中耳炎になったことありますか?中耳炎になると耳の中が痛くなったり、耳だれを起こしたりします。特に子供は大人よりも中耳炎になりやすいです。病院では、痛み止めとしてカロナールという薬を処方することが多いです。カロナールで痛みを抑えて、あとは自然治癒を待つのが普通ですが、実際のところどうなのでしょうか?今回は中耳炎について、様々な視点からまとめてみたいと思います。
中耳炎にはカロナール鎮痛薬
中耳炎は、特に子どもに多く発症する病気です。
主な症状は耳の痛みや耳だれなどで、悪化すると発熱を伴うこともあります。
中耳炎の治療では、症状に応じて抗生剤や鎮痛薬などが用いられます。最近では抗生剤の使用を最小限に抑え、経過をみながら自然に回復を待つケースも多いです。
症状が強い場合には、鼓膜を切開して膿を出す治療が行われることもありますが、ほとんどのケースでは自然に治ることが多い病気です。
中耳炎の痛みを和らげる目的で広く使用されているのが、カロナールという鎮痛薬です。カロナールにはアセトアミノフェンという成分が配合され、痛み物質の発生を抑えることで鎮痛効果を発揮します。
カロナールには炎症を抑える効果はほとんどない、という特徴があります。しかしながら、適用できる病気が多く、医療機関で頻繁に使用されている薬と言えます。過量服用すると重篤な副作用を起こすことがあり、使用には一定の注意が必要です。
実際中耳炎にはカロナール鎮痛薬は効くの?
カロナール200は、1錠にアセトアミノフェンという成分を200mg含んだ錠剤の解熱鎮痛剤で、「熱を下げて痛みを和らげる」効果があります。
風邪などの熱を下げ、頭痛、腰痛、歯痛、生理痛など幅広い痛みに効果を発揮します。
服用するだけで症状が和らぐため、安易に摂取しがちですが、アセトアミノフェンを多量に摂ると、肝機能障害を起こす可能性があります。
同じアセトアミノフェン錠でも製薬会社によって商品名が違い、市販の風邪薬にもこの成分が含まれている場合もあり、他の薬を服用する場合は同じアセトアミノフェン成分が含まれていないか、注意深く確認することが必要です。
また、まれではありますが副作用で発疹や嘔吐などが出現することがあります。
飲酒することで副作用が出現しやすくなるといわれ、しっかり特性を理解して服用することが大切です。
耳が痛い場合、その原因には外耳道炎と急性中耳炎が最も多いそうです。外耳炎は耳掃除のしすぎや、ごみなどが刺激となって起こり、中耳炎は子どもが風邪をひいた際に発症することが多いです。
中耳炎は、中耳に細菌感染が生じ、膿がたまって激しい痛みと発熱を引き起こすため、痛くて眠れないことも多いようです。
もちろん病院で診察をうけたほうが良いですが、休日や夜間に痛みが出現し、とりあえず朝までしのぎたい場合、カロナール200を服用すれば痛みを和らげることができます。
ただし、痛みの原因を根本から治療するために、休み明け病院があいたら必ず医師の診察を受けて下さい。
カロナール鎮痛薬の副作用には気をつけて
アナフィラキシーショックという言葉を聞いたことはありますか?
アナフィラキシーとは、「体内に異物が侵入した際、体を守るための防御(免疫)反応」だといわれています。
防御反応として、かゆみやくしゃみ、炎症や喘息などの症状が起き、なかでも急性でかつ全身に起こる反応を「アナフィラキシーショック」と呼びます。
カロナール200に含まれるアセトアミノフェンに防御反応を示す人もおり、息苦しさ、全身の発赤やじんましんの出現が報告されています。
重度の場合、呼吸困難や意識障害に至り、生命を脅かす危険な状態になることもあります。
疑わしい症状があれば、すぐに医師の診察を受けることが大切です。
また症状がひどく危険を感じたら、迷わず救急車を呼びましょう。
過敏症は「化学物質過敏症」とも呼ばれ、ある特定の化学物質(ここではアセトアミノフェン)に対して体が過敏に反応してしまうことをいいます。
多量に服用したときだけではなく、少量を長期間服用した場合に発症するケースもあり、大人になってから発症することも多いようです。
カロナール200では、発疹の出現頻度が高いですが、目・鼻・喉の渇き、めまい、疲れ目、かぜの諸症状、不眠、嘔吐、下痢、動悸、手足の冷え、疲れやすい、生理不順、などひとによってさまざまな症状が出現します。
軽度で済むこともありますが、過敏症は一度起こすと、次の服用時にも同じ症状が出続ける恐れがあり、製薬会社による添付文書でも、過敏症の既往歴のある方の服用は禁忌とされています。
中耳炎は薬を使わなくても治せる?
症状が軽い中耳炎では、抗生物質や手術なしでも治る可能性があります。
・急性中耳炎
主に風邪のウイルスや細菌による感染を原因に発症する中耳炎です。耳痛や耳だれ、発熱が主な症状です。免疫力の低い乳幼児がかかりやすく、大人が発症すると治りにくいといわれています。
症状が軽い場合では、熱や耳痛などのピークが過ぎると自然治癒するケースもあります。自然に治るのを待つ場合、痛みに対して鎮痛剤が使用されます。
・滲出性中耳炎
耳の奥にサラサラの体液「滲出液(しんしゅつえき)」がたまり、耳の聞こえにくい状態が続く中耳炎で、特徴として痛みをほとんど伴いません。
7~10歳までの子ども、炎症が軽い場合では、ほとんどが自然治癒します。しかし、耳の聞こえにくい状態が3ヵ月以上続く場合は、病院で治療を受けるようにしましょう。
・航空性中耳炎
飛行機に乗った時など、気圧の変化で耳管の働きが対応できずに起こる中耳炎です。
症状は、耳のつまり、耳痛などです。通常、着陸すると自然に症状が改善しますが、風邪症状や免疫力の低下がある人では、耳のつまり、頭痛、耳痛が続くことがあります。
自然治癒の注意点
中耳炎の完治には1~3ヵ月ほどかかるといわれています。中耳炎を治すためには、身体を健やかに整えることが大切で、栄養バランスのよい食事の摂取、十分な睡眠、ストレスをとり除き、身体の免疫力を高めましょう。
耳が痛くなったらとりあえず対処法を実践
耳の痛みを緩和する方法は以下の通りです。
・寝た状態をやめる
寝ている場合は体を起こし、座ったまたは立った状態をつくります。そうすることで鼻腔から喉の上にある粘膜「鼻咽頭粘膜」の血管がわずかに収縮し、耳管機能の改善が期待できるといわれています。
・解熱鎮痛剤を服用する
痛みの緩和に効果がある解熱鎮痛薬を服用します。解熱鎮痛薬はドラックストアなど市販でも購入でき、例えば「アンヒバ」、「アルピニー」、「カロナール」、「ピリナジン」、「アセトアミノフェン」などの熱冷まし、痛み止めを選びましょう。
・冷たいタオルで冷やす
患部や耳の裏、首のリンパの辺りにタオルを当てて冷やします。また、冷水を少しずつ飲むのも効果的といわれています。お風呂や運動など体の血行を促すようなことは避けましょう。
・涼しい場所へ移動する
暑いと痛みを感じやすいため、涼しい環境をつくりましょう。エアコンや扇風機を使って室温を涼しくしたり、窓を開けたり、ベランダに出て風にあたるなど、からだを涼めるとよいでしょう。
中耳炎は予防していきましょう
中耳炎の予防法はずばり「風邪をひかないこと」です。
その他に効果があること、耳鼻科で教わった予防法をお伝えします。
○鼻の中をきれいにする
風邪の時にでる黄色や緑の鼻水には中耳炎の起因菌が混ざっています。なるべく鼻水をすすらずこまめに鼻をかみましょう。
鼻をかめない乳幼児では鼻水吸引器を使います。ただし、口で吸うタイプの吸引器を使うと自分にも感染するので避けましょう。電動鼻水吸引器がオススメです。
○授乳時は必ず抱っこして
頭をおこす仰向けや添い寝しながらの授乳は避けましょう。ミルクや母乳が耳へ流れ「ミルク性中耳炎」になる場合があります。
○耳掃除はしすぎない
耳掃除をしすぎると粘膜が傷つき、細菌が入りやすくなります。
○パパもママもタバコはダメ!
タバコの煙による刺激は中耳炎の原因のひとつです。
○規則正しい生活と食事
抵抗力をつけるには、栄養や規則正しい生活リズムが大切です。水にも気をつけ、乳幼児に致命的な成分である硝酸態窒素を含む水道水は使わず、放射能汚染の心配がなく、汚染化学物質を含まない水がオススメです。
中耳炎の痛みが辛いときだけ薬を服用しましょう
カロナールのような鎮痛薬は色々な痛みに有効なので、何かと使ってしまいやすいですが、頼り過ぎてしまっても抵抗力が落ちてしまったり、副作用が出たりすることを考えると使うのもためらってしまいますよね。実際、中耳炎は、場合によっては手術になりますが、ほとんどは自然治癒任せです。お医者さんがやっているのであれば、すぐ診てもらいましょう。お休みの場合は、先ほど紹介した対処法で2,3日様子を見ても良いのではないでしょうか。少しでも参考になればと思います。