不安神経症は突然の動悸などが起こる不安発作が特徴です。
元々は突然起こる不安発作が主な症状になりますので、不安神経症は現在パニック障害と呼ばれていることもあるそうです。
精神的な悩みというのは、今も昔も、老若男女も例えプレッシャーに強そうな芸能人であってもあると思います。
不安神経症(パニック障害)の原因と症状をご紹介します。
芸能人でもなる不安神経症(パニック障害)とは?
健康な人が、何か衝撃的な出来事が起こったわけでもないのに突然胸がドキドキし、呼吸困難等に陥る症状を「パニック障害」と呼びます。
身の危険などが何もない状態なのに勝手に体が反応を起こしてしまい、死ぬかもしれないと思うほどの不安に襲われるのが特徴です。
以前は不安神経症や心臓神経症と一緒に扱われており「パニック障害」が認知されてきたのは最近のことですが、珍しい病気ではなく100人に1人はかかったことがあると言われ、公表している芸能人も多くいます。
誰もが持つ不安という感情に支配され日常生活にも支障が出る状態のことを「不安障害」と呼び、パニック障害もそのうちのひとつです。
●不安障害
「全般性不安障害」
漠然とした不安、日常的なことが過剰に不安になってしまう。
「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」
事故や暴力など実体験による心の傷が原因で神経過敏に陥ります。
「強迫性障害」
強迫観念にとらわれ、何度も同じことを確認したり何度も計算し直したりなどをやめられなくなります。
「恐怖症 」
(広場恐怖)パニック発作を避け、恥をかいたり逃げられない場所を恐れます。
(社会恐怖)人前に出ること恥をかくことを恐れます。
(特定の恐怖症)高所恐怖、閉所恐怖、先端恐怖など。
芸能人でもなる不安神経症(パニック障害)の症状①
不安神経症によるパニック発作は実際に命の危険はありませんが、このまま死ぬかも思う強い不安と様々な症状が突然起こり、それが繰り返しあらわれます。
芸能人にもこの発作に悩まされているという方がいます。
(発作の特徴)
・動悸、心拍数が増える
・息切れ、何か詰まったような息苦しさ
・胸の痛みや不快感、吐き気など
・体のどこかがしびれるような感覚
・発汗や震え、寒気を感じたり熱っぽくなる
・めまいやふらつき、意識が遠のくような感覚
・離人症状(現実かどうかわからない、自分が自分じゃないみたい)
・コントロールを失い気が狂ってしまいそうな恐怖やこのまま死んでしまうのではないかという恐怖
症状自体はいずれも10分程度でおさまることがほとんどです。
発作は、電車に乗っているときや車の運転中、緊張感がとけてホッとしたとき、会議中などに起こりやすいと言われています。
また、パニック発作を起こした経験のある場所にも注意が必要です。
緊張していたり、過労や寝不足、風邪などによる体調不良のときにも発作が起きやすくなるので自分の体調にも気を配らなくてはなりません。
芸能人でもなる不安神経症(パニック障害)の症状②
芸能人も悩まされているという不安神経症ですが、発作を起こす原因の一つに精神的な緊張が大きく影響しています。
夏の高温・多湿やカフェイン、アルコール、ニコチン、女性であれば生理なども精神的緊張を強くしてしまうので注意が必要です。
では、その症状についてご紹介します。
「予期不安」
発作が起こることに対する不安のことです。
何度も発作を繰り返すと、また発作が起きてしまうかもしれないという強い不安を常に抱くようになり、日常生活の大きな支障となってしまいます。
「広場恐怖」
発作が起こりやすい状況に対して感じる恐怖のことです。
以前に発作を起こした状況に恐怖を感じ、その状況を避けるようになってしまいます。
その行動を「回避行動」と呼び、それにより行動範囲が狭くなり、日常にも影響が出てしまいます。
「うつ病・うつ状態」
パニック障害に長い間苦しんでいると、同時にうつ病・うつ状態を引き起こしてしまう場合がよくあります。
これはパニック障害による様々な不調によって精神的な落ち込みが続いしまうということだけが原因ではありません。
実は、うつ病もパニック障害も同じように脳内セロトニンの働きの低下が影響している病気なのです。
芸能人でもなる不安神経症(パニック障害)の原因
芸能人など多くの人がなる不安神経症ですが、その原因はまだはっきりと分かっていないのです。
しかし、パニック障害では脳の3つの部分に通常とは違う変化があるということが分かり、決して気持ちの弱さなどが原因ではなく脳内にある神経系の異常が影響しているとの研究結果が出ています。
その脳の3つの各部位がそれぞれ様々な症状を引き起こしていると考えられています。
一つ目は大脳です。
思考や意思などの精神をつかさどる重要な場所です。
回避行動などはこの大脳のセロトニンの分泌異常によって起こるとされています。
二つ目は大脳辺縁系です。
本能をつかさどり不安や興奮を生む場所で、セロトニンを分泌しながらその調整を行っています。
パニック障害における漠然とした大きな不安の原因は、この部位のセロトニンの分泌異常が関係しているのではないかとされています。
三つ目は青斑核・視床下部です。
青斑核は危険を感じるとシグナルを出す脳内の警報装置のような役割をしています。
そして視床下部がそのサインをキャッチすることで血管や心臓、汗腺に反応が出ます。
この部位の誤作動こそが、パニック発作を引き起こすと考えられています。
芸能人でもなる不安神経症(パニック障害)の治療法と克服法
芸能人でもなるというパニック障害ですが、その治療は一体どのようなものがあるのでしょうか。
製薬会社と医学界との結びつきが強くなっている現在、一般的とされているのは薬物療法です。
主にベンゾジアゼピン誘導体系の抗不安薬が処方されることが多いのですが、最近ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と言う新しい抗うつ薬が併用されることもよくあります。
病院によっては漢方薬による治療を行っていることもあります。
しかし処方された薬を長年飲んでいても症状の改善が見られないと言う人も多いのが現実です。
これは現在の薬物療法が不安神経症の治療として合っていない部分があるのだと思います。
不安神経症の原因とは「死の恐怖」に対する「とらわれ」にあり、この「とらわれ」をなくしていくことこそが本来の治療法と言えるのです。
森田療法の考えにある目的本位やあるがままということに沿って行動していくことで、その「とらわれ」が少しでも無くなっていけば、それに伴って症状も改善していくことが可能なのです。
不安神経症の代表的な症状のひとつでもある不安発作は、不安にとらわれ「このまま死んでしまうかも」「大変」「どうしよう」などの考えによって、一層その不安を大きくしてしまうものなのです。
不安神経症(パニック障害)になりやすい人は?
「不安神経症」いわゆるパニック障害は珍しい病気ではなく、芸能人にも経験者が多くいると言われる誰でも成り得る病気です。
しかし、なりやすい人とそうでない人はいます。
それは性格による影響が大きいとされ、常に周りに気を使いながら不満やストレスなどを溜めこんでしまう人が「なりやすい人」と言われています。
一言でいえば、真面目な人はパニック障害になりやすいと言えます。
溜めこんだストレスが許容量を超えてしまうと、脳の機能に異常が起こるようになり、パニック障害につながっていくのです。
では、真面目な人とはどんな人のことを言うのでしょうか。
・責任感が強く完璧主義
・小さなことをいつまでも気にする
・物事を悪いほうにばかり考えてしまう
・心配性
・短気でせっかち
・喜怒哀楽が激しい
などがありますが、性格を変えることは簡単ではありません。
ただ、自分でこの性格を把握して頑張りすぎないことを意識し、適度に手を抜くということを心がけることは大切です。
頑張りすぎによる残業や徹夜などで生活が乱れてしまうことは避け、規則正しい生活とバランスの良い食事で健康な体と心を作っていきましょう。
不安神経症(パニック障害)を克服して普通の日常生活を送れる為に
不安神経症(パニック障害)発症率は現在、2、3%と言われています。
多くの人達は乗り物に乗れないことからはじまり、うつ病へと移行していくこともあるそうです。
多くの人目にさらされる芸能人でも不安神経症(パニック障害)になって、それを克服された方が沢山いますね。
不安神経症(パニック障害)を克服して普通の日常生活を送れる為にも頑張り過ぎずに頑張りましょう!