マラソンのように長い距離を走ると痛くなりやすい膝。
膝の痛みが引かずに走れなくなるのは辛いですよね。
痛みを堪えて走り続けて重症化してしまったら元も子もないです。
今回はそんなマラソンランナーの方々に膝のマッサージやケア方法をお伝えしたいと思います。
マラソンランナーの膝
マラソンランナーの方でなにもせず最初から走り切れる方はいないでしょう。
マラソンをするに当たって、かなりの走り込みをしてきたと思います。
そんな中で一度もケガすることなく筋肉痛ぐらいで済んだという方は少ないのではないでしょうか。
最初は少し走っただけで息切れをして走れなくなり、そこでおしまいとなるので、膝への負担は少なく強い痛みを感じることはないでしょう。
それが、段々と心肺機能が上がって来て、走るのも楽しくなってきて少しずつ長い距離を走れるようになっていきます。
もっと高みを目指そうと、いつもよりも長めの距離にチャレンジしてみると、走り終わる直前に膝に若干の痛みが出たということが起こります。
このように走る距離が長くなると発症の確率が上がってくる膝の痛みを通称【ランナーズニー】と呼びます。
このランナーズニーには膝の中や膝の外側が痛くなる場合と内側が痛くなる場合と様々です。
代表的なものは
膝のお皿の辺りに痛みが出る症状を膝蓋腱炎〈しつがいけんえん〉
膝の外側に痛みが出る症状を腸脛靭帯炎〈ちょうけいじんたいえん〉
膝の内側の痛みが出る症状を鵞足炎〈がそくえん〉
と呼びます。
どの症状も走っているときに地面に足が着地するとズキッと痛みを感じるものです。走るのを止めて歩くようにすると痛みが治まったり、階段の上り下りや坂道を歩いてる時に痛みを感じることがあります。
皆様も膝のどこが痛いのかでランナーズニーの対処法も変わってきますので注意しましょう。
マラソン後は膝周りをマッサージ
マラソン後や長い距離を走った後に痛みが出たときはアイシングをしながら安静にしましょう。
走っている途中で痛みが発生したら、そのまま頑張って走ろうとせずに走るのを諦めてアイシングと安静にすることが重要です。
そこで屈伸して走り続けたりと無理をするとなかなか回復できなくなり、回復するのに余計に時間が必要となってしまいます。
膝に痛みが出なくても走り終わったら、アイシングは欠かさないようにしましょう。
プロ野球の投手も投げ終わったら、すぐ肩をアイシングしているようにケガの予防には必要不可欠なことなのです。
アイシング専用のアイシングバックに氷と水を入れて、膝を20分ほど冷やしましょう。
膝の炎症が抑えられ気持ち良いです。
アイシングが終わったら、簡単に膝周りをマッサージしてください。
膝のお皿を上下左右斜めとあらゆる方向に優しくずらしてみてください。
膝周りの筋肉と靭帯が緩みやすくなります。
くれぐれも強くやり過ぎないように注意してください。
次に太もももマッサージしましょう。
基本的には前後左右満遍なくギュー&パッと圧を加えて緩めるの繰り返すことです。
膝の内側が痛くなる方は内側から後ろ側を念入りに、外側が痛くなる方は外側と前側を念入りにマッサージしてください。
マラソンで膝が痛くなるのは他に原因がある
マラソンやランニングによって膝痛が起こるのは単純に走り過ぎで起こるだけではありません。様々な原因があります。
以下のようなことが挙げられます。
【筋力不足】
ランニングによって膝にかかる衝撃は、体重の約3倍と言われています。
本来はこうした衝撃の吸収は筋肉の役割です。
しかし、筋力が足りないとその衝撃を吸収しきれず膝に負担がいってしまいます。
その結果、膝関節に炎症が起こりやすくなってしまうのです。
特に、走り始めの初心者の方は、まだ必要十分な筋力がついていないので痛めやすいでしょう。
【間違った走り方】
ストライドが広すぎる、飛び上がるように走り重心の上下動が大きすぎるなど、間違った走り方も膝を痛める原因になります。
どちらも着地時の衝撃が強くなるので、痛めやすいです。
特に内股やがに股の人は注意が必要でしょう。
【足に合わない靴】
シューズは、走る目的や足の形によって選び方が様々です。
ウォーキング、ジョギング、ランニング、マラソンなど多種多様に設計されています。
合わない靴で走ることが、膝の痛みを引き起こす原因になることもあるでしょう。
特に注意が必要なのは、以下のような靴です。
・サイズが小さすぎ、または大きすぎ
・中敷きがずれる
・使い込んでシューズが変形している、ソールが偏って擦り減っている
・シューズの中に縫い目がある
このようなことでも膝への負担がかかりますので、注意してみてください。
マッサージだけでは改善できない
アイシングとマッサージで走り終わった後にケアをすることで痛みを軽減することはできると思います。
ただし、マッサージでは筋肉がほぐせてもしなやかな柔軟性は出せません。
やはり、膝への負担を考えると筋肉の柔軟性が必須なのです。
柔らかいボールは衝撃を吸収して跳ね返り、硬いボールははずんできません。
同じように筋肉に弾力があれば、着地の衝撃を吸収し蹴り返すことで簡単にスピードに切り替えることができるのです。
筋肉の柔軟性を高めるためには、ご存じの通りストレッチをするしかないですよね。
ストレッチは筋肉をほぐすのではなく引き伸ばすことができます。
ストレッチの利点はマッサージのように一つの筋肉に満遍なく圧をかけて時間がかかるものではなく、同時に何種類もの筋肉に短時間でストレッチをかけることが出来ます。
覚えておきたいのが、筋肉の特徴として外圧を加えられて一度はほぐれても次はその圧に負けないようにさらに硬くなろうとする防衛機能みたいなのがあることです。
つまりマッサージだけだとどんどん強さを高めていかないと効果が得られなくなってしまうということです。
ストレッチで筋肉を伸ばすことは圧を加えることではないので、そのようなことは起きません。
ストレッチの効果が持続しやすいのはそのためです。
つまり毎日のようにストレッチをしていて筋肉が伸びやすく弾力のある状態であれば、マッサージも相乗効果が得られると思います。
ですから、朝起きたとき、マラソン前、マラソン後、風呂上がりなどに継続してストレッチをする習慣が出来ると膝の痛みを気にすることなく、楽しみながら走ることも出来るのではないでしょうか。
マッサージとストレッチだけでなく走りを見つめ直そう
身体のメンテナンスにストレッチの大切さは先の項で説明しました。
この他に必要なことは走り方ではないでしょうか。
やはり間違った走り方は単純にどこかに歪みを抱えてしまいます。
身体の使い方を理解して走ることがなによりも負担を減らし長く走る秘訣でしょう。
身体の使い方を詳しく伝えるには、この記事だけでは事足りないので、他の記事で紹介することにして、簡単に箇条書きでまとめます。
【走るときのポイント】
・背すじを伸ばす
・あごを引いて視線を遠くに置く
・肘を大きく真後ろに引くようにして肩甲骨を積極的に動かす
・かかとから着地せず、足裏全体で着地するようにする
・もも上げは考えず、後ろになるべく長く蹴るようにする
・つま先と膝の向きは絶対に揃える
上記ポイントを意識するだけで、重心のスムーズな移動や衝撃の分散が可能になると思います。
ご自身の走り方を思い返し、出来ていないことがあれば意識しながら走ってみてください。
身体への負担が変わってくるのが良く感じられると思いますよ。
まとめ【マラソンランナー必見!膝が痛い時のマッサージやケア方法】
自分は一度だけマラソンを走ったことがあります。
マラソンを完走したときの達成感は走り切ったことのある人にしか分かりませんよね。
マラソンに限らず自分の目標とした距離を走り切り達成感を味わうためにしっかりとした準備とその後のケアを忘れないようにしましょう。
膝を痛めて走れないもどかしさを感じないためにも、マッサージ、ストレッチ、走り方といろいろ見つめ直しましょう。
この記事が少しでも役に立つことを願っています。