骨折の手術後の痛みがひかない!どうしたら痛みが治まるの?

最終更新日:2023/11/28

骨折の手術からリハビリも終えて、ようやく普通の生活に戻れると思っていたら、痛みが出てしまい、思うように動けない方もいるのではないでしょうか。

痛みを出している原因として、前後左右・内外の筋肉のバランスが崩れている可能性があります。
リハビリをしっかり出来たかということも大切です。

今回は体の部位別に、原因とどうケアすれば良いかを紹介します。

ご自分の体の状態と照らし合わせながらお読みください。

骨折の手術後の痛み。鎖骨

鎖骨骨折は、骨折した人の10~15%がなる骨折で、発生頻度が高くなっています。
転んだ時に手をつき、ついた衝撃が鎖骨にきて骨折してしまいます。
また、肩がぶつかった衝撃で鎖骨が骨折することもあります。

骨折の程度にもよりますが、鎖骨骨折は、2~3週間で骨折の痛みがとれます。そして、1ヵ月過ぎると腕を90度以上上げることが出来るようになります。

鎖骨骨折して痛みが長引いている場合、首の筋肉である斜角筋(しゃかくきん)や胸の
筋肉である大胸筋(だいきょうきん)、小胸筋(しょうきょうきん)などが硬くなっている可能性があります。

これらの筋肉が硬くなっていると、鎖骨周りの締め付けが強くなり、腕を上げる途中に痛みが出たり、骨折した方の肩が前に出ていたりします。

【ケアの仕方】

胸を開いて首を動かすようにします。

・両手を腰の辺りで組みます
 ※背中側で肘を伸ばしたまま、手のひらを合わせた状態にしましょう

・手のひらがくっ付いたまま、肘を伸ばしたまま右側に動かしましょう
 ※無理のない範囲で行ないましょう

・左斜め上を見るように、顔を動かしましょう

・2~3秒キープしたら、反対側も同様に行ないましょう

回数は10回を目安に行ないましょう。
キープしているときに、息を吐くとなお良いです。

骨折の手術後の痛み。上腕・前腕

【上腕】
上腕の骨折は、3つに分かれます。体幹(肩)に近い近位部、中間の骨幹部、肘に近い遠位部です。

近位部は、骨粗しょう症を伴う高齢者が転んだときに多い骨折です。その他の方ですと、高い所から落ちたときや交通事故などの強い衝撃を受けたときに骨折します。
痛みが長引いている場合、肩の筋肉や胸の筋肉が硬くなっている可能性があります。とくに肩の深いところの筋肉・インナーマッスルが硬くて動きにくくなっていることがあります。

骨幹部は、様々な要因で骨折することがあり、腕相撲や物を投げる動作でも骨折することがあります。
痛みが長引いている場合、胸・肩・腕の筋肉が硬くなっている可能性があります。
腕の筋肉は柔らかくなっているのに、腕を伸ばすときに痛みが出る場合は、肩や胸の筋肉の硬さに邪魔されて伸ばしづらくなっています。

遠位部は、主に肘の骨折になります。子供が転んだときに多い骨折です。
痛みが長引いている場合、肩・腕・前腕(肘から手首まで)の筋肉が硬くなっている可能性があります。骨折箇所によっては、小指側にしびれを引き起こすこともあります。

【前腕】
前腕には、親指側に橈骨(とうこつ)と小指側に尺骨(しゃっこつ)という骨があります。どちらかの骨折によって、手のひらを回したり、手首を動かすと痛みが出てきます。
前腕の筋肉はもちろん、肩・上腕・肘・手首の筋肉の硬さもとるようにしましょう。

骨折の手術後の痛み。腕のケア

上腕・前腕ともに、同じストレッチでケアをしてみましょう。

【ケアの仕方】

左右の腕を反対に回すようにします。
腕がどこまで上げられるかによって、角度が変わります。

《初級》
・腕を、気を付け!の状態から30~45度開いてきましょう
 手の甲が上を向き、腕は指先まで軽く伸ばしましょう

・指先まで伸ばしたまま、右手は親指が上を向くよう(手の甲側)に回し、左手は親指が 下を向くよう(手のひら)に回しましょう

・反対回しも行ないましょう

・10回ゆっくり一定のペースで行ないましょう

《中級》

やり方は《初級》と同じです。
腕の位置が変わります。斜め下にあった腕の位置を斜め上にもってきて行ないましょう。上の場合は、45度の位置で行ないましょう。
45度の位置で動くことで、正常な筋肉の動かし方を再教育することが出来ます。

《上級》

上級は、腕を真横にして行ないます。
真横にすることで、トレーニングにもなってきますので、少し難易度が上がります。

腕の回旋運動が入ることによって、インナーマッスルに刺激が入り、だんだんと筋肉が柔らかくなってきます。

骨折の手術後の痛み。骨盤

骨盤は、骨盤周りの筋肉を使いながら体重を支えることによって、骨盤の前後のバランスを保っています。
部分的な骨折なら、体重を支えることが出来ますが、複数箇所の骨折になると、体重を支えることが難しくなります。
骨盤の骨折は、治すときに正しい位置に戻らないと、その他の症状を引き起こすことがあります。

骨盤の痛みが長引いている場合は、様々な筋肉が関係してきます。
骨折した箇所により、個別の筋肉に対するアプローチは変わってきますので、ここでは大まかに骨盤周りの筋肉に刺激が入るストレッチをご紹介します。

【ケアの仕方】

・座った状態で、開脚をしましょう

・両方のつま先を天井に向けます

・右手で右のつま先、左手で左のつま先を触りましょう
 つま先まで届かない方は、膝が曲がっても大丈夫です

・右のつま先を外側(小指側)に、左のつま先を内側(親指側)に回しましょう
※回すときは股関節から回すようにしましょう

・2~3秒キープしたら、反対に回しましょう

座って行なうのが辛い方は、立ったまま行ないましょう。

・つま先を30度くらい開き、足を揃えた状態から、横に1歩出します

・痛みのない方の膝を軽く曲げましょう

・お尻を後ろに引きながら、痛みのある方のつま先を天井に向けましょう
※足の裏全体を浮かし、かかとだけ付いている状態です

・痛みのある足の方に体を回し、股関節に体重がかかるようにします

・痛みのある足を、股関節から内側・外側と交互にゆっくり回しましょう

骨折の手術後の痛み。大腿骨

大腿骨・太ももの骨の骨折ですが、股関節部分の骨盤にはまっている丸い部分・近位部のみの骨折は、歩くことが出来ないくらいの痛みが出ます。症状もとても重いものになり、骨がくっ付かないケースがあるので、人工関節になることがあります。

大腿骨の中間・骨幹部の骨折は、交通事故や高い所から落ちたときになり、他の部位も骨折することがあります。

大腿骨遠位部は、骨幹部同様に、交通事故や高い所から落ちたときになります。また、膝に近いため、膝の靭帯や半月板も損傷することがあります。

痛みが長引いている場合は、骨盤の骨折同様、様々な筋肉が関わっていて、骨折の箇所によってアプローチの仕方が変わります。

【ケアの仕方】も骨盤の骨折で紹介したもの行ないましょう。
骨幹部・遠位部の骨折後の場合は、座った状態の方が良いです。

大腿骨骨折は、手術後のケアがとても大切になります。
しっかり歩けるようになるためにも、リハビリをめげずに頑張りましょう。

骨折の手術後の痛み。脛骨

脛骨の骨折は、交通事故や高い所から落ちたり、また、スポーツの場面でも多く起きます。

膝に近い方・近位部の骨折は、関節のかみ合わせが悪くなり、膝の靭帯損傷や半月板損傷を引き起こすことがあります。

骨幹部は、シンスプリントから疲労骨折しやすい場所です。また、交通事故など外からの強い力で骨折した場合は、開放骨折になることが多いです。

足首の辺りは、頻繁に骨折が起こることが多いです。足首の捻挫をしたときに、骨折することがあります。

痛みが長引いている場合、ふくらはぎや脛の筋肉、足首の靭帯が硬くなっている可能性があります。

【ケアの仕方】

頻繁に起こりやすい足首のケアです。

・体育座りのお尻が浮いている状態で、壁にもたれかかりましょう
※お尻から頭まで壁に付けます

・手で膝を包むようにして、そのまま10秒キープしましょう

・10秒キープしたら、右側に両膝を倒すようなイメージで、
 少し動かしましょう

・右側に動かしたら、左側にも動かしましょう

・左右交互に10回を目安に行ないましょう

《注意点》
膝を動かすときは、足の裏が床に着いたままで行ないます。
しゃがみきれない方は、しゃがめるところまでしゃがみ、
その位置で20秒キープを3回繰り返しましょう。

骨折の手術後の痛みがひかない!どうしたら痛みが治まるの?まとめ

骨折だけでも痛いのに、手術後でも痛みが出るのは辛いと思います。

メスが入ると、今までと体の使い方が変わってくることがあります。

体は良くなっていても、手術前の体の使い方をしていることにより、患部に痛みを出してしまうことがあります。
その時々の状態にあった体の使い方を覚えることが、痛みの出ない生活を送れるようになる第一歩だと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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