「あっ!!」と足を滑らしてしまい、階段から滑り落ちてしまった。
滑り落ちる際に、腰を強打してしまい、背筋を伸ばすのが辛くて歩くのがやっとの状態。こんなときあなたはどのように対処しますか?
自然に治るだろうと放置してしまうのは、将来的に腰痛と付き合っていくことになってしまう可能性があります。
階段から滑り落ちときの対処法からその後の腰のケアまでをご紹介します。
参考程度にお読みくださいませ。
階段から滑り落ち、腰を強打したときは
高さのある所に移動するには便利な階段ですが、移動の手助けをしてくれる味方から一歩間違えると致命傷を負いかねない敵に変わってしまいます。
階段を利用していて足を滑らし、危ない!と思って頭を守れたのはいいけど、腰を強打してしまうことがあると思います。
そのときは、まず第一に深呼吸を行ないましょう。
足を滑らしたときは気が動転していて、冷静に体の状態を把握できなくなってしまっていることがあります。
冷静さを欠いていると判断力も鈍ってしまいます。誰か近くにいるときは手助けをしてもらえますが、1人のときはそうはいきません。
自分で歩けるのか、立てるのか、立つこともままならないのか、他に怪我はないかなどを分析して、救急車を呼ぶべきなのかを判断しなくてはなりません。
強打した直後というは、基本的に痛みが強く出ますので、その痛みと滑ったショックで冷静さを欠かないようにするためにも、副交感神経優位にする深呼吸を行ないましょう。
まずは落ち着くことを最優先しましょう。
階段から滑り落ち、腰を強打した後
深呼吸を行ない、気持ちを落ち着かせることが出来たら、痛みの度合いに関わらず、速やかに医療機関に行き受診しましょう。
あまりにも痛みが酷く動けないようでしたら、救急車や家族などに医療機関に連れて行ってもらうことが必要になります。
痛いところはとりあえず冷やすということを考える方もいらっしゃると思いますが、腰には、たくさんの筋肉の他に、経穴(いわゆるツボ)や臓器もあります。
東洋医学的に腰の位置は腎があり、そこを冷やすと体に良い影響を与えず、腰痛を引き起こすことがあるとされています。それだけナイーブな部位ですので、迂闊に冷やしてしまうと、打った痛み以外の痛みも出してしまう可能性があります。
また、お尻の筋肉である大殿(だいでん)筋は、体温が低い部位で、この大殿筋の熱が下がってしまうと、これもまた腰痛の原因になってしまいます。
冬場にくる腰の痛みは、腎と大殿筋の2つの影響からくるものが多いです。
セルフケアをする場合でも、まずは専門家に診てもらい、どのようなケアをしたら良いかを確認してからにしましょう。
腰を強打したときに考えられる症状
腰を強打したときに考えられる症状は、まず第一に打撲ですね。
どこかぶつけたときは、ほぼ間違いなく起きる症状です。打撲は熱を発して痛みを引き起こすので、腰でも打撲のみなら患部をアイシングしたいところです。
次に考えられるのが骨折です。
腰を強打したときに一番起こりやすい骨折が、腰椎横突起(ようついおうとっき)骨折です。
背骨は、首・胸・腰の各部位ごとで名称が変わり、首の位置は頸椎、胸の位置は胸椎、腰の位置は腰椎と呼ばれます。(腰椎以下にも仙骨や尾骨があります。)
背骨は一つ一つ形の違う椎骨(ついこつ)が約30個集まったものの総称で、腰椎には5つの椎骨があります。
肋骨の方から順に骨盤に向かって、L1、L2、L3、L4、L5と数えられます。
横突起の場所がどこかといいますと、ご自分の手を椎骨に見立てて頂くと分かりやすいと思います。
まず、手の甲を上でグーにして、親指・中指・小指を伸ばしましょう。
手の甲側がお腹側で「椎体(ついたい)」と呼ばれるものになり、指側が背中側で棘突起(きょくとっき)や横突起などがあり、伸ばした親指と小指が椎骨の「横突起」になります。
腰椎横突起骨折は、この親指側か小指側が折れてしまったということです。
この症状は、レントゲンではハッキリしないことが多いようなので、一度はCTで詳しく検査することをオススメします。
階段で腰を強打してからの腰のケア
腰を強打してからしばらく経ち、打撲などの影響はほとんど感じなくなったけど、腰の痛みがまだ引かない場合は、腰周りの筋肉が張っていたり硬くなっていたりと正常な状態では無くなっています。
腰を強打したときに、このような張りや硬さのある状態になってしまっていることが多くあります。
この状態でいると、腰の痛みがなかなか取れなかったり、その硬くなった部分に痛みが出てきてしまったりします。
この痛みを取るにはストレッチを行なうことが必要になります。
張りや硬さの出る部位は人それぞれになりますが、背中の筋肉・脊柱起立筋群、腰の筋肉・大腰筋や腰方形筋、お尻の筋肉・大殿筋や中殿筋などが出やすい部位です。
せっかくですので、部位ごとの簡単なストレッチをご紹介します。
背中と腰の筋肉のストレッチは同時に出来るので、1つのストレッチでご紹介します。
【背中と腰のストレッチ】
・うつ伏せになりましょう
・両足を「人」の字になるように開きましょう。両手はあごの下で、顔は前を向きます
・つま先を体の外側に向け、足首を曲げましょう
・足の内側を床に押し付けるようにしましょう
・3秒押し続けて、力を抜く。動作を10回繰り返しましょう
・上の動作が出来たら、上体を反るように起こしながら、肘は肩の下にくるようにしましょう
・上体を起こせたら、足は同じように床に押し付け、3秒キープで力を抜く動作を10回繰り返しましょう
お尻のストレッチは次の項目にも関わるので、次でご紹介します。
階段から滑り落ちないようにするには
階段から滑り落ちないようにするためには、脚の筋肉が正常に作用していることが大切になります。
正常に作用している状態というのは、筋肉に変な張りや硬さがなく、スムーズに重心移動が出来ているかということです。
例えば、お尻の筋肉がとても張っている方は、自分でも気付かないうちに、脚が正常なときより上がらなくなっており、動かしにくくなっています。
このような状態は、咄嗟のときに脚が出ずに滑り落ちたり、転びやすくなっています。
脚を動きやすい状態で維持するためにも、お尻の筋肉は柔らかく使いやすい状態にしていることが大切です。
では、お尻のストレッチを行なってみましょう。
【お尻のストレッチ】
・体育座りをしましょう。手は腰の後ろに着くようにしましょう
・右足首を左足の膝に近い方の太ももに乗せましょう
・そのまま左足を近づけられるだけ近づけてみましょう
・その状態で30秒キープしましょう
・キープしたら、反対の足もしましょう
※乗せている足首をしっかり曲げるようにしましょう
お尻の筋肉の他にも、前脛骨(ぜんけいこつ)筋という脛(すね)の筋肉が弱くなっていると、つま先が上げられずに躓きやすくなります。
ここの筋肉を鍛えるには、膝の角度が90度以上になる椅子などに座り、つま先を軽く浮かせて、左右交互にさらにつま先を上げるようにすると鍛えられます。
弱いところは使って鍛えなおし、硬いところは使えるように柔らかさを出してあげるようにしましょう。
階段から滑り落ち、腰を強打したときの対処法から改善まで まとめ
日常生活には危険が潜んでいます。
体の状態が良くないと、その危険度は増すように思います。
日頃からストレッチやトレーニング、運動などで体を動かし、使いやすい状態を維持しましょう。
腰は漢字にもある通り「要(かなめ)」となる部分です。
腰が痛くなると何も出来なくなるので、気を付けて生活してくださいませ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。