低用量ピルのルナベルの服用は、避妊目的の他、子宮内膜症の治療などにも使われています。
実際にルナベルを服用している方は沢山いらっしゃると思います。
しかし、人工的にホルモンバランスを変化させるので、自然な生理周期では見られない症状が現れることもあります。
今回は、その中でもよく見られる飲み始めてから不正出血が止まらないなどの、ルナベルの副作用や対処法について調べてみました!
ルナベルとは?
ルナベルとは女性ホルモンを配合したお薬で、主に月経困難症の緩和、子宮内膜症の悪化の抑制などに処方されます。
ルナベルは、俗に言う低用量ピルでEP配合剤の部類に属し、黄体ホルモンのプロゲステロン、卵胞ホルモンのエストロゲンが配合されています。
ルナベルの成分は、経口避妊薬のオーソやシンフェーズと同一で、ノロエチステロン(NET)、エチニルエストラジオール(EE)が含まれます。
現在は保険治療薬として認可が下りています。
ルナベルは、体を妊娠している時と似た状態にする「偽妊娠療法」として処方され、女性ホルモンの分泌をなだらかにしていく作用があります。
月経困難症の場合は、ノロエチステロンが排卵を抑えて卵巣や子宮の活動を休ませる作用をするため、生理が軽くなって月経痛の痛みが緩和されます。
子宮内膜症の場合は、エチニルエストラジオールが病巣の拡大や悪化を防ぐ効果があります。
年齢が若く症状が軽い人や、しばらく妊娠を希望しない人に向けです。
まれに不正出血が止まらない場合もありますが、副作用が少ないため長期服用しても安心なお薬です。
しかし、血栓症や乳がんのリスクが高まるという報告があるため、新しい配合錠LDはエチニルエストラジオールが0.035mgになり、さらに新薬のULDは0.020mgに減らして超低用量EP配合剤として開発されました。
ただしこれらは対処療法の薬であり、根本から改善するものではありません。
ルナベル服用で不正出血が止まらないことはある?
ルナベルのような低用量ピルを服用すると、不正出血が起こることがあります。
そもそもこの場合の不正出血とは、生理で排出しきれなかった子宮内膜がゆっくり出てくる症状を指します。
生理が始まったタイミングで低用量ピルを服用するため、内膜がすべて出る前にホルモンバランスが変化することが原因で起こります。
不正出血が起こるのは珍しいことではなく、服用を続けていれば治まるケースがほとんどです。
しばらく服用して様子をみてみましょう。
ただし生理のような出血や立ちくらみ、めまいや貧血などの副作用が重い場合は医師に相談することをおすすめします。
また、ヤーズも低用量ピルとして月経困難症や子宮内膜症によく処方されます。
服用後の不正出血が止まらないのはよく見られる症状で、ほとんどの場合2シート目の頃には改善されますが、長い人では1ヶ月ほど続くこともあります。
さらに低用量ピルの服用により、プロゲステロンという黄体ホルモンが急激に減ることがあります。
この影響で不正出血が数ヶ月続くこともありますが、作用の1つなので特に心配はいりません。
ルナベル服用で不正出血が止まらないことはないが副作用は?
ルナベルは、飲んでまもなくの頃に不正出血が起こりやすいといわれています。
新薬の配合錠ULDは、8割以上の人に症状が現れるという報告がされています。
さらに頭痛、乳房の痛みや張り、吐き気などが出る人もいます。
これらは、ホルモンが急激に変化することに伴う体の反応なので、それほど心配いりません。
2~3ヶ月経つと体が慣れ、次第に緩和されていきます。
不正出血は薬を飲み忘れた場合でも起きる場合があります。
重い副作用としては、まれに血栓ができることがあります。
血栓とは血管に血液の塊が詰まることです。
手やふくらはぎの痺れや痛み、息切れや胸痛、激しい頭痛、視野が狭くなるなどの前触れは注意が必要です。
さらに会話がうまくできない、意識が薄れるなどの症状が出ることもあります。
これらの症状が出た場合は、早急に医師の診察を受けてください。
また、長期に渡って服用した場合は、子宮頸がんや乳がんのリスクが高まることがあります。
乳がんは、セルフチェックを毎月必ず行いましょう。
不正出血が止まらない場合は、子宮がんの検査が必要です。
半年~1年に1度は定期健診を受けることをおすすめします。
低用量ピルで止まらない不正出血の対処法
ルナベルなどの低用量ピルを服用すると、不正出血が起きるということは何度も説明しました。
これは急激なホルモンの変化に対する体の反応なので、慣れてくると次第に治まります。
1ヶ月くらいは服用を続け、様子を見ましょう。
通常は心配ありませんが、まれに疾患が伴うこともあります。
万が一、1ヶ月を過ぎても出血が止まらない場合は、婦人科を受診してください。
腰痛や腹痛などの症状がある時は注意が必要です。
感染症や子宮筋腫、子宮内膜症の検査をしてもらうと安心です。
また、数ヶ月服用した後に不正出血が起きることもありますが、しばらく様子をみていると多くの場合は自然に治まります。
ただし出血が1週間以上続く場合は婦人科を受診し、検査をして出血を止める薬などを処方してもらいましょう。
ルナベルなどの低用量ピルは、ホルモンのバランスを変える作用があります。
不正出血などの症状は体の反応の1つですので、過度に恐れる必要はありません。
医師の指示に従って飲み続けていると、次第に症状は治まっていきます。
ルナベルの用法・用量を守ろう
ルナベルは、スケジュールを守って継続的に服用しましょう。
飲み始めは、生理が始まって1日目~5日目の間です。
1日1回1錠を、21日間続けて定めた時間に服用します。
LD、ULDは共に飲み方は同じです。
数日間飲み忘れがあると、不正出血を起こしやすくなりますので注意しましょう。
21日間続けて飲んだら、7日間お休みします。
休みの間に軽い生理が来ます。
この28日間のサイクルを守り、次の29日目から新しい1サイクルとして再び服用を始めます。
出血が止まらない場合もありますが、決められた日数は守って継続してください。
万が一飲み忘れた場合は、すぐに前日分の1錠を服用しましょう。
その日の分も忘れずに飲んでください。
数日空いた場合も同様です。
また、飲み合わせに注意が必要な薬がありますので、普段服用している薬がある場合は必ず医師に伝えましょう。
さらにセイヨウオトギリソウを含む食品は効果を下げ、不正出血が起こりやすくなりますので服用期間中は摂取しないようにしてください。
ルナベルが治療薬!子宮内膜症とは?
子宮内膜症は、比較的若い年齢の女性に起こる疾患です。
元々は子宮内に存在する内膜や内膜に似た組織が、子宮以外の場所にできて女性ホルモンの影響を受け増殖する病気です。
子宮内膜症は現代病とも言われ、女性の生活の変化や閉経の時期が延びたことに関係しています。
かつての日本は女性の初婚年齢が低く、出産の回数は多いことが一般的でした。
妊娠・授乳中は生理が止まるため、ホルモンの分泌が少なかったことが理由に挙げられます。
現代では初潮の低年齢化と共に閉経が遅くなり、さらに出産回数が減っているため、女性ホルモンが分泌される期間が非常に長いという状況にあります。
したがって子宮内膜症を発症する確率は高くなります。
また子宮内膜症は不妊の原因の1つとも言われています。
子宮内膜が広がる別の場所とは、卵巣や骨盤の腹膜、腸、膀胱、膣、外陰部、腹壁などがあります。
一般的には骨盤内が多く、病変した箇所は生理と同様に膜がはがれて出血を起こします。
卵巣内の場合はチョコレート嚢胞(のうほう)と呼ばれ、茶色に固まった古い血液が膨らんで大きくなります。
子宮内膜症はエストロゲンという女性ホルモンの働きによるものなので、閉経後の発症率は著しく低下していきます。
子宮内膜症には、ルナベルなどの低用量ピルが広く処方されています。
まれに不正出血が止まらないことがありますが、医師の指示のもとに飲み続けていると次第に治まっていきます。
ルナベルの副作用を知って上手に付き合おう!
ルナベルなどの低用量ピルの効果にはホルモンバランスを変化させる作用があります。
使い始めは、不正出血などの反応が現れてビックリして心配になりますが、継続的に服用していれば、いずれ症状も落ち着いてきます。
あまり過剰に心配しないようにしましょう。
しかし、体調が安定してきてからいつもと違う症状が現れたときは、かかりつけの婦人科に受診して下さい!
ルナベルにも色々な副作用がある事を忘れずに、上手に付き合うようにしましょう!