訓練」「腱板訓練(インナーマッスルエクセサイズ)」が効果的です。
もっとも、筋力訓練の効果が認められるには2か月必要ですので、根気よく続ける必要があります。
上記の方法により、インピンジメント症候群における症状のほとんどは改善します。
しかし、これらを3か月から半年の間おこなっても肩の痛みが続くなど症状に改善が見られないような場合には、手術が必要となることがあります。
内容として、「鏡視下肩峰下除圧術」とよばれる、内視鏡を用いたものが一般的です。
創が小さく、術後の回復も早いなどのメリットが多く、復帰も必ずできる手術です。
肩と同じくなりやすい肘の痛みは「上腕骨外側上顆炎」
肘のでっぱりがある部分を「上腕骨上顆」といいます。
そして、この外側が痛む症状を「上腕骨外側上顆炎」といいます。
別名、「テニス肘」とも呼ばれます。
テニスをしていることによってここの筋肉や腱を使い過ぎてしまって痛みを起こす事が多いからです。
痛みの原因としては、上腕骨上顆に集まっている3つの伸筋が疲労のために炎症を起こしてしまうことにあります。
手首や指を動かした際に、肘の外側が痛むのが症状の特徴です。
パソコンをしたり、タオルを絞る、物を持つなどの日常生活の動作にも痛みが伴うので辛い症状です。
スポーツで上腕骨外側上顆炎になる場合、ストロークやバドミントンのサーブによる筋・腱への過大な反復負荷が原因となっていることが多いです。
さらには、筋力や筋柔軟性の低下、練習量の過多、ひいてはラケットがご自身にあっていないなど、多くの要素が複合的に作用して、肩の痛みなどの症状を引き起こしている場合も多いです。
一度、ご自身の練習内容などを見直してみることも有益です。
バドミントンでのテニス肘の予防法と治療法
上腕骨外側上顆炎の保存療法をしては、以下のものがあげられます。
まずは、手首や指のストレッチが有益です。
ストレッチ方法は以下の通りです。
はじめに、ストレッチをする側の腕を前に上げ、親指を下にした状態で肘をしっかりと伸ばします。
次に、反対の手で人差し指と中指を外側に引っ張り、30秒ほど持続的にストレッチをします。
さらに、その他にも腕の表と裏のストレッチ、そして手首も内側に倒して同じように30秒ずつストレッチを行いましょう。
上記を1日3回ずつ行ってください。
ただし、上腕骨外側上顆炎と症状が似ている別の疾患である可能性や、安静が優先される時期などもあります。
肩の痛みなどの症状を感じても素人判断をせず、必ず病院に行って診察を受けてから、ストレッチをするようにしてください。
次に、湿布や外用薬の使用も効果的です。
湿布薬の使用の際は、温湿布か冷湿布を使用するかで迷うこともあると思います。
この場合、バドミントンなどが原因となって生じた急性の強い痛みに対しては「冷」、慢性的に痛む場合には「温」湿布の使用が効果的です。
慢性痛の場合、周辺組織の緊張をほぐし、血流を促すことが必要であるからです。
上記の保存療法でも効果が見られない場合には手術による治療方法もあります。
具体的には、筋膜切開術などです。
バドミントンは肩肘と同じくらい脚を怪我しやすい
レジャーの際のスポーツとして人気が高いバドミントンですが、競技となれば実際はハードなスポーツです。
素早いフットワークが必要なため、ふくらはぎにかかる負担は非常に大きいです。
また、ラケットを使用するため肩や肘にかかる負担も大きく、肩の痛みなどが生じます。疲労や慢性の痛みが出やすいスポーツなのです。
特に、細かいステップと急激な加速・減速を繰り返すことから、ふくらはぎの怪我が多く発生しています。
ふくらはぎの強い収縮を繰り返すことにより、ふくらはぎの肉離れや、アキレス腱の断裂が起こりやすいのです。
軽度の肉離れの場合には、患部に刺すような痛みを感じます。
他方、筋損傷の度合いが多きく重症の場合には、患部の強い痛みと、変形や変色が生じます。
その結果、足首を動かすことが困難になります。
これらよりもさらに重症であるアキレス腱断裂の場合には、アキレス腱部分を強く殴打されたような衝撃や、「バツン」という多きな音があります。
完全断裂を起こしてしまった場合、歩行が困難になり、つま先立ちができなくなるのが症状の特徴です。
すぐに医療機関を受診してください。
バドミントンでの脚の治療法と予防法
アキレス腱断裂の場合、手術で断裂部を縫合する必要があります。
そのため、整形外科を受診しましょう。
幸いにも手術が必要ない程度の損傷の場合には、患部を固定する方法での治療となります。
接骨院を受診しましょう。
他方、肉離れや部分断裂の場合には、患部の圧迫・固定とアイシングによる治療を行います。
アキレス腱を固定する場合には、つま先を下に向けた状態でギプス固定をするため、松葉杖を使用することになります。
日常生活に支障が出る場合も多いので、日頃から断裂などが無いようにしっかりと予防したいものです。
さらに、再受傷を起こしやすいので、適切なリスク管理と十分なリハビリが必要です。
患部治癒後であっても、鍼灸院や整体院での治療も有益です。
バドミントンなど、肩などの痛みを生じやすく、また多くの動作を行うスポーツでは再発もしやすいので注意しましょう。
また、日頃からのストレッチによる再発予防も有益です。
やり方は以下の通りです。
タオルを足の裏にかけ、仰向けで寝ます。
この時タオルは少しつま先側に置きます。
次に、膝と肘を軽く曲げて、足の裏を少し引き寄せるようにタオルを引きます。
慣れてきたら膝を伸ばし、太ももの裏とふくらはぎの伸縮を感じましょう。
呼吸は止めずに自然な呼吸で左右30秒間ストレッチします。
バドミントンはとても激しいスポーツです
バドミントンは遊びでやってみても結構な運動量を感じますが、競技ともなると物凄いハードなスポーツなのです。
ですから怪我もしやすいのも当たり前。と考えてしまいますが、入念なウォームアップとクールダウンさえすれば防げる痛みも多いのです。
またフォームを見直したりすることも必要です。体になるべく負担をかけずに競技に専念できるようになると良いですね。