よく公園などでランニングをしている人を見かけますよね。
ランニングブームにより、老若男女の多くの方がランニングを楽しむようになってきました。
ランニングは、誰でも気軽にすぐにできるということもあり、事前の体の準備もせずに開始してしまう人も多いはずです。
最も発生しやすい故障は膝の痛みです。
今回は、ランニングによる膝の痛みを改善するための筋肉トレーニング法を紹介します。
ランニングで膝が痛くなる原因
ランナーがランニングをするときに傷める体の部位で、代表的な部位は、膝だと思います。
膝を痛めるのは、体重が関係していると思っている人が多いようですが、原因は体重以外にもあります。
また走り方や、膝を安定させる筋肉がしっかりあれば、痛みが改善されることもよくあります。
ランナーズニーとも言われる腸脛靭帯炎は、脚をついた後に膝の外側に痛みが生じるものです。
痛みは、トレーニングをしたときに過度の負担がかかると生じます。
トレーニングは体に適度な負荷をかけていくものなのですが、同じ場所に過度に負荷をかけすぎることが痛みの原因になるのです。
膝は、足首と股関節の間にあるので、体重を片足で支えるときに安定していなければ、この過度な負担を受けてしまいます。
特に、足部の接地が不安定なときや、体幹に体重がきちんと乗っていなくて膝で体重を過度に受けてしまうのが問題になります。
筋肉を鍛えたり、体の使い方(ランニングフォーム)を改善したりすれば、膝の痛みを減らすことができるでしょう。
膝の痛みの他に腸脛靭帯炎が疑われる症状は?
腸脛靭帯炎は、大腿広筋膜とも言われます。
太ももの外側を覆う靭帯で、大転子から太ももの外を通って脛骨につながっています。
腸脛靭帯に炎症が生じる状態を腸脛靭帯炎と言います。
また、腸脛靭帯摩擦症候群、ランナー膝、ランナーズニーとも言われます。
ランナーズニーは、ランニングから生じる関節の周りの障害の総称として使われることもあります。
これから腸脛靭帯炎の可能性がある症状を紹介します。
走っている途中や走り終わったときに、膝の痛み以外に膝の外側がきしむような違和感を感じることがあります。
休めばその痛みや違和感が治まることがほとんどです。
しかし、症状が進行すると、痛みはどんどんと強くなって、慢性化していきます。
重症になると、痛みのせいで膝の曲げ伸ばしが難しくなって、膝を伸ばしたまま歩く状態になるかもしれません。
痛みは、足が曲がった状態から伸ばした時に発生します。
ランニングをしているときは、走りながら地面を蹴った時が、痛みを生じるタイミングです。
腸脛靭帯炎を予防するには、筋肉を強くすることが必要になるのです。
筋肉の強化と柔軟性が大事!腸脛靭帯炎の予防・対処法は?
腸脛靭帯炎は、膝の使いすぎと柔軟性不足が主な原因になっています。
自分の筋力と体力に合ったトレーニングをしてください。
度を超えた長い時間や長い距離のランニング、同じ練習を繰り返す、などの行為は膝の使いすぎになります。
過度な運動はやめて、疲れが溜まったらしっかりと休養を取りましょう。
運動前のウォームアップと、運動後のクールダウンも大切です。
日頃から筋力トレーニングと柔軟体操をすれば、膝に関係する筋肉の強化と柔軟性アップが期待できるので腸脛靭帯炎を予防できます。
また、シューズやランニングコースの見直しやO脚の矯正も腸脛靭帯炎の予防に役立ちます。
腸脛靭帯炎の対処方法は、膝を使う運動をやめて安静を保つことです。
症状が軽いなら、しばらく休むと痛みはなくなります。
痛みが強いなら、患部をアイシングして炎症を抑えたり、シップなどの消炎鎮痛薬を塗ったりして、痛みを抑えましょう。
走った後の冷水シャワーもアイシングとして効果的です。
また、つま先で着地する「フォアフット走法」、足全体で着地の「ミッドフット走法」にすると、膝への負担が減らせるでしょう。
ランニングのための膝周辺筋肉ストレッチ法
ランニングをするときの、膝につながる筋肉のストレッチ方法を紹介していきます。
片膝立ちの姿勢で行うストレッチです。
膝の下にタオルや座布団を敷くことをオススメします。
①左足を前に出し、右膝を床についた姿勢になってください。
右手で右足の甲をつかんでおしりに引き寄せ、ももの前側を伸ばしていきます。
②次に右ももの外側が最も伸びる位置を見つけて後ろに伸ばしてください。
椅子や机などを支えに使って後ろ側にまわした右脚の外側にさらに体重をかけてストレッチします。
③今度は脚を付け根から後ろに伸ばすように意識すると腸腰筋を伸ばせます。
④そのままの姿勢で左足の前に体重を掛けていきましょう。
踵は床から離さずに、下にテンションをかけて左足のふくらはぎをストレッチします。
⑤最後に右脚を右外側にまっすぐ伸ばしてつま先を上げて、腿の内側の縫工筋をストレッチしましょう。
呼吸は続けて、止めないようにしてください。
ランニングの膝の痛みの改善の為の筋肉トレーニング法
では次に、ランニングから生じる膝の痛みを改善する筋肉トレーニング法を紹介します。
①ベンチや椅子に後ろ向きに膝を曲げ片足を乗せて、足を一歩踏み出してスクワットをすれば、効果的に大臀筋に負荷がかかる筋トレができます。
②ランジは、立位で足を前後に開いてストレッチします。
立位で、足を後ろに出してスクワットをするバックランジがオススメです。
片足ずつ後ろに足を引いてスクワットをし、臀部に5秒くらい負荷を掛けてから足を元に戻す、というのを20回繰り返しましょう。
③マシンを使用するワイドスクワットです。
(マシンが無ければダンベルでワイドスクワットをしましょう。)
④ダンベルを使用するワイドスクワットは、ダンベルを股間の位置で持ち、骨盤を後傾させてください。
その状態でスクワットをして、大臀筋の負荷を感じたら立ち上がりましょう。
立ち上がったら骨盤を後傾させてください。
⑤深くしゃがんだスクワットが、大臀筋にとても効果的です。
大臀筋は大きい負荷を掛けなければ発達しません。
スクワットは、脚の位置や曲げ方、しゃがみ方で、様々な筋肉を鍛えることができます。
また、階段登りでも、大臀筋と大腿筋膜張筋を鍛えることができます。
チューブを使った筋肉トレーニング方法!
チューブを使った筋肉トレーニング方法を紹介します。
「引いて戻す」という動きをスローにしていきましょう。
椅子やソファー、ベッドの足にチューブを巻いてください。
①レッグエクステンションは、大腿四頭筋に効きます。
椅子に腰掛け足首にチューブを巻きます。
足を下ろして足首を反らし、水平になるまで上げる動きをします。
座りながら膝下でサッカーにシュートをするイメージです。
②レッグカールは、大腿二頭筋に効きます。
椅子の背もたれに手を置いて支え、かかとをお尻に近づけるようにイメージしながら、足首を反らし足を上げる動きをします。
③ヒップエクステンションは、臀部から大腿後面部に効きます。
②と同じ姿勢で膝を真っ直ぐ伸ばしたまま足を後ろに引く動きをしましょう。
④アンクルフレクションは、前脛骨筋に効きます。
足の甲にチューブを引っ掛け、足首を自分のほうに曲げてください。
⑤アンクルエクステンションは、腓腹筋とヒラメ筋に効きます。
チューブを手に持って足裏に引っ掛け、足首を伸ばしてください。
筋力トレーニングは正しく継続することが大事
腸脛靭帯炎を含めて、膝の痛みなどの怪我を予防する為にはランニングの練習以外に「筋肉トレーニング」が必要不可欠です。
残念なことに、ある一定期間筋肉トレーニングをしただけでは、徐々にその効果は薄れてしまいます。
筋肉トレーニングは正しく継続することが大切です。
また、膝の外側が痛い=腸脛靭帯炎であると自己で決め付けてしまうのは注意して下さい。
異変を感じたら、必ず医療機関を受診するようにしましょう。