背中が痛い!!!
そんな背中の痛みを引き起こす可能性のある病気の一つに、「頚椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんヘルニア)」があります。
ここでは、頚椎椎間板ヘルニアの気になる症状と背中の痛みの原因・対処法について説明します!
背中が痛い!頚椎椎間板ヘルニアの症状
頸椎椎間板ヘルニアの症状は、頚椎部にある椎間板の異常により神経が圧迫されるため、首だけでなく背中の痛みや違和感が生じます。
特に頸椎は首から下へと続く様々な神経の分岐点ですので、症状が多岐に渡り易いのです。
主な症状としては首や背中の痛み、肩こりや手の痺れ、感覚の麻痺、握力低下などが挙げられます。
ヘルニアの状態が進行していくと下半身にも影響が及ぶようになり、歩行困難や排尿障害を起こすこともあったり、頭痛や吐き気を伴うこともあります。
首を動かしたりするだけで激しい痛みを感じるようになり、その後、肩から腕、背中へと強く痛みが広がっていきます。
文字を書いたり、箸を使ったり等の手の細かな動作が難しくなります。
下半身に影響が出た場合には、階段での昇り降りが困難になる等の日常での障害がでてきます。
首や肩、背中、胸、腕などに痺れや痛み又は重圧感を感じる場合は、頚椎椎間板ヘルニアが発症している可能性があります。
症状としては、首を後ろに反らしたときに強く感じ、元に戻すと軽くなるといったものです。
また、咳やくしゃみをした時にも強く痛んだり、手足のしびれ、痛み、脱力感がある。
中枢神経である脊髄への障害がひどくなると、更に重篤な症状が現れることもあります。
このような症状が現れますので、ヘルニア症状を感じましたらすぐに整形外科もしくはかかりつけ医に診てもらうようにしてください。
背中が痛い症状がでる!頚椎椎間板ヘルニアの原因と特徴
頸椎椎間板ヘルニアとは、クッションの役割を果たす椎間板という成分の80%が水分の柔らかい組織が積み重なってできた場所が、老化や負荷の蓄積などによって劣化して、大きな負荷がかかった時に押しつぶされしまい、椎間板の亀裂から中身が外に飛び出して神経を刺激し、痛みや痺れなどの症状を起こした状態です。
姿勢が悪かったり、特に長時間デスクワークを行う人などが同じ姿勢をしていると頚椎椎間板ヘルニアを発症しやすいです。
前を向いて、背筋を伸ばした状態が首や肩、背中に負担が小さく、反対に顔を上げた姿勢や、首を下に傾けた姿勢は首や肩まわりの筋肉に負担をかけてしまいます。
このような姿勢を長時間続けると、肩や背中の痛みや首を支える力が弱まり、頚椎にかかる負荷が大きくなってしまいます。
重い荷物を肩にかつぐような肉体労働者も大きな負荷がかかっています。
40から50歳代の中高齢者は加齢によって脊椎の組織が弱くなりヘルニアになりやすくなります。
60代以降の高齢者は椎間板が固まってしまって髄核が外に飛び出さないため反対に発症が少ないです。
タバコのニコチンの血管収縮作用で血流が悪くなり、椎間板に十分な栄養が届かないため、変性が進んでしまいます。
また、医学的な考え方として遺伝的要因もあげられます。
背中が痛い症状がでる!頚椎椎間板ヘルニアの治療・対応法
頚椎椎間板ヘルニアの痛みが進行している場合や強い場合は第一に安静にすることです。
日常生活に支障がなければ様子を見ることになります。
消炎鎮痛剤や湿布、必要に応じてカラーなどの装具療法や、けん引療法など、保存的療法で治療します。
足の方まで来ない、背中等上半身のしびれや痛みならば、保存的療法と呼ばれる治療法を行い、頸椎牽引療法や頸部カラー固定、頸部のマッサージやストレッチなどを行います。
痛みがもう少し強い場合には、治療薬として筋弛緩剤や消炎鎮痛剤などを使うこともあり、しびれなどの症状の場合には、ビタミンB剤が用いられます。
治療費はだいたい1ヶ月3、4万ぐらいになります。
症状が軽い場合は通院して治療し、無理をしなければ、ゆっくりと痛みは和らいできますが、場合によっては、ヘルニアの摘出・椎骨の固定などの手術が必要になることもあり、手術によって悪化を食い止めることができます。
頚椎椎間板ヘルニアの手術は、3時間程度の手術となり、入院期間は2週間程度、費用は20万円から60万程度かかる場合もあります。
手足の動きが良くなったと感じられることが多いですが、手術療法を用いても完治することが難しいのが頚椎椎間板ヘルニアで、筋力が著しく弱っている場合は、しびれなどが残ることもあります。
背中が痛い症状がでる!頚椎椎間板ヘルニアの予防法
頚椎椎間板ヘルニアの原因としてあげられる一つに、加齢により椎間板が老化し、頚椎に大きな負荷がかかることで加速します。
日常生活で正しい姿勢を保つこと、背中を伸ばしてあごを引いた状態が大切になります。
首を反らした状態は脊髄や神経が圧迫されやすくなり、長時間のパソコンをしたりテレビ鑑賞、携帯電話の使用、車の運転など、痛みやしびれの起こりやすい姿勢をとることに注意が必要です。
正しい姿勢で生活することは、頚椎椎間板ヘルニアを防ぐ最も効果的な予防法なので、首を過度に反らさないようにする等、日常の何気ない動作にも配慮しましょう。
寝るときも注意が必要で、頚椎に負担のかからない姿勢を心がけましょう。
枕が自分の頚椎に合っているか、そのためには枕の高さが重要になります。
そして、やや硬めの素材の枕を選ぶとよいです。
次に、眠る姿勢として、うつぶせ寝は腰付近の背骨が反り返っていて、また左右どちらかに顔を向けているので、首に大きな負担をかけています。
半身浴は筋肉のコリをほぐし、血行を良くしてくれます。
ぬるめのお湯にゆっくりと浸かり、肩にタオルをかけ、お風呂のふたを少し開けて湯船の中に蒸気を溜め、温熱治療と同じような効果を得ることができます。
腹式呼吸や軽い運動も予防対策として効果あります。
ヘルニアの症状と思ったら、医療機関で診察を受けましょう。
頚椎椎間板ヘルニアの頚椎に負担になる行動
頸椎に負担をかけてしまうことももちろんありますが、頸椎椎間板ヘルニアの予防として、以下のことがあげられます。
長時間パソコン操作したり、テレビを見たりと、パソコンやテレビに限らず、長時間頸椎に負担のかかる姿勢や動作に気をつけましょう。
他にも、携帯電話の使用、車の運転等も、長時間行うことで頚椎に大きな負荷がかかってしまいます。
背中を伸ばしてあごを引いた状態が大切です。
頸椎椎間板ヘルニアの症状があっても、必ずしも痛みを伴うわけではありませんが、精神的ストレスから激しい痛みを生じる事例が多く見られます。
首を過度に反らすと、頸椎に負担がかかり、仕事や家事などで普段から首を反らしている人に、頸椎椎間板ヘルニアの人が多く見られます。
体が冷えると、血行が悪くなり、更に筋肉も固くなってしまいます。
一時的に体が冷えるのであれば問題はありませんが、長期的、また断続的に体が冷えている状態が続いていると、他の要因と重なり、頸椎椎間板ヘルニアを引き起こす原因になります。
頚椎椎間板ヘルニアと症状が似ている主な頚椎疾患
変形性頚椎症は老化で椎間板が狭くなり骨棘が神経を圧迫します。
頚椎椎間板ヘルニアは椎間板の亀裂から中身が飛び出して背髄神経を圧迫します。
頚椎後縦靭帯骨化症は後方の後縦靱帯が老化現象によって硬くなり骨化し、分厚くなってくると脊髄を圧迫します。
難病に指定されている後縦靭帯骨化症は、変形性頚椎症と頚椎椎間板ヘルニアに症状が似ているために間違われやすいのです。
臨床症状だけでは区別できないため、画像診断が必要になり、頚椎X線撮影やMRIを受けましょう。
変形性頚椎症は椎間板の老化によって潰れて、椎骨の椎間板付着部の椎体から骨が出っ張って棘ができ神経を刺激しますが、年齢とともに誰でも変形します。
変形があっても必ずしも痛いわけではないので、無症状の人も多いですが、年齢とともに次第に悪化するケースが多いです。
首や背中を後ろに反らすと症状は悪化する可能性が大きいです。
頚椎後縦靱帯骨化症は椎体の後ろにある後縦靱帯が骨に変わってしまう原因不明の難病です。
骨化が大きくなって脊髄を圧迫していても無症状のことがあり、X線写真を撮って初めてわかったり、転倒して四肢麻痺となってはじめて後縦靱帯骨化症が発見されることもよくあります。
程度が低くても、圧迫が強い箇所は脊髄は紙のように薄くなっているので、転倒などの衝撃で悪化することがあるので注意が必要です。
中高年の男性に多くみられ、糖尿病を合併している人が多い傾向にあります。
糖尿病を患っていて、首や背中に違和感や痛みを感じている方は一度整形外科で検査することをオススメします。
日常生活での予防法を実践して頚椎椎間板ヘルニアを予防しよう
いかがでしたか?
頚椎椎間板ヘルニアは、一度なってしまうと完治するということがなかなか難しい病気です。
しかし、症状が重くならないように日常生活で無理さえしなければ、だんだんと痛みが軽減していくものでもあります。
また、日常生活でのちょっとしたことでも予防できます。
頚椎椎間板ヘルニアの正しい知識を身につけ、予防法を実践しましょう!