バレーボール・女子中学生への教え方。学年ごとで教える内容

最終更新日:2024/03/10

自身のバレーボールを20年近くやりつつ、小・中・高のコーチを10年以上続けているバレー大好き人間が、バレーボール指導初心者の方に向けて、記事をまとめてみました。

その内容は、女子中学生へのバレーボールの教え方や体のケアについてです。
私の体感で書いていますので、ご参考程度にお読みください。

バレーボール女子・中学1年生への教え方

女子の中学1年生と3年生では、成長の度合いが違います。
男子のほうが、より顕著に現れる時期ですが、女子も同様です。

中学からバレーボールを教えるうえで必要になることが、技術もそうですが、ルールを理解させることが重要になります。

【最初に理解すべき主なルール】
・ローテーション
・前衛と後衛
・得点になるプレー(ボールのインやアウト、ワンタッチなど)
・反則プレーについて

少しずつでも良いのですが、審判をすることが多くなる1年生には、基礎技術とともバレーのルールへの理解力も深めさせましょう。

さて、一番気になるであろうところの練習方法についてです。
女子は男子と違い、比較的レシーブの技術が上達しやすいです。
特に、アンダーパスを得意とする子が多く、オーバーパスよりアンダーパスを頻繁にするようになります。

なのでまずは、アンダーパスを徹底的に鍛えましょう。
バレーボールは、ボールを落としてはいけないスポーツです。
ボールを落とさないことの大切さを伝えましょう。

また、得意なプレーを身に付けることで自信がついてきます。
そうなれば、どんどんバレーボールが楽しくなり、もっと上手くなりたい気持ちが生まれます。

サーブも大切です。
プレーの始まりとなるサーブが入らなくては試合になりません。
サーブ練習もきっちりしましょう。

レシーブとサーブが出来るようになれば、ワンポイントで使うこともできるので、試合慣れをさせることができます。

指導するときは欠点を修正したくなりますが、1年生のうちは短所より長所を伸ばして、バレーボールを楽しめるようにしてあげましょう。

女子バレーボールの中学2年生は大事な時期

中学生なって1年間、基礎練習をしたら、システムを理解させながらの練習が大切になります。
3年生がいる間は、試合に出れる子と出れない子がいると思います。
3年生がいたうちから、試合に出れていた子と、そうでない子とのシステム理解力の差は大きく変わります。

レシーブするときは、どこからスタートして、どこにいればいいのか。
また、ブロックとレシーブの関係性も理解させると、3年生になったとき、より良いチームになる可能性が高まります。

女子では、はやい子で中学2年生あたりから体が出来てきます。
そうなると、必然的にチームの攻撃の要になると思います。
そういった子のフォローができるように、チーム作りをしていくことも大切です。

中学生のうちは、すごい子が1人いるだけで勝ててしまうことがあります。
勝ちたいチームを作るのなら、その子を中心としたチーム作りにしましょう。

ただし、あまりに偏ると他の子の可能性をつぶしかねないので、他の子にもスパイクを打たせたりして、高校ででも通用できる選手にしていきましょう。

2年生だからといって、基礎練習を怠っていいわけがありません。
新チームになったら、チーム全体で基礎力の底上げをするようにしましょう。

アンダーパス・オーバーパス・サーブ・スパイク・ブロックの5つのレベルを上げましょう。
女子では少ないと思いますが、背の小さい子が中学で急に身長が伸びることが多々あります。
そんなときに、アタック練習をしていなかったがために、機能しなかったなんてことにならないように、全員アタックの練習をしておきましょう。

3年生は中学バレーボールの集大成

中学3年になると、4ヶ月ほどでバレーバール人生の一区切りになります。
2年間培ってきたものが、芽を出し始める時期でもあります。

バレーボールは、チーム力の高さが勝ち抜くための必須条件です。
レシーブとブロックの連携やブロックフォローなど、ボール1つに対して、チーム全体で追えるようにしましょう。

女子は男子と違い、ずば抜けたパワーのある子が出てくることは少ないです。
そのため、ラリーが続くことが増えるので粘り負けしないように、ブロックとブロックフォローの強化が大切になります。
相手のトスの位置に対して、どこでブロックを跳び、レシーブはどのポジションにいれば良いのかを練習しましょう。

このとき、指導者がスパイクを打ってもいいのですが、チームのアタッカーに打たせるとブロック練習とアタッカーの練習になるので、効率が上がります。

また、サーブとサーブカットの強化も大切です。
強烈なサーブを打てる子が多いほど、試合を楽に進められます。
コースを狙うより、真ん中でいいので、強烈なサーブを確実に入れられるようにしましょう。

入れるだけで相手が崩れる可能性は、とても高いです。
中学生なら、なおさらです。

強いサーブの対処方法は、無理にセッターに返さないことです。
コート内に高く上げることは出来るようになっているはずなので、高く上げてラリーに繋げましょう。
練習試合で高校生に相手をしてもらうと、強いサーブがどんどんくるので、強いサーブへの対処の仕方を覚えられます。

中学・女子バレーボールを3年間楽しく続けるために

中学生に限った話ではありませんが、バレーボールを楽しく続けるためには、ケガをしないことが大切です。
女子の場合、中学という時期は、大人の体へと変わる時期でもあります。

この時期は、子供のような柔軟性が失われてくるので、練習や練習試合後のストレッチが重要になります。
練習前にストレッチやウォーミングアップをするところは多いですが、終わったあとも大切です。

連日の練習の疲れが溜まった状態では、筋肉が硬くなり、ケガをする確率が高くなります。
筋肉が硬い状態というのは、他の人と接触して捻挫をしたなどの対人によるケガ以外に、スパイクを打とうとしたら腰を痛めたなどの自滅によるケガが増えます。

こういったことは、もったいないことです。

指導する際、技術を追い求めがちですが、その技術は良い状態の身体があって身に付くものです。
身体の硬い子は、脚が開かないので、前に来るボールのレシーブに苦手意識を持ちやすいです。

これは、ストレッチで解消できる悩みでもあるので、柔軟性はあげるようにしましょう。

また、ジャンプすることが増えてくると、脛(すね)の内側(親指側)が炎症しやすくなります。
アタッカー陣には、練習後に脛の内側の骨と筋肉の間を中心に、脚の内側全体をアイシングさせましょう。

脛の内側と筋肉の間:あぐらをかいたときに天井を向くほうで、骨と筋肉は硬さが違うので、すぐ分かります。

中学女子に必要なストレッチ

何度も述べてきましたが、中学の女子は体が変化する時期です。
小学校からあがって間もない中学1年生と、体が出来上がってきている中学3年生とでは、柔らかさの質が違います。

1年生のほうが柔らかい子が多いと思うので、その柔らかさを維持できるようにしていきましょう。

ストレッチは上から順に行なうようにしましょう。

例)
肩(首)⇒背中⇒腰⇒股関節⇒太もも⇒ふくらはぎ⇒足首

というように上から下、中心から末端へと、神経の流れも考えながら行います。

特にバレーボールでは、股関節周りのストレッチは重要で、硬いと腰痛・膝痛・ねんざなどのケガをする可能性が高くなります。
また、運動パフォーマンスの低下にも繋がるので、柔軟性を維持できるようにしましょう。

そして盲点になるのは、お尻の筋肉です。
ここが硬くなりやすく、気づきにくい部分です。
よくケアするようにしましょう。

ストレッチの仕方は、他の記事をご参考にしていただけたら幸いです。

中学バレーは通過点

高校でもバレーボールをする子にとって、中学バレーは通過点です。
技術は高校が一番伸びますが、その土台となるのが、肉体と基礎力です。

基礎練習やストレッチは、地味で飽きやすいので、楽しくできるようにすることが大切になります。
たまには、きつい練習も必要です。
締めるところと楽しむところのスイッチを切り替えながら、練習をしましょう。

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