脊柱側弯症は、名前の通り背骨が横に歪んでしまう病気です。
学童期や思春期の女児に多い病気です。
あまり聞きなれない病名ですが、脊柱側弯症は手術をすることで正常に戻すことが出来るようです。
しかし、手術をすると傷跡が痒かったり残ってしまったり・・
女性は気にしてしまいますよね。
手術後の傷跡を残さない、または目立たないようにするためにはどのようにすればいいのでしょうか。
脊柱側弯症はどのような症状があるのか
脊柱側彎症は、腰部や背部痛、呼吸機能障害、神経障害、心理ストレスの原因となることがあります。
脊柱側弯症の人は、子供のときは痛みよりも疲れやすく、じっと座っているなどの動作が変形部位へのストレスになります。
そして、落ち着きがないなどの症状が明るみになります。
大人になるにつれて、腰痛や背部痛などの体の痛みを感じることが多くなります。
変形がひどくなると、肋骨と背骨で囲まれた肺が収まっている部分の動きが制限されるので、呼吸機能や心臓などの循環機能が低下してしまいます。
脊柱側彎症の人に神経障害が起こることはめったにありませんが、たまに腰痛などの初期症状の後に、脊柱のねじれなどの変形が原因で足のしびれや痛み、筋力低下などが生じることがあります。
脊柱側弯症は、思春期によく見られます。
その時期に変形を指摘されたり、固い装具をつける治療をする場合は、精神的に強いストレスを感じることがあります。
また変形が中等度以上なら美容的な要素も問題となるので、その点からも精神的な問題が起こります。
手術をした傷跡などもその一つです。
なので患者の周りの理解が重要になります。
また、心理的ストレスのサポートも大切です。
脊柱側弯症の治療
脊柱側弯症は側弯の度合いが25度に満たないなら、進行するかわからないので6ヶ月ごとに専門医の診察を受けることが必要です。
何も治療をしないので通院をやめがちですが、側弯症のタイプを見極めたり、治療が必要なのか判断するのに大切なことなので、通院を続けるようにしましょう。
将来手術をして傷跡を残さないためにも、医師の指示に従いましょう。
脊柱側弯症のケアには、腹筋や背筋の筋力を強くして負担や変形を少なくし、背骨の可動性を保ったり広げることが必要になります。
前屈や側方方向への体の柔軟体操、腹筋・背筋運動、座った状態から、骨盤を引き上げる運動などが効果的です。
側弯の度合いが軽度や中等度なら、側弯を進行させないために、装具を装着することがあります。
固いプラスティックのようなコルセットで、入浴時間以外は常に装着するものになります。
装具療法は、側弯を進行させないことが目的なので、湾曲した背骨をまっすぐには戻せません。
成長期に側弯がひどくなって後遺症を残さないように、また手術療法に至らないようにすることが目的です。
たまに、手術前の待機期間に装具療法を使うこともあります。
脊柱側弯症を根本的に改善する方法は手術?費用は?
脊柱側弯症を治療するのは、手術療法のみになります。
手術は、背骨の後ろから行うものと前方から行うものになります。
前方からなら、肋骨を切ったりして内臓の奥にある背骨の手術をするので、様々な弊害が生じることもあります。
手術はスクリューなどで脊椎を固定したり、ロッドを脊椎にくっつけて脊椎を固定したりします。
神経障害などの症状や美容的な要素を考えて決めます。
矯正する上下の関節や神経などにもストレスがかかるので、慎重に行われます。
手術で傷跡が残ることがあるかもしれません。
手術は、整形外科や小児整形外科で行います。
異常を見つけた場合は、側弯症のスペシャリストが載っている日本側弯症学会のホームページをチェックしましょう。
それから、「高額医療制度」があるのですが、これはどれだけ医療費がかかっても上限が定められるものです。
自己負担額は年齢や所得で変わりますが、一般的には20万円以下です。
脊柱側弯症・突発性側弯症などの手術は急がなくても生命に影響するものではありません。
この高額医療制度は、医療費が高額になるのが分かっているなら、手術前に申請をすることができます。
申請して認可が下りれば立て替えしなくて大丈夫です。
立て替えると100万円では足らないので、高額医療費制度を使いたい場合は早めに申請しましょう。
手術の傷跡がかゆいときは
側弯症の手術の傷跡は、かゆみが強くなることがあります。
特に傷跡が腹部にあるなら、ウエストの締め付けや衣類の重なりで湿気がたまりやすくかゆみが出ます。
通気性の良い服で、かゆみを抑えましょう。
また、触るとかゆみが増すので、むやみに触らないようにしてくださいね。
手術の傷跡にミミズ腫れができたら、肥厚性瘢痕かもしれません。
肥厚性瘢痕は傷跡を治そうとする線維組織が過剰に生産されて、傷跡の上に盛り上がるようになるものです。
肥厚性瘢痕に病気の危険はないのですが、強いかゆみを感じることがあります。
肥厚性瘢痕は、手術の傷跡が治るのと一緒に徐々に消えていくので安心してください。
かゆみも自然になくなります。
肥厚性瘢痕かどうかを判断するには、次の症状を確認してください。
赤みのある光沢のある皮膚が、盛り上がったように傷跡の上にある、傷跡の周りの皮膚に広がらない、ミミズ腫れの中間にくびれができる、などです。
気がついたら、放置しないで病院で診てもらうことが必要になります。
手術の傷跡が消えない原因はケロイド?
側弯症の手術の傷跡にできたミミズ腫れが数年経っても消えないのなら、ケロイドかもしれません。
肥厚性瘢痕とケロイドは似ているのですが、ケロイドには以下の特徴があります。
ミミズ腫れが半年経っても消えない、傷跡の周りの健康な皮膚にまで広がる、ミミズ腫れにかゆみがありつまむと痛い、などです。
ちなみにケロイドも、かゆみを生じます。
手術の傷跡がケロイド化したなら、残念ですが傷を完全に消すことはかなり厳しいでしょう。
ケロイドは遺伝や体質的な問題もあるので、ケロイド化した皮膚を切除したら、再発防止の放射線治療が必要です。
ただ、肥厚性瘢痕とケロイドは見た目や症状で見分けるのは難しいので、診断には数年かかることもあるのです。
経過をしっかりと観察することが必要になります。
手術の傷跡にかゆみが出るのは、傷を治そうと体が頑張っている証拠です。
掻きむしって傷や炎症を起こさないようにしてください。
ミミズ腫れのような症状が出れば、すぐに病院に行って診てもらってくださいね。
放置したら傷跡の治療が必要になることもあります。
手術の傷跡を目立たせなくするには対策が重要
側弯症の手術をした後は、傷口を刺激しないようにしましょう。
傷口を縫合したら、抜糸をしますが、抜糸をした後も傷口は変化し続けます。
抜糸直後は傷口が完全に塞がっていないので、傷口を塞ぐために細胞が活発に働いています。
このときに、患部を引っ張ったり、患部を乾燥させたり、患部が日焼けする、などの刺激が加わると、細胞の働きが過剰になるので傷跡が残りやすくなります。
患部を安静にすれば、手術跡を目立たなくできます。
手術後の患部を安静にすることは、手術跡を目立たなくする方法の一つですが、生活スタイルや傷の位置によっては難しいこともあります。
その場合は、患部をテーピングで守ることをおすすめします。
患部にテーピングすれば、以下の傷口の状態を守ることが可能です。
引っ張り、乾燥、日焼け、です。
引っ張りは傷口が広がったり、日焼けは色素沈着したりするので、これらを予防して手術跡を目立たなくしましょう。
テーピングは医療用の傷痕保護テープが良いでしょう。
病院の先生に聞いてみてくださいね。
脊柱側弯症の根本的に治せる病気
いかがでしたか?
脊柱側弯症の根本的な解決方法は手術のようですね。
脊柱側弯症と診断されて、悪化しないよう定期的な診察を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。
また、お紹介した症状がある方は、一度病院で検査してもらうのもいいかもしれませんね。