パニック障害の方など精神的疾患を患っている方が服用するレキソタン。
予期不安に対して効果を実感しやすいお薬として服用している方も多いのではないでしょうか。
効果を実感しやすいということで、減薬する際に離脱症状が出やすいということもあるようです。
レキソタンの予期不安に対する効果
レキソタンは強力な抗不安作用が期待される薬です。
また、レキソタンは即効性に優れるという特徴もあります。
服用してから血中濃度が最大になるまでにかかる時間は約1時間であり、これは抗不安薬の中で特に速い方に分類されます。
その強力な抗不安作用から、最初に用いるより、他の抗不安薬を使っても効果が見られない場合、もう少し効果のあるものを使いたい、という時に候補に挙がってくる抗不安薬です。
副作用としては、予期不安の形成、催眠作用による眠気、筋弛緩作用によるふらつきや転倒などの危険性が指摘されています。
以上の特徴を考慮し、特に高齢者に使う際には、細心の注意を払って処方する必要があります。
ただし、これはあくまでも一般論であり例外もあります。
医師が診察した結果、「この症状だと最初からレキソタンを用いた方が効果的だろう」というケースもあれば、高齢者にレキソタンを使わざるを得ないといったケースもあります。
薬の選択にあたっては主治医とよく相談し、その指示に従って服用するようにしてください。
なお、独断での減薬、断薬は非常に危険であり、離脱症状にも繋がるので、絶対に避けましょう。
レキソタンの離脱症状は?
レキソタンの具体的な離脱症状として、イライラ・落ち込み・不安・ソワソワ・無気力などの精神症状、頭痛・肩こり・不眠・まぶしさ・筋肉のけいれんなどの身体症状、吐き気・耳鳴り・動悸・発汗・ふるえなどの自律神経症状があり、予期不安が形成されるケースもあります。
どのような離脱症状が出てくるのかは個人差があるため、人によって異なってきます。
このような症状が出る原因は、レキソタンを毎日服用していると、少しずつ身体が薬に慣れていきます。
すると身体は、レキソタンがあることを前提して身体機能のバランスを整えるようになっていきます。
このように薬があるのが当たり前の状態になっていると、急に薬がなくなると、その急激な変化に対応できず、身体がパニックを起こしてしまいます。
これが離脱症状となってでてくるのです。
レキソタンは、GABAという物質に働いて抗不安効果を出しています。
脳内では興奮させる物質はたくさんの種類がありますが、抑制させる物質はGABAしかありません。
そのため、他の物質がバランスをとって補うこともできないため、離脱症状が起こりやすくなっています。
レキソタンの離脱症状を少なくするためには
依存につながりやすい要因として次の4つがあげられます。
服薬期間が長いこと、抗不安薬の量が多いこと、アルコールと併用していること、抗不安薬だけに依存していること、です。
抗不安薬依存の大きな特徴は、精神依存が強いことです。
「薬がなければ自分は不安に立ち向かえない」という思い込みが強くなってしまうのです。
これは、時間が経つほど強くなっていき、薬が切れることへの恐怖から、予期不安が強化されることもあります。
抗不安薬の量が多いと、身体への影響も強くなってしまいます。
薬が効かなくなって、どんどん薬の量が増えている場合は要注意です。
身体が抗不安薬に慣れ、耐性ができている可能性があります。
薬の量が増えるということは、離脱症状にもつながってきます。
減薬がさらに難しくなる危険性があります。
また、レキソタンとアルコールの併用は厳禁です。
アルコールで不安なことを乗り越えることが習慣になってしまうと、アルコール依存症へとつながりかねます。
さらに相互作用で抗不安薬の影響が増大してしまいます。
薬に頼るだけではなく、不安に慣れていくことで自信をつけることも大切です。
レキソタンの離脱症状の対処法は
レキソタンだけに関わらず、離脱症状が起きた場合、取るべき方法はたった二つしかありません。
離脱症状は減薬、断薬した時に生じるので対処法は、様子をみる、元の量に戻す、のどちらかしかありません。
そしてどちらを選ぶかの判断基準は、生じた離脱症状の程度に「あなたが耐えられるかどうか」になってきます。
人間の身体というのは、徐々に新しい環境に適応していく力を持っているので、しばらくすれば、少なくなった薬の量にも慣れてきます。
それまで様子を見ることが可能な程度の症状であれば、我慢してみてもよいでしょう。
個人差はありますが離脱症状のピークは1週間程度で、これを過ぎると徐々に症状は軽くなっていきます。
ただし、3か月など長く続くケースもありますので、無理をして我慢しないようにしてください。
もう一つの方法は薬を元の量に戻す、ということでした。
生じた離脱症状の程度が強く、耐えられないようであれば元の量に戻します。
減薬したのが原因なので、当然、薬の量を戻せば離脱症状は改善します。
元の量に戻したら、少なくとも1〜2週間はそのままの量で様子をみてください。
もし、予期不安の症状が見られる場合は担当の医師に相談してください。
過剰な予期不安は不安を悪化させる原因
レキソタンを服用する際に離脱症状や予期不安といった問題があると何度もお話ししてきました。
ここでは予期不安について見ていきましょう。
突然の動悸や呼吸困難、発汗、めまいなどの身体への症状と共に、死への恐怖で激しい不安と恐怖に襲われることをパニック発作と呼んでいます。
大抵は、10分~1時間くらいで発作は収まるとされています。
パニック発作を何度か繰り返し起こすことで、益々、恐怖感と不安感を抱くようになります。
これを”予期不安”と言います。
予期不安により、多くの人が集まるような場所で発作を起こすことへの恐怖が生まれます。
そして、そのような場所を避けるようになるのが広場恐怖です。
過剰な予期不安は、悪循環となって症状を悪化させ、病院に搬送されるような事態にもなりかねません。
恐怖から人前に出ることを避けるうちに、電車やバスなどの公共交通機関を利用できない、病院やショッピングセンターに行けないなど、日常生活に支障をきたすようにもなります。
放置したままで治療をせず、症状が進行してしまうと、さらにうつ病を併発することがあります。
進行したパニック障害の治療には、医師による薬物投与や心理療法等が必要になり、発作を繰り返し起こさないことが重要になってきます。
予期不安を克服するための方法
予期不安の克服方法としては、他の精神疾患同様の治療になります。
そこでは認知行動療法を中心としたものになります。
パニック症状が発生した時、その他のことに気を逸らせる方法を見つけていくのです。
その対処法は精神的なものであり、個人により異なってくるため、自分自身で見つけることになります。
例えば、不安を感じた時に、好きな人、親しい家族に触れる事で安心する人もいれば、体を動かす、声を出す、自分の体を触る、ゲームや読書などに没頭する、つまり何かに没頭することで、意識をそちらに完全に向けてしまうのです。
こうすることで予期不安を解消しやすくし、無駄に深追いしないようになります。
こうして認知行動療法を行っていくにつれ、自分の意識を上手にコントロールできるようになり、結果的に予期不安、パニック障害が改善されていきます。
自分に合った落ち着けるコントロール法を覚えることが必要です。
このような作業に加え、レキソタンなどの抗不安薬も精神療法とうまく併用しながら、病気を克服していくことになります。
認知行動療法だけであれば、薬を用いないので離脱症状の心配はありません。
何ごとも前向きに考えられるように・・
不安を抑えるために、服用するお薬ですが、長期服用にはやはり注意が必要ですよね。
薬にずっと頼り続けることはできません。
減薬し最終的には断薬するために、前向きに物事を考えられるようにしていきたいですね。
なかなか難しいことかもしれませんが、無理のない範囲で、自分のペースに合わせて、克服していけると良いですね。