レントゲンの撮影検査は一度は体験されたことのある方、多いのではないでしょうか?
レントゲン検査と言われても検査によってどんな病気が発見できるのでしょうか?
また、若い方でレントゲン検査の被爆量など気になる方も多いですよね。
レントゲンはどれくらいの回数を撮影すると身体に影響を及ぼすのかご紹介していきたいと思います。
レントゲンとは
1.レントゲンとは
X線撮影とも呼ばれています。
X線という放射線を物質に照射して、透過したX線を写真乾板などを使って検出し、画像として現します。
医療現場や空港の手荷物検査などで、頻繁に使われています。
レントゲンを受けると、放射能を被爆することになります。
がんなどの病気を心配する声も聞かれます。
しかし、量も回数も少なければ問題はないようです。
2.レントゲンの原理とは
X線は物質を透過しますが、特殊なフィルムに当たると、その部分は黒くなるそうです。
レントゲン検査では、X線を照射する装置とフィルムの間に人が入り、撮影を行います。
X線は骨などの密度が高い物質は透過できず、その部分はフイルム上では白くなります。
一方、皮膚や筋肉、内臓などの密度が低い物質は通り抜けてしまい、その部分はフィルム上で黒くなります。
その結果、フィルムには、黒い背景に骨などが白く映ることになります。
主なレントゲンの種類
1.胸部X線検査
次のような時に、肺や心臓を中心として行われます。
咳が強く出たり止まらないとき、胸の痛みを感じたり、肺や心臓に異常を感じるときなどです。
特に肺の検査では、肺がん、肺結核、肺炎、気管支炎、肺気腫、気胸、胸膜炎、胸水などの病気を発見するのに役立ちます。
心肥大や心拡大、胸部の大動脈瘤などの心臓の異常など、かなり多くの疾患を鑑別することができます。
2.腹部X線検査
次のような時に、腹部の異常を検査するために行われます。
腹痛が起きているとき、臓器の大きさや位置を確認したり、腫瘍があるかないかなどを確認するとき、腫瘍などによってお腹の中にできる異常なガスや、腹水、腹腔遊離ガスなどを確認するときなどです。
結石や腸閉塞などの発見に役立ちます。
なお、レントゲン検査で被爆すると、がんになってしまうのではないかと心配される方もいます。
しかし、1回の放射線量もその回数も、人体に悪い影響を与えない範囲で行われているようです。
歯科でのレントゲンは回数が多い・・被爆の心配は?
1.パノラマ検査とは
この検査では、その名の通り、口の外側から顎の全体像を撮影します。
口の中や歯の周囲の全体を、大まかに把握できます。
一枚のパノラマ写真で、歯や骨、顎関節の異常、親知らずの状態や埋もれ具合、また上顎洞の状態などさまざまな情報がわかり、歯科では欠かすことができません。
2.デンタル検査とは
この検査では、まず小さな写真のフィルムを口の中に入れます。
次に、外側からX線を当て、骨や歯以外の部分を透過させて撮影します。
特定の歯の虫歯や骨の状態を、より詳しく知リたい場合、また治療中の歯の経過を確認したい場合に、この検査が行われることが多いようです。
3.セファロ検査
この検査では、上下のあごの大きさや、あごの形、歯の傾斜などを細かく分析していくために、頭全体に対して行われます。
矯正治療中や矯正後に、どのように変化したかを比較検討するのに適しています。
レントゲン検査で特に気になるのが、放射線を被爆することです。
しかし歯科での被爆量は、自然放射線よりはるかに小さく、回数も限られています。
レントゲン撮影の回数と被爆量について
福島の原子力発電所の大きな事故があって以来、放射能の汚染の恐れが広がりました。
レントゲン撮影も危険なのではないかと考えている人が多くなったようです。
放射線の大きさは、シーベルトという単位で表されます。
普通は、シーベルトの千分の1のミリシーベルトが用いられています。
原子力発電所などの放射線施設では、5年間で100ミリシーベルトと制限されています。
医療行為では、被爆によるデメリットよりも、治療などのメリットを優先するからです。
がんになることを恐れて被爆をためらっていると、他の病気が命を危うくすることもあります。
現在、放射線を扱う医療機器には、レントゲン撮影の他にX線CTスキャンがあります。
被爆量を見るために、自然放射線、原子力発電所を1回と数え、それを基準にそれぞれの機器の回数を計算してみます。
すると、どの検査も制限基準オーバーになります。
しかし、放射線の人体への影響は、1000ミリシーベルト以上で初めて障害が出るとされています。
そのことから考えると、レントゲン検査の被爆量は、発電所の基準で見ても、はるかに危険が少ないと考えられます。
子供にレントゲン検査・・異常回数でなければ被爆の心配はない
1.子どものレントゲン検査について
将来のある子どもの検査では、放射線の被爆によるガンの発症などを心配する向きがあります。
しかしレントゲンは、連続で数百回撮影しても健康への影響はほぼないとされています。
回数は医療機関で制限されているようです。
2.子どものレントゲン以外の検査について
★超音波検査(エコー)
検査する体の部分に超音波を当てて、その反響を映像化して調べる画像の検査です。
レントゲン検査と比べると、臓器の状態を断面的に調べることができます。
放射能を被爆することはありません。
★CT検査
「コンピュータ断層撮影」と呼ばれる検査です。
X線を体の部分に当てて、断面画像を撮影するものです。
立体的(3D)に表示することも可能です。
レントゲン検査に比べて、X線量は多くなります。
★MRI検査
「核磁気共鳴画像法」と呼ばれる検査です。
磁石と電磁波を使って断面画像を撮影するものです。
X線を使用しないため、被爆の心配がありません。
CTのように造影剤を使わなくても、血管などを映し出せます。
人体のあらゆる部位の検査が可能です。
ただし、検査に30分以上の時間がかります。
子供のレントゲン撮影での3つの注意点
1.子どもの検査では、安全第一をモットーにする
子どもが検査中にケガをするような事故を起こしてしまっては本末転倒です。
子どもは、大人のように考えたり行動したりしてはくれません。
検査を行うかどうかの決断をしなければならないこともあります。
また、検査中は、常に誰かが傍にいるようにしているはずです。
2.子どものレントゲン検査では、被爆の低減は可能か
子どもは、大人よりも放射線に対する感受性が高いため、被爆の影響も大きくなります。
しかし、大人よりX線の量や放射の回数を少なくしても、診療に十分な画質を得られます。
そのため、被爆を抑え撮影することができます。
3.子どもの検査では、検査時間を短くする
子どもも、ある程度大きくなると、検査に協力しようとします。
しかし赤ちゃんなどは、いつ動いてしまうかわかりません。
注意していないと、思わぬ事故が起こります。
長時間の検査に耐えられない子どもも、多くいます。
そのため、医療の現場では、息を止める時間を短くする、検査室にいる時間を短くするなど、検査に関わっている時間を短くする工夫をしています。
子どもから目を離さず、状況に応じて臨機応変な対応が必要です。
気になることや疑問に思うことがある場合は、担当の医師に状況を説明して、しっかりと質問しましょう。
レントゲンは治療の一歩です!
レントゲン検査によって、さまざまな病気の発見をできるのですね。
確かに被爆の心配はありますが、医師の指示に従っていれば、身体に影響を及ぼすほどの回数も撮影することはありません。
被爆の心配よりも自分やお子さんなどの身体の悪い症状を見付けて、治療を早期に始めることが一番大切なことですよね!
レントゲン検査によって救われる命や怪我の早期回復に繋がるのではないでしょうか。