あなたは腰が痛くて病院に行き、ヘルニアのレントゲン検査をしました。
病院での診断結果は「異常なし」!
このように症状は確かにあるのに「異常なし」と診断される典型的なものが、「椎間板変性」です。
検査方法がレントゲンやMRIだったら「画像に写らない異常がある」ということです。では、椎間板とは?椎間板変性の原因と予防法についてご紹介いたします。
ヘルニアのレントゲン検査で異常なし診断!椎間板とは?
多くの医師が軟骨と呼んでいる椎間板は、24の背骨の間にあり、柔らかいクッションやジョイントの役割をしています。
比較的柔軟な組織である椎間板があるため、背骨を動かすことができます。
身体を曲げたり動いたりするときに、曲げた側の端が潰れた状態になります。
椎間板の劣化によって亀裂ができ、椎間板変性となり、悪化するとヘルニアになります。
椎間板変性はレントゲンを撮っても検査結果は異常なしといわれます。
椎間板は二重構造をしていて、真ん中にゼリー状の髄核があり、その周りをタンパク質の線維輪が髄核を包み込んでいます。
椎間板変性になると、線維輪に亀裂ができ、ゼリー状の髄核が亀裂した中に入ってしまいます。
それが進行すると、亀裂から飛び出してしまい、ヘルニアになります。
椎間板の変性を起こす原因は、普段、背骨を縦にして生活していますが、座るとき、腰が丸まった姿勢で座っています。
椎間板の前側をつぶした状態で、前方に圧がかかっています。
デスクワーク等、座った状態が多いと腰痛や坐骨神経痛になります。
腰を丸めて座っていると、首も傾いてしまい、首の痛みや肩こり、頭痛へと進展してしまいます。
ヘルニアのレントゲン検査で異常なし診断!椎間板変性とは?
椎間板変性は、加齢すると椎間板の水分が少なくなって固くなり、椎間板の周りにある線維輪が傷つきやすくなります。
ここに亀裂が入ると髄核を守る力が低下し、クッションの効果は弱まります。
椎間板変性症は、髄核や線維論が固くなっていく病状です。
椎間板に傷が入ったとき、傷が小さいと治る可能性はありますが、傷が深いと自然に治すことは難しくなります。
椎間板の傷はレントゲンで確認できないため、異常なしと判断されます。
若いころに腰痛がなかった人でも、椎間板を調べてみると、年を重ねていく毎にしわや傷、治った跡が確認できます。
椎間板に傷がつくと、傷は治りますが、跡が残るようです。
年齢とともに髄核も歳を重ね、そして、椎間板も同じように歳を取ります。
人によって椎間板のクッション機能の低下は違いますが、だいたい椎間板変性になるのは50から60歳といわれます。
椎間板変性が悪化すると、クッション機能はなくなり、線維だけになってしまうこともあります。
中高年に多い椎間板変性ですが、遺伝的、過度のスポーツ、重労働、喫煙、外傷からも起こります。
椎間板変性によって、傷が椎間板の線維輪に入りやすくなり急性腰痛を引き起こす可能性があります。
ヘルニアのレントゲン検査で異常なし診断!椎間板変性の症状
椎間板の加齢等により、組織の構造または成分が変化したことによる疾患が、椎間板変性症です。
椎間板が変性すると、だんだんと薄くなり、椎間の幅が狭くなってしまいます。
中高年によくみられ、無症状の場合もありますが、身体を動かしたときに腰痛を起こすこともありますが、レントゲンでも異常なしと判断されます。
椎間板変性症が進んでしまうと、椎間板のクッションの効果がなくなってきてしまい、椎間板に接する椎体と椎体がぶつかって、靭帯も変化し、骨のふちにとげのようなものができてしまいます。
それが神経を刺激したり、圧迫することによって、痛みを起こした状態を変形性脊椎症といいます。
高齢者によって違いますが、多くの高齢者が加齢や生理的に変形していきます。
若いころに激しいスポーツや重労働をしていた人は、40歳過ぎると発症することが多く、頚椎や腰椎に起こりやすいです。
長期間にかけて脊髄が変形すると、自覚症状がない場合もあり、比較的急速に進行すると、身体を動かしたときに痛みを感じたり、押したときに痛んだりすることもあります。
頚椎に発症すると、自覚症状がない場合もありますが、頚椎が圧迫され、手足のしびれが起こって細かい字が書けなかったり、肩こり、首のうしろが痛みます。
頚髄に発症すると、腰痛、足に力が入らなくなる下肢のしびれが起こります。
椎間板ヘルニアなどを引き起こすと、症状はさらに悪化します。
ヘルニアのレントゲン検査で異常なし診断!椎間板変性の治療法
椎間板変性症、変形性脊椎症は加齢により発症し、一度変形をすると元に治すことは難しく、その場合は対症療法をします。
ゆっくり休んで安静にし、温熱療法、牽引療法、薬物療法、体操療法などの治療を行います。
症状が改善されなかったり、神経が麻痺したりした場合は手術が行われます。
しびれや痛みがある場合は、まず、安静することが大切で、しばらくは横になったり、コルセットを付けてください。
症状がよくなったら、頸椎牽引、温熱療法、骨盤牽引が行われます。
痛みが強い場合は、筋弛緩剤、消炎鎮痛剤等の薬を使ったり、ステロイド剤と局所麻酔剤を注射するのも効果ありますし、ビタミン剤を補助的に使うのもよいです。
レントゲンでは異常なしの結果がでてしまいますが、まずは軽い症状であれば、体を動かして体を軟らかくするとよいです。
少し痛いからといって身体を休めて安静にしすぎると、背骨の筋肉や靭帯が弱くなって腰痛になり、症状が悪化したりすることもあります。
コルセット等をつけて治す方法もありますが、あまり使いすぎると筋肉が弱ってしまいますので、最小限にしたほうがよいです。
筋肉のこわばりをとるには、軽い体操、ウォーキング、水中ウォーキング等の身体を動かす運動をしたり、風呂で体を温めてからのストレッチ等は効果的です。
無理な姿勢や動作は避けたほうがよいでしょう。
レントゲン検査で異常なしと診断される椎間板変性を促進する因子と予防法
レントゲンでは異常なしの結果がでてしまう椎間板の傷ですが、椎間板の変性の原因は、遺伝的因子、生活や労働による力学的ストレス、喫煙、肥満、糖尿病、動脈硬化といろいろあります。
理学療法、運動療法によって行われるのは力学的なストレスの改善です。
脊柱が安定せず、不安定な状態であると余計に椎間板へストレスを与えてしまいます。
脊柱を安定させるにはインナーマッスルが大切で、多裂筋や腹横筋等がきちんと機能している必要があります。
インナーマッスルは必要なときに使えて、持続的に働くようにすることが大切です。
椎間板は屈曲と回旋に対して弱いという特性があります。
椎間板へ強いストレスを与えないためには、一つの椎間板に力学的ストレスを与えないような動き方を習得することが大切になります。
腰椎を中心に脊柱が屈曲をしてしまうと、腰椎椎間板の後方線維輪が傷つき、ヘルニアが発生することがあります。
腰椎は構造的に回旋がしにくいため、腰椎を無理に回旋させようとすると、椎間板も無理に捻られ、傷つくリスクが高くなってしまいます。
なので、屈曲と回旋動作は椎間板にとって極度なストレスになり、日常生活においても注意が必要です。
レントゲン検査で異常なしと診断される椎間板変性の発生過程
刺激が伝わる理由としては、椎間板の内部で亀裂ができ、ゼリー状の髄核がその亀裂に入り、後ろ側に溜まります。
移動した髄核が椎間板後ろ側の知覚終末の知覚領域を刺激してしまいます。
椎間板の前のほうに重圧がかかる姿勢や動作や、椎間板の組織の線維輪が老化が原因と考えられています。
傷ができてすぐに治癒されていきますが、椎間板の内側は血管が通らない場所なので、新陳代謝が活発でなく、結合組織ができにくくて、更に前のほうに力がかかりすぎると、症状がそのままだったり、進行してしまいます。
生活環境としても、修復する速さよりも、悪化してしまう速さのほうが大きいため、悪化してしまう現状です。
姿勢が悪いと、前かがみになり、椎間板の前のほうに圧力がかかり、更に椎間板の内部にも圧力がかかり、亀裂ができ、髄核に亀裂が入って後ろ側にいき、知覚終末の知覚領域を刺激して、神経にぶつかったことにより症状として現れます。
レントゲン検査で異常なしと診断される椎間板変性ですが、悪化するとヘルニアになる可能性もあります。
椎間板変性になる原因を知り予防法を実践しよう!
痛みがあるのに異常なしと診断されるのは精神的にも辛いですよね。
椎間板変性症は、背筋が疲労することで起こりやすくなります。
そのためマッサージは非常に効果的です!
しかし、刺激が強すぎるものはかえって負担がかかるため要注意です。
予防法を実践して椎間板変性にならないように気をつけましょう!