マッケンジー法の腰痛体操で慢性腰痛が改善?!方法と注意点

最終更新日:2024/03/01

腰痛の原因はいろいろ考えられるのですが、慢性腰痛の場合、これと言った原因ははっきり分かりませんよね。
腰痛持ちの方が腰を反らすという行為は良くない!というイメージはありますが、椎間板ヘルニアのための腰痛体操で腰を「反らす」という画期的なマッケンジー法によって効果を実感できるそうです。
腰痛の原因や予防、腰痛体操をする前の注意点、マッケンジー法についてご紹介していきたいと思います。

腰痛の原因とは

腰痛の原因として次のようなことがよく言われています。

・長時間立ちっぱなし
 
  腰が反った姿勢と筋肉の疲れによって椎間板に大きな負荷がかかります。

・長時間座りっぱなし

  立っているときよりも負荷がかかります。

・長時間同じ姿勢

・運動や労働のやりすぎ

・運動不足

  筋力が衰えてしまいます。

・冷えや血行不良

・柔らかすぎるマットレスなどの寝具

  腰が沈んで負担になります。

・硬すぎるマットレスなどの寝具

  腰椎のS字カーブが維持されず負担がかかります。

・体が硬い

  筋肉が緊張しやすく血行が滞ってしまいます。

・神経質な性格

  痛みを感じやすくなります。

腰痛には、『椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症』、『腰椎椎間板症』、『変形性腰椎症』、『仙腸関節機能障害』などいろいろな病名がありますが、ほとんどが姿勢などに起因する腰椎の関節の”ずれ”が原因と言われています。

MRI検査などをしても見えないわずかな”ずれ”もあるために、はっきりと原因が分からない腰痛も多いようです。

痛みを鎮痛剤で一時的に抑えることは可能ですが、根本的な治療にはなりません。

腰痛を根本から改善するには”ずれ”を治さなければなりません。

腰痛体操には”ずれ”を正しい位置に戻すだけではなく、筋力の衰えを防いだり、血行をよくして疲労回復を促進したり、腰痛を軽減する効果もあると言われています。

腰痛体操の中でもマッケンジー法が効果が高いと注目されています。

腰痛を予防するには

整形外科外来の受診理由で最も多いのが腰痛だそうです。

全人口の約1割、65歳以上では約2割の人が腰痛を持っていると言われています。

腰痛の原因は様々で、中には内臓疾患による場合もありますが、腰椎や周辺組織に障害が起こったことが原因であることがほとんどです。

腰痛は大きく「急性腰痛」と「慢性腰痛」に分けれらます。

特に「慢性腰痛」の原因が多様で改善が困難と言われています。

腰痛を治療するにはまず原因を特定しなければなりません。

腰痛予防には、腰痛の原因となる習慣や動作を控えるのが一番です。

・前かがみの姿勢を避ける

  物を持ち上げたり拾ったりするときは、かがまずにしゃがみましょう。

  台所などで立ち仕事をするとき、片足を台に乗せて立つと前かがみ姿勢を避けられます。

  ハイヒールは3cm以内のものを履きましょう。

・背伸び姿勢を避ける

  高いところにある物を取るときは、踏み台などを使いましょう。

・長時間座ったままでいることを避ける

  長時間車を運転するときは、座席の背もたれを立てて座り、1時間毎に車を停めて外で体を動かしましょう。

・適度な硬さの寝具で寝る

  背骨のS字が維持できる弾力が理想です。

ストレッチやマッケンジー法などの腰痛体操を行うことは、腰痛予防にも腰痛の痛みを軽くするのにも効果的と言われています。

腰痛体操をする際の注意点

マッケンジー法などの腰痛体操は、無理に行ってはいけません。

腰痛体操は長期に渡って続く慢性腰痛に効果があると言われています。

突然生じた急性腰痛の場合や痛みが強いときは腰痛体操などはせず安静に過ごしましょう。

腰痛体操は継続して行うとより高い効果が期待できます。

各々の体力に合わせて、朝晩5〜10回行います。

毎日できれば理想的ですが、できない場合には週2〜3日は行うようにしましょう。

腰痛体操やストレッチは、入浴や運動の後など体全体が温まっている状態で行うとより高い効果が得られると言われています。

腰の痛みが増した、体操を続けても痛みが軽くならない、入浴などして温めても痛みが和らがないなどというときは腰痛体操をやめ、早めに整形外科を受診しましょう。

次のような症状がみられる場合には脊椎の病気が進行している疑いがあります。

・腰痛以外に足の痺れが出てきた

・足に力が入れにくくなった

・排尿や排便に障害がみられる

脊椎の病気がある場合、できるだけ早く専門的な治療を始めなければなりません。

腰痛体操やストレッチも含めて、腰痛の対処法は原因によって違ってきます。

腰痛が大きな病気のサインである可能性もあるので、まずは専門医に相談しましょう。

ストレッチや体操を理学療法として行っている整形外科もあります。

専門医や理学療法士に腰痛体操のメニューが自分の症状に合っているかどうか判断してもらいましょう。

慢性腰痛の方はマッケンジー法で効果を実感できる?!

マッケンジー法というのは腰を伸ばす運動を中心に行う腰痛体操で、ニュージーランドの理学療法士マッケンジーにより考案されました。

それまでは腰を反らせる動作は腰痛に悪いとされてきましたが、現在では多くの整形外科や整体で取り入れられ、特に椎間板ヘルニアなどの腰椎障害や関節障害による慢性腰痛に対する効果を上げています。

私たちは歩いたり立ったりしているとき以外は常にある程度の屈曲姿勢(背中を丸めた姿勢)になっていると言われます。

長い間屈曲姿勢のままでいると、上半身の体重を腰が支え続けることになり、これが腰痛を慢性化させる原因になると考えられています。

従来の体操は体を伸ばすことを避け、屈曲運動だけを行う体操でした。

これでは伸展運動機能が回復されず、腰を伸ばす動きがしづらいままで屈曲姿勢に起因する腰痛の改善もできません。

マッケンジー法は伸展エクササイズを採用し、腰の伸展運動機能の回復と、腰への負担が少ない正しい姿勢を保てるようになることを目的とした腰痛体操です。

マッケンジー法の腰痛体操!伸展のエクササイズ

マッケンジー法など腰を反らせる伸展エクササイズで効果が期待できるのは次のような場合です。

・朝起きるときに痛む

・前かがみになると痛む

・座っていると痛む

・歩いているときのほうが楽

・腰を反らさないようにしてしまう

腰を反らせる腰痛体操は以下のように行います。

1. うつ伏せになって腕で床を押してゆっくりと上体を反らせます。

  自分にできる最大限のところまで反らせます。

  腰が曲がってしまったり反らす姿勢が難しい場合には、お腹の下に枕やクッションを入れて背筋を伸ばすだけでも効果的です。

2. 10秒間1の姿勢を保ちながら腰の力を抜いて息を吐きます。

初めの1〜2週間は、朝起きたとき、10時、昼食後、15時、夕食後、寝る前に1セットずつ計6セット行うのが基本です。

仕事中などうつ伏せになれない場合には、立ったままできる腰痛体操を代わりに行います。

1. 足を肩幅に軽く開いて、膝を伸ばしたまま息を吐きながらゆっくりと上体を後ろに倒していきます。

 3秒程度かけて自分にできる最大限のところまで反らせます。

 前屈や長時間座ったままの姿勢を続けた後、重いものを持った後などにも行うとよいそうです。

2. 1の動作を3セット繰り返します。

神経症状的な痺れや痛みが体の末端部へ広がるように感じた場合は、この体操が適していない可能性があります。

逆に痺れや痛みが腰に集まるようであれば効果が出ていると判断できるそうです。

マッケンジー法の腰痛体操!屈曲エクササイズと壁押し体操

痛みが改善されてきたら、伸展エクササイズに屈曲エクササイズを加えて腰の機能回復効果を高めます。

午前中は椎間板の内圧が高いため屈曲エクササイズは夜にだけ行います。

屈曲エクササイズの仕方は次の通りです。

1. 仰向けになって両膝を軽く開きます。

2. 息を吐きながら3秒かけて痛みがひどくならないよう慎重に足を抱えていきます。

朝は伸展エクササイズ(うつ伏せになって腰を反らす)を10セットを2回。

昼と夜は2回の伸展エクササイズの間に屈曲エクササイズ(腰の屈曲)を5セットを挟んで行うとよいでしょう。

基本のマッケンジー法を行っても腰痛に改善が見られない場合には以下の壁押し体操を朝、昼、夜の3回行います。

1. 丸めたタオルを用意します。

2. 痛みのない側を壁に向けて壁から30〜40cm離れて両足を揃えて立ちます。

3. 丸めたバスタオルを腕と壁の間に挟んで上半身を壁にもたれかけます。

4. 痛む側の腰に手を添えて壁に押し付けるように力を加えます。

5. 4の姿勢を1〜2秒保った後、手を添えたまま力を抜きます。

これを10回繰り返します。

痛みの範囲が腰に集中してきたらマッケンジー法の伸展エクササイズと屈曲エクササイズも合わせて行います。

痛みに変化が現れたらマッケンジー法の伸展エクササイズと屈曲エクササイズだけにします。

腰痛体操によって改善するといいですね!

慢性腰痛だとはっきりとした原因も分からず、効果的な治療を受けられないこともありますよね。

腰痛で悩んでいる方は、ぜひ、腰痛体操を習慣にしてみてはいかがでしょうか?

ただし、一度も整形外科を受診したことがない方、最近症状の悪化や変化を感じている方は、まず、病院を受診するようにしましょう。

自分の腰の状態をしっかり把握するようにしましょう。

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