抗うつ薬のメイラックスとデパスの併用をしても大丈夫なの?

最終更新日:2024/02/18

うつ病は、ストレス社会が生んだ現代病のように思われがちです。
しかし、実は昔からある病気なのです。
そして、特定の人がかかる病気ではなく、誰にでもかかる可能性がある病気でもあるのです。
メイラックスとデパスなどの抗うつ薬は、うつ病特有の症状を緩和するための薬です。
メイラックスとデパスの併用は可能なのか?
また、それらの違いと、特徴についてご説明させていただきます。

メイラックスとデパスの併用は可能?

精神安定剤の中でも多く処方される、3つの抗不安薬の効き方について説明しましょう。

1つ目のソラナックスは即効性がありますが、切れるのが早いため頓服薬として向いています。

不安感に対する作用は中くらいで、眠気は出にくいとされています。

2つ目のメイラックスは飲んでから数日後、成分が体に必要な量だけ達すると効果が出てきます。

効き始めてからも継続して飲むことにより、安定した効果が得られます。

初めは副作用で眠気などがありますが、慣れれば快適に過ごせます。

メイラックスは薬に対する依存性は低いと言えるでしょう。

3つ目のデパスは即効性があり、不安感に対する効果が強く出ますが、作用時間が短く眠気が生じやすい薬です。

長期服用すると依存しやすい傾向にあります。

ソナラックスとデパスは効果が似ている薬なので、併用しないのが良いでしょう。

メイラックスとデパスは系列が同じで作用時間が異なるため、同時に服用することも可能です。

より良い効果を得る為に、一緒に処方されることもあります。

デパスに頼りすぎるようなら、メイラックスの量を増やす方法もあります。

デパスを併用できるメイラックスとは?

抗不安薬の1つであるメイラックスについて細かく説明しましょう。

抗不安薬とは不安感を和らげる精神安定剤のことです。

現在処方される抗不安薬のほとんどは「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる系列のものです。

ベンゾジアゼピン系には4つの特徴があり、不安を和らげる、筋肉の緊張をほぐす、眠気を起こさせる、けいれんを抑えるという効果が期待できます。

ベンゾジアゼピン系の薬はすべてこの作用がありますが、それぞれの薬の種類によって効果の出方が異なります。

抗不安薬の主なものとしては、メイラックスが挙げられます。

メイラックスの抗不安作用はやや強めで、筋肉の緊張をほぐす筋弛緩作用は中程度、眠気を催す催眠作用、けいれんを抑える抗けいれん作用も中程度とされています。

中~重度の不安感に効果があり、リラックスさせて眠気を催す作用もあります。

効き目には個人差があるため、あくまで1つの目安とお考えください。

同じ系統で即効性のあるデパスと一緒に処方されるケースもあり、併用して飲むことができます。

デパスを併用メイラックスの特徴

抗不安薬のメイラックスの特徴は、作用する時間が大変長く、他の抗不安薬よりも効果が大きいとされています。

作用時間の目安として、「半減期」の値を見てみましょう。

半減期とは、薬の血中濃度が半分に減るまでの時間を言い、薬の作用時間を知るための数値の1つです。

メイラックスの半減期は約122時間とされ、他の抗不安薬よりもかなり長い値と言えます。

つまり長時間、薬の効き目があるということです。

1度服用すると効果が長く続くため、薬に対する依存性も低めです。

しかし一方で、作用時間が長いと常に副作用の眠気や筋肉の弛緩作用があり、ふらつきなどで生活に支障をきたすことも考えられます。

1回服用すれば1日以上の効果がありますが、その分副作用も長く続いてしまいます。

ここまでの内容をまとめましょう。

メイラックスは服用回数が1度で長く効き、抗不安作用にも充分な効果があります。

ゆっくりと効果が現れるため、依存性が少なくて済みます。

しかし長く効く分、副作用が長く続き、日中も眠気やふらつきが起こり生活に支障が出る場合もあります。

さらに薬が合わない時は、体から抜けるのに時間がかかるため辛いことがあります。

同じ系列で即効性のあるデパスと一緒に処方されるケースもあり、併用も可能です。

メイラックスと併用が可能なデパスとは?

抗不安薬の1つであるデパスは、ベンゾジアゼピン系のお薬で即効性があります。

ベンゾジアゼピン系の薬の特徴は、4つあります。

1つは不安を解消する抗不安作用、2つめは筋肉の緊張をほぐす筋弛緩作用、3つめは眠気を起こさせる催眠作用、4つめはけいれんを抑える抗けいれん作用です。

4つの作用は薬によって強さが異なります。

デパスの効果は、抗不安作用と筋弛緩作用が強く、催眠作用は中程度、抗けいれん作用は弱いとされています。

効きめには個人差がありますので、あくまでも目安としてお考えください。

デパスは不安感の改善に大変効果があり、体がリラックスするため人気が高いお薬です。
筋弛緩作用は肩こりなども改善することから、整形外科でも処方されるケースもあります。

一方、副作用として眠気やふらつきが出やすいので、高齢者の方は特に注意が必要です。
さらに不安を改善するのに即効性がある薬は依存性が高く、すぐに頼ってしまうと副作用に悩まされることもあります。

お薬は医師の指示に従って飲み、必要以上に服用しないようにしましょう。

同じ系列でゆっくり効くメイラックスと併用して処方される場合もあります。

メイラックスと併用したいデパスの特徴

抗不安薬として人気が高いデパスは、即効性があり不安感に対する効果が大変高いお薬です。

不安感が強い人は常に緊張しているため、1度失敗するとますます不安感が強くなるという悪循環が起こりやすくなります。

この不安感を解消するための薬が抗不安薬です。

デパスは抗不安作用がとても高く、レキソタンという薬と並んで最も強い効果が期待されるお薬です。

即効性があるため、飲んですぐに効果を発揮します。

抗不安薬としてはSSRIなどの抗うつ剤もありますが、効果が出るまでに時間がかかります。

デパスは抗不安作用の他に眠気を誘う催眠作用もあるので、睡眠薬として処方されることもあります。

さらに筋肉の緊張をほぐす筋弛緩作用も期待されるため、肩こりや体がこわばるようなときにも効果を発揮します。

同じ系列でゆっくり効くメイラックスと併用して飲むよう処方されるケースもあります。
しかしデパスは、日中の眠気やふらつきなどの副作用が強く出ることがあります。

即効性があるために、依存性が強い点もデメリットの1つです。

また常に使用していると体が慣れてしまい、同じ量では効かなくなり処方量が増える場合もあります。

反対に調子がよくなって急に薬を減らすと、体がついていかずに離脱症状が現れることもあります。

さらに睡眠の質が落ちて浅い眠りのノンレム睡眠が増えた結果、熟睡感が得られないという心配もあります。

薬に頼らないうつ病の克服法

近年増加しているうつ病には、SSRIなどの抗うつ剤の処方の他、メイラックスとデパスなどの抗不安薬を併用して対処します。

薬と平行して、認知療法を行うとさらに効果が期待されます。

認知療法とは、周りで起きた出来事について考えや気持ちを書き、ゆっくり読み、考え方の歪みを見つける方法です。

かなり細かく書く方法もありますが、症状が重い時に細かい分類は辛いため、ここでは4段階の作業を紹介しましょう。

ノートを用意して、1つ目の状況の欄には辛い出来事や苦しい内容を書きます。

例えば「ミスをして上司にひどく怒られた」などです。

2つ目の気分の欄には、その出来事に対しての気持ちを単語で表し、%で数値にします。

例として「悲しい90%、不安70%、屈辱80%」などです。

3つ目の自動的な思考の欄には、出来事に対しての思考や考え、不安な気持ちを書きます。

例えば「自分は上司に嫌われた、会社をクビになるかも」などと記入します。

最後の合理的な考えの欄には、自動的な思考に対する疑問や矛盾点を洗い出し、客観的な考えを探りながら書きます。

例として「失敗したのだから仕方が無い。別のチャンスで名誉挽回を図ろう。」などです。

自分の考えを文章にして目で見ると、客観的に捉えることができます。

うつ病の時はやる気がおきませんが、気力がある日に一度試してみるのも良いでしょう。
何度か続けるとさらに効果があるとも言われています。

メイラックスとデパスについてよく知っておこう!

いかがでしたか?

うつ病は、抗うつ薬の適切な服用と休養によって、ほとんどのケースで症状を改善させることが可能です。

とても便利なメイラックスとデパスなどの抗うつ薬ですが、副作用もあることを忘れないで、乱用をしないように注意して下さい!

また、薬に頼らない克服法もありますので、そちらも是非実践してみてください!

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