パニック障害の症状と原因!飛行機で発作を起こさない工夫

最終更新日:2024/03/13

一時的にパニックに陥ることありませんか?そのときに胸がしめつけられ、息が出来ない状態になったりする症状がある場合はパニック障害かもしれません。
パニック障害には発作の起こりやすい状況というものがあります。
そのひとつに「飛行機」があります。旅行が趣味だった方などにとっては、乗れなくなってしまうのはとても辛いものです。
今回は、パニック障害についてと、飛行機内での発作を起こさない工夫をご紹介します。

パニック障害について

想定外の事態が起きたとき、一時的にパニック状態に陥ることは、誰しも経験していることです。

しかし、特段の原因もなく、また体に不調があるわけでもないのに、突然パニック状態に陥る。これが、「パニック障害」です。

近年耳にすることも多くなったパニック障害という病気ですが、決して珍しいものではありません。

日本では、なんと100人に1人がパニック障害に罹患したことがあるともいわれています。

もっとも、パニック障害自体は命に関わる病気ではなく、慢性化することもありますが早い時期に適切な治療をすれば治りやすい病気です。

パニック障害は、「不安障害」の一つに区分されます。

不安は、だれしもが抱いている感情ですが、これを日々感じてしまい、病的な不安心から日常生活に支障をきたすような状態を、特に「不安障害」といいます。

不安障害の種類も様々です。

漠然とした不安を抱えたり、日常の事柄を過剰に心配する「全般性不安障害」や、事故、災害、家族の死、暴力などの体験で心に傷を負ったことで発症、夢でうなされたり恐しい場面を繰り返し思い出したり神経過敏や不眠などに陥る「PTSD」といったものがあります。

パニック障害の症状としては、「広場恐怖」があります。

これは、パニック発作が起きることを心配し、恥をかいたり、逃げることができない場所を恐れ避ける症状です。

これにより、エレベーターや飛行機に乗ることが困難になる場合が多くあります。

パニック障害の症状と原因①

突然、理由もないのに激しい不安に襲われ、胸がどきどきする、締め付けられる、息ができない、などの症状は、「パニック発作」にあたります。

これは、主に心臓を中心とした自律神経症状が複数重なることによって起こります。

症状は10分以内にピークに達し、数分から一時間以内におさまることがほとんどです。

病院にかかったころには発作は終了しており、検査をしても身体に異常などが見つかりません。

パニック障害に特徴的なのは、「予期不安」という症状です。

また発作が起こるのでは、今度こそ発作によって発狂してしまうのではないか、などの不安にとらわれてしまいます。

他にも、「広場恐怖」という症状もあります。

以前発作を起こした場所へ行くと、再度発作を起こしそうで怖い、もしも逃げ場のない場所でパニック障害が起きたらどうしよう、という不安にとらわれます。

そのため、一人では、飛行機はもちろん電車やバス、スーパーにでさえも行くことができなくなります。

パニック障害の症状と原因②

飛行機や電車、広場が怖い、などの症状を持つパニック障害。

このパニック障害が「不安障害」の一類型となったのは比較的最近です。

そのため、パニック障害のメカニズムは、完全には解明されていません。

その原因は諸説あり、以前は「こころの病気」とされていましたが、現在では脳の働きが大きく関係していることが解明されており、脳機能が正常に機能しないことにより発症する、という説が主流となっています。 

つまり、脳内には、青斑核(せきはんかく)という部分があり、身の危険を感じたときに多く分泌されて身体に警告をあたえる「ノルアドレナリン」という神経伝達物質を生成しています。

この物質が誤作動を起こし、危険な状態でなくとも分泌されることによって、諸症状は現れます。

そして、いったん誤作動を起こすと、「不安を感じる→発作を起こす」という連携が脳の中にできあがってしまい、たびたび発作が起こってしまうのです。

さらに、このノルアドレナリンが過剰分泌されないよう抑えてくれるセロトニンという神経伝達物質が不足してしまうことも、パニック障害の原因の一つだと言われています。

パニック障害でも飛行機で出かけたい!症状を出にくくする対処法は?

パニック障害だからといって、出かけることをあきらめたくない!

そこで、症状を抑えるための対処法をお伝えしています。

まずは、「マスク」の着用です。

マスクには「過呼吸の抑制」という効果があります。

パニック発作のひとつでもある「過呼吸」は、不安やストレスが高まり、呼吸が乱れることにより過度に酸素を取り込み、それによって発症します。

したがって、マスクによって酸素の吸入量を調整でき、過呼吸の抑制につながるのです。
次に、「音楽」を聞くことです。

自分の大好きな音楽をゆったりと聞きながらリラックスをすることは、精神を安定させます。

特に、逃げ場がなくパニック障害の大敵である飛行機。

機内では、付属のAV機器を用いて音楽を聴くことができます。

しかし、既定の音楽しか聞くことはできません。

音楽は、飛行機の長いフライト不安を緩和してくれる有用なアイテムですので、ぜひご自身の好きな音楽を聴くことのできる環境を用意して搭乗することをおススメします。

最後は「食事」です。

飴やガムなどはリラックス効果をもたらします。

特にパニック発作で「吐き気」などの症状が出てしまう方には、ミント系の飴やガムがオススメです。

飛行機に乗る前にできる対策は?

パニック障害を抱えながら飛行機にのることは大変難しいもの。

そこで、症状を上手に抑えながら、上手に飛行機に乗る方法をお伝えしていきます。

まずは、コンディションを整えること。

疲れている状態では、発作が起きやすくなります。

睡眠時間を十分に取っておくことは勿論、就寝前に気分が安らぐ音楽を聴いたり、ハーブティーを摂取するなどして、深い眠りが得られるようにしておきましょう。

次に、「抗不安薬」を飲んでおくこともおすすめです。

薬自体の作用と、服用した安心感から、発作が起こりにくくなり、また軽減されます。

もっとも、薬の服用にあたっては自己判断をせず、必ず医師に相談してから行うようにしてください。

最近では、各航空会社でパニック障害への対応が進んでいます。

飛行機の搭乗前に、グランドスタッフなどに症状を伝えておくと、気を配っていただけます。

離陸が巧くいかなかった場合などには、ロビーで待機できるように取り計らってくださることもあります。

恥ずかしがらず、また変な負い目も感じず、スタッフの方に一言伝えておくと、安心材料の一つになりますよ。

飛行機に乗っているときに一番大事なのは「気にしない」こと

さまざまな症状に悩まされるパニック障害。

これを抱えて飛行機に乗るのは、なかなか勇気がいりますよね。

そこで、有効な対策は、「大丈夫」と自分自身に言い聞かせることです。

大丈夫である根拠が多くあれば、漠然とした不安を消えていくのです。

「睡眠時間は十分だから大丈夫」「飛行機と発作は関係がないから大丈夫」「飛行機は安全で、スタッフさんもいる。だから大丈夫」などと、自分に大丈夫と言い続けるのです。
飛行機に乗る際に最も大切なのは、「気にしない」ということです。

万が一発作が出てしまったとしても、自分ひとりで発作を乗り越える必要などないのです。

スタッフの方はパニック障害についての知識や指導を受けていることが多いですから、必ずあなたの力になってくれます。

発作が収まるまで、傍についていてもらってもいいのです。

さらに、パニック発作は周知されてきています。

ですので、周囲の乗客の方々の理解も得られます。

スタッフや乗客の優しい心を信頼しましょう。

大丈夫です、発作はおこりません。

万が一起こってしまったとしても、なんということもありません。

周りには、沢山の助けてくれる人がいるのですから。

何も気にせず、安心・快適な空の旅を楽しむ心持ちになってみましょう。

パニック障害の症状と原因!飛行機で発作を起こさない工夫まとめ

パニック障害による発作はとても辛い症状ですが、症状を事前に防ぐ対策をとって、プライベートを満喫したいですね。

パニック障害だから・・と塞ぎ込まずに、前向きに頑張ってもらいたいです。

仕事や趣味で飛行機に乗る場合は事前に航空会社の方に理解してもらうことも大事なことです。

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