それほど太っていないのに、お腹がポッコリと出てしまっていることを気にしている女性は多いでしょう。
例えばダイエットをして体重を減らしても、なぜかお腹が出てベルトの上からはみ出すようなことはありませんか?
これでは体は軽くなっても、見た目で心が重くなってしまいます。
ここでは、この気になる問題を姿勢とお腹周りを鍛える体幹トレーニングで解決しようと、簡単な方法を紹介します。
女性のポッコリお腹と体幹トレーニング
体幹トレーニングは、トレーニングやダイエットに興味がある人にとって今や当たり前となっています。
トレーニング方法は、最近注目されるようになった様に感じますが、かなり昔からありました。
日本や中国の伝統芸能や鍛練法、ヨーロッパの古くからあるタンゴやロシア伝統のダンスをはじめ、洋の東西を問わず体幹を駆使しなければできないものが多くあります。
これは近代化する以前の生活は厳しく、重労働や機械を使わない手作業が多いため、体全体を使わなければ成り立たないことによるからでしょう。
現代では日常生活で昔のように体を使うことはありませんが、スポーツの世界では手先足先の動きだけではより良いパフォーマンスは望めません。
そこで試行錯誤の結果、注目されたのが体幹トレーニングです。
スポーツジムでも女性に人気のあるヨガやピラティスは、体幹トレーニングの要素が入っています。
ここでは多くの女性が、肉体改造は元より代謝の促進によるダイエット効果やストレス発散に努力しています。
ヨガやピラティスは、寝るだけの簡単な動きのものから、高度なバランスや柔軟性を必要とする動作もあります。
これらを自宅で行うこともできますが、講師からフィードバックがないと体を痛めてしまうこともあるので注意が必要です。
そこで体幹トレーニングでは定番となっている腹部に着目し、女性が気になるポッコリお腹の改善をモチベーションとした簡単な方法を解説します。
女性のできる腸腰筋の体幹トレーニング
体幹トレーニングに興味を持つ方ならば、腸腰筋の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかしどのような筋肉なのかは、一度解剖図を見ないとイメージが湧きません。
イメージができても、どのような動きをするのかまで理解しにくいのが、この筋肉の特徴です。
腸腰筋は胃の裏辺りの背骨の両側の内臓側から始まる大小腰筋(小腰筋は人によってはありません)と、骨盤の内側から始まる腸骨筋が一緒に股関節までついている筋肉です。
この場所から太ももを上げる作用と、骨盤を立てて腰を入れるような働きがあります。
もし腸腰筋が上手く働かないと、姿勢が崩れて腰が丸くなるような姿勢になりやすくなります。
この姿勢では腹筋が緩み、お腹がポッコリと出てしまい、腰が伸びないので立ってもそのままになりやすいです。
おそらく、座り仕事が多い女性の中には、良く見かけるのではないでしょうか。
解決法としては体幹トレーニングによって腸腰筋を動かし、骨盤を立てて背中とお腹の筋肉が再び活性化させることです。
そうすれば簡単に腰にクビレができ、お腹が引っ込みやすくなるのです。
ここで紹介する腸腰筋の体幹トレーニングは、筋肉を付けるトレーニングではなく、機能的に動くようにすることを目的としています。
この方法は、女性でも簡単にできて時間も掛からないものです。
暇があればトレーニングすることで、思ったより短期間で効果が感じことができるでしょう。
実践!腸腰筋の簡単トレーニング
腸腰筋のトレーニングでは、バーベルなどの道具を使用したトレーニングと道具を使用しないトレーニングがあります。
バーベルを使用したトレーニングとして、持ち上げながら鍛えるデッドリフトとバーベルを担いで足を前に出しながらしゃがむランジがあります。
この2つは道具を使用するのと、持ち上げる重量によっては体幹トレーニング未経験の女性には向きません。
そこで道具を使用しない寝た状態で足を上げるだけのレッグライジングという、簡単な方法を解説します。
①始めに仰向けに寝た状態に寝てください。
②ここから両足を同時に揃えて、約3秒で膝を曲げないで両足を天井に向かって上げていきます。
③最大股関節90度として無理なく上げ、そこから今度は約3秒で床に下ろしましょう。
④ ②③を連続して10回行うのを1~3セット行います。
もしこのトレーニングが苦しければ、①の時に膝を90度に立て、その状態で膝の角度を変えず②③を行うと楽にできるでしょう。
誰でも簡単!臀筋の体幹トレーニング
解説した腸腰筋の体幹トレーニングは、その働きからクビレを作れる体にします。
このトレーニングでも効果が期待できますが、女性にとってあまり強くない腹筋の体幹トレーニングを加えることでよりポッコリお腹の改善ができるでしょう。
お腹の筋肉には、鍛えると腹が割れる腹直筋と体を捻る外腹斜筋、内腹斜筋があります。この3つの筋肉を鍛えるのも良いですが、どれもお腹を凹ます働きは弱いです。
お腹を凹ます筋肉は他にあり、それは3つの代表的筋肉より奥にある腹横筋という筋肉です。
この腹横筋は、表面から触れないので、初めて知る方も多いのではないでしょうか。
そこで簡単にイメージすると、腰痛になった時にするコルセットが参考になります。
コルセットは、腰周りを安定させ腹部を締め、腹横筋と同じよう働きをするからです。
腹横筋を鍛えると、ポッコリお腹を改善するだけではなく、コルセットのように腰が安定して動きやすくなります。
体幹トレーニングで腹横筋をトレーニングするには、ヨガのパフォーマンスで見られる座った姿勢で極端にお腹を凹ませるような方法があります。
しかしこの方法ではかなりの訓練が必要なので一般的でなく、その簡易版のような呼吸を利用したドローイン・ドローアウトというトレーニングのほうが行いやすいのでオススメです。
ここではドローイン・ドローアウトよりさらに簡単にする方法があり、今回はこちらの方を紹介します。
やってみよう!腹横筋の体幹トレーニング
ドローイン・ドローアウトでの腹横筋のトレーニングは、立つか座った状態で行うのが一般的です。
この方法でも十分な効果を期待できますが、エクササイズ中に姿勢が崩れやすいことが注意点です。
女性にとってもドローイン・ドローアウトのようにお腹を凹ます体幹トレーニングは、筋力不足で上手にできないこともあります。
そこでこの欠点を補って簡単にトレーニングを行うことができる、うつ伏せで行う方法を解説します。
①まず骨盤の前(お腹の下の部分)と胸下の肋骨を床につけてうつ伏せになります。
②そこから肘を肩の高さまで持ち上げ90度曲げ、手のひらを床につけて頭を楽な方に向けます。
(低い枕かクッションを使用すると快適です)
③この姿勢でゆっくり3秒ほど息吸いながらお腹を凹ませましょう。
④無理せずお腹を凹ませる限界まできたら、ゆっくり3秒かけて息を吐きながら力を抜いてください。
⑤ ③④をできる範囲で、3~10回位行います。
この方法では、床に骨盤と肋骨の部分がついているので、大きく姿勢が崩れず的確に腹横筋に力が入ります。
より効果を確認したい方は、上げていた手をお腹と床に挟みます。
息を吸った時に手の圧迫が無く、隙間ができるなら上手にできている指標になります。
注意が必要な女性の病気
体幹トレーニングをするに当たり、押さえて置きたい女性の病気があります。
特に注意が必要なのは、若い人に多い内膜症や中年以降に多い筋腫です。
内膜症は、本来子宮の内側に覆っている膜が、そことは違う場所にできてしまう病気です。
症状として月経の時に激しい腹痛や腰痛の他、頭痛やむくみやのぼせ感があったり、トイレに行った時の痛みなど様々です。
また筋腫は子宮の筋肉にできる良性の腫瘍でガンとは違いますが、大きくなるとお腹にシコリを感じたり痛みが出る場合もあります。
注意しなければならないのは、筋腫のできる場所により出血があることです。
女性が体幹トレーニングをするきっかけとして、腰痛の改善やぽっこりお腹の改善にある方が多いので、筋腫の症状が軽い場合には無理をしてしまう可能性があります。
紹介した簡単な方法でトレーニングした時に、腹部に痛みや違和感が出るのなら病院で検査することも考えましょう。
シンプルに体幹トレーニング
体幹トレーニングはその重要さから、様々な方法が紹介されています。
しかしながら詳しく理解しようとすればする程、難易度が高く強い筋力やバランス感覚が必要なものも多くあります。
今回は女性が取り組むことを前提に、気軽にできて効果的な方法を解説しました。
ここで紹介した方法は、どれも簡単に始められますので、結果を焦らず取り組んでみてください。