食後や睡眠時などに、胸やけ・胸の痛み・胸のつかえを感じる…
お医者さんに行ったら、胃のヘルニア(食道裂孔ヘルニア)と逆流性食道炎と言われて、何か対策がないかと思っている方。
そんなあなたに、カラダラボ独自の視点で、胃のヘルニア(食道裂孔ヘルニア)の原因と対策を紹介していきます。
胃のヘルニア(食道裂孔ヘルニア)とは
本来、胃は胸(胸腔)とお腹(腹腔)の間にある横隔膜の下にあります。
その横隔膜に、口から食べた物が胃に届くようにする道である食道が 通れるように穴が開いています。その穴が食道裂孔と呼ばれています。
この穴から、横隔膜の下(お腹側)にあるべきはずの胃が、胸側に出てしまった状態を胃のヘルニア(食道裂孔ヘルニア)といいます。
胃のヘルニアには種類があり、
・食道と胃のつなぎ目(噴門部)が胸側に出ている
・胃の一部が出ている(噴門部は正しい位置にある)
・噴門部と胃の一部が一緒に出ている
と、3つの種類があります。
20%くらいの方が胃のヘルニアでも、症状もほとんど出ないということがあるようですが、多くの方の場合は、逆流性食道炎も併発していて、げっぷ、胸やけ、逆流しそうな感じ、食べ物がつっかえるなどの嚥下(えんか)障害などの症状を感じます。
胃のヘルニアの原因は?
胃のヘルニアになる原因は様々ですが、先天的なものと加齢、肥満や妊娠などにより、お腹の圧力(腹圧)が高まり、出てしまうことがあるようです。
また、喘息や慢性気管支炎などの症状がある方も同様に、腹圧が高まり、ヘルニアになりやすくなります。
先天的なものとは、生まれつき食道裂孔そのものが緩かったり、締め付ける力が弱かったりする方のことです。こちらは特例のような感じです。
加齢の場合ですと、正しい姿勢を維持することが困難になり、背中が丸まってきてしまいます。
その影響で横隔膜や食道裂孔の力が弱まり、ヘルニアになりやすくなってしまいます。
その他にも、酒・たばこ・コーヒー・チョコレート・油ものなどの嗜好品を摂ったり、
良く噛まないで飲み込んだり、食後すぐに寝転んでしまう方も注意が必要です。
胃に過度な負担がかかってしまっているので、胃のヘルニアや逆流性食道炎を引き起こす可能性があります。
胃のヘルニアの原因が生活習慣からの方
生活習慣としましたが、ここでは肥満・喘息・慢性気管支炎が原因の方ということで掘り下げていきたいと思います。
まず肥満の方ですが、肥満になってしまう原因が食事によることがほとんどです。
良く噛まなかったり、嗜好品であるチョコレートやアイスなどの甘いものやお菓子、油ものなど、添加物や消化に悪いものを摂ることが多くなります。
その結果、胃に負担がかかったり、無駄に栄養を摂ってしまい、内臓脂肪がついて、腹圧が高まります。
喘息・慢性気管支炎の方は、せきが出ることで腹圧が急激に高まり、その際に胃のヘルニアになってしまう可能性があります。
せきの出る方は、肋骨の筋肉が硬くなっていることが多く、背中を伸ばしたり、胸を張ることが億劫になります。そのため、姿勢が崩れやすくなります。
姿勢が崩れてくると内臓に負担がかかります。内臓なので、もちろん胃にも負担がかかりますので、ヘルニアになる可能性は高くなります。
食事と姿勢。この2つを気をつけて、なるべく胃に負担をかけないようにしましょう。
胃のヘルニアの原因が加齢による方
加齢による胃のヘルニアですが、やはりこれも姿勢が悪くなり、内臓に負担がかかり、胃のヘルニアになる可能性が高くなります。
また、高齢になってくると、筋肉がおちてきてしまいます。腰を支えている筋肉である大腰筋も弱くなってきます。
この大腰筋が横隔膜と関わりが深く、前途では横隔膜が弱くなるとお伝えしましたが、横隔膜というより、大腰筋の弱まりが胃のヘルニアを引き起こす第一歩のように思います。
大腰筋が弱まると、姿勢が崩れやすくなります。姿勢が崩れるとねこ背になります。ねこ背になると呼吸が浅くなります。横隔膜は息を吸うときに使うので、呼吸が浅くなると、横隔膜をしっかり使うことが少なくなるので、横隔膜は弱くなりやすくなります。結果、胃が出やすくなってしまうのだと思います。
高齢になってくると、歩く機会も減ってくると思いますので、まずは歩いていただきたいと思います。
歩くことが大腰筋を弱くしない一番の運動です。
胃のヘルニア対策として
対策としては、胃のヘルニアの原因が生活習慣からの方、胃のヘルニアの原因が加齢による方の項目で説明させて頂いたことが重要になると思います。
特に食事の面では気をつけて頂きたいと思います。
早食い、大食い、食べてすぐ寝るなどは、胃に過度なストレスが溜まります。
あなた自身にストレスが溜まった場合は、色々な発散方法があると思いますが、
胃に溜まったストレスを除くには、半日(12時間)くらい何も食べないか、ストレッチなどで刺激を与えるかです。
何か痛みが出るというのは、無理してでもあなたの体を正常に維持しようと頑張っていたところが
「もう耐えられない!なんとかしてくれ!」という合図です。
なんとなく胃の調子が悪かったり、げっぷがよく出ると思ったら、よく噛んだのか・食べたものは添加物の多いものだったのかなどを思い返してみましょう。
噛む回数を多くすればするほど、胃にかかる負担は減ってきます。
まずは、体の少しの変化に気付いてあげることが、胃のヘルニアに限らず、色々な症状を未然に防げるようになると思います。
横隔膜が弱くなるって何度も出たけど、横隔膜を鍛えるにはどうすれば良いの?と思うと思います。
色々な方法はありますが、まずは呼吸を全力で行なって頂くことが良いです。
方法を1つ紹介したいと思います。
どなたでも行なって頂いて大丈夫です。
①仰向けになります
②足は体育座りの形にしましょう
③両手でおヘソを囲うようにしましょう
(お腹が上下するのを感じましょう)
④まずは息を吐き切りましょう
⑤息を吐き切ったら、息を大きく吸ってきましょう
⑥④と⑤を3回くらい繰り返し行ないましょう
⑦慣れてきたら、息を吐くときは、お腹がぷるぷるするくらいまで吐きましょう。
息を吸うときは、限界まで息を吐いているので、自然と空気が入ってきます
⑧⑥の数も合わせて、全部で10回を目安に行なってみましょう。(秒数は個人差がありますが、7~10秒を目安に行なってみて下さい。)
普段はそこまで意識しない呼吸ですが、意識して行なうだけで様々な効果が期待できます。
毎日継続出来るようにしてみましょう!
まとめ
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
食べてすぐ横になったり、脂っこいものを食べたあとは、消化に時間がかかっている気がします。
胃は常に働いている方が多いと思うので、すこし休ませてあげるためにも、一食抜いたりしてみましょう。
私自身、なんとなく調子が悪いときは、食事を見直し、余分な栄養を摂りすぎていると感じたときは、一食抜くと体調が良くなることがあります。
胃の症状は東洋医学では、梅雨と夏の終わりに起きやすいとされています。
この時期は、甘いものが特に欲しくなります。甘いものといえば、チョコレートやアイスなどですね。
しかし、これらは前述したように、胃に負担がかかりやすい食べ物ですので、季節の果物などから甘さを摂るようにしましょう。
健康を維持するには、季節に応じた旬の食材を摂ることと適度なストレッチ・運動をすることが肝要に思います。