右半分だけ顔にしびれが現れた。要因と対処法まとめました。

最終更新日:2023/10/25

顔にしびれを感じたらまずは病院へ。右または左半分のしびれは神経や脊髄の異常、最悪命に関わる可能性も否定できません。顔だけでなく、首や肩、腕といったしびれは関連していることが良くあります。今回は顔のしびれを中心に原因と対処法をまとめました。

顔の右半分のしびれはストレス

ストレスはそのままにしておくといろいろな症状がでることはよく知られていることです。

ストレスがたまっているのに、本人が気づかず、ストレスの原因を除かない場合には、脳が悲鳴を上げて自律神経が異常をきたしさまざまな症状がでます。

その一つが顔の右半分のしびれです。後から述べます病気の検査をしても異常がない場合にはストレスを疑います。正式な名前としては心身型自律神経失調症あるいは抑うつ型自律神経失調症があります。

心身型自律神経失調症に関しては、感情や疲労からくるストレスを、ストレスとして感じないかあるいは何らかの事情でその原因を取り除けない場合に発症します。

心身型自律神経失調症に関しては、感情からくる場合には、自分と向き合う認知行動療法によって、軽減する場合があります。ほかのことに熱中することでその感情へのストレスを減らすことによって症状を軽減させることができる場合があります。

抑うつ型自律神経失調症はストレスが抑うつ状態を招いているので、可能であればストレスの原因を取り除くことが必要です。また、抗うつ剤によって気分が晴れる場合がありますが、この場合には薬を飲んでから症状がでるまでは時間がかかります。睡眠がうまく取れていない場合には睡眠導入剤が効果を示す場合があります。

顔の右半分のしびれは更年期障害

更年期障害になるとホルモンの乱れによって顔の右半分にしびれを感じる場合があります。

更年期障害に顔の右半分のしびれは、ほかの病気がないことを確認する必要があります。
女性の場合には閉経期から時間が経てばホルモンの状態も安定することによって症状が消えていきます。

症状が我慢できないような場合には、この顔の右半分のしびれは更年期障害であることを理解して受け入れるという認知行動療法が有効です。

ただ、認知行動療法を更年期障害の治療に取り入れている場合が少ないので、お医者さんを探すことが必要になります。

ほかの症状もでている場合には女性ホルモンの投与などの更年期障害の薬物治療を行いますが、その治療により顔の右半分の痺れも消えていく場合もあります。

男性の場合には加齢あるいはほかの原因による男性ホルモンの低下による更年期障害がおこります。男性の更年期障害に対する治療法は男性ホルモンの注射が最も効果があるといわれています。

若い人の場合には積極的な治療が必要ですが、加齢による男性更年期障害の場合にはほかの病気が潜伏している可能性がありますので、注意が必要です。副作用としては脱毛症の発症などが知られています。

顔の右半分のしびれは顔面神経麻痺

顔面神経麻痺の場合には顔の片側にしびれがでます。この状態で治療することが必要です。

原因はストレスや不摂生な生活からおこる場合とヘルペスウイルスが原因になる場合があります。帯状疱疹や口唇ヘルペスに罹患したことがある人の場合にはストレスや不摂生な生活から免疫機能の低下により、ヘルペスが顔面神経に悪影響を与えていることから発症している場合があります。

顔の片側にしびれがでた後に放置しておくと、口や顔面に運動麻痺がでてきます。具体的には、無意識のうちによだれがでる、口のはし(口角)がさがる、目を開けることができない、目を閉じることができない、顔が引きつるなどです。

さらに進むと舌に症状が進み味が分からなくなってしまいます。

顔面神経は中枢神経の支配を受けた末梢神経が麻痺している状態です。末梢神経の麻痺の場合には、ステロイド剤の経口と抗ウイルス剤の併用が第一選択となります。

神経を修復するためにビタミンB12やビタミンEを摂取することがおすすめです。医薬品、サプリメント、食事からとることが必要です。

目を閉じることができなくなると、目が乾燥することによる目の病気の発症を予防する必要があります。一般的には人工涙液(医療用医薬品も薬局で買えるものもあります)を目を閉じることができるまで使用します。

末梢神経に問題がない場合にはほかの病気を疑います。

しびれは脳梗塞かも

左脳の血管が詰まった場合には、顔の右半分がしびれる場合があります。脳の血管が詰まったままですと(脳梗塞)、脳が壊死するので、命にかかわります。

脳梗塞の場合には顔の右半分がしびれるだけではなく、ろれつが回らない、右手や右脚に運動障害がでます。この場合には救急車を呼ぶ必要があります。

顔の右半分がしびれたけれども、1日ぐらいで治る場合があります。これは脳の血管が少しの間、詰まったけれどすぐに回復した一過性脳梗塞とよびます。この場合はその一過性脳梗塞が脳梗塞に進展する可能性があるので、定期的に検査を受けることをおすすめします。一過性に詰まった原因が血管が一時的に細くなっていて、けいれんを起こして血管が詰まった場合と脂質異常症などで血管が細くなって詰まりやすくなっている場合があります。

治療法は脳梗塞の場合には脳梗塞を起こしてから短時間で治療すると比較的予後はよくなります。脳梗塞が長期間続くと、血管の詰まりがなくなって再び血流が回復したときにフリーラジカルが発生して脳を傷つけることから脳に損傷がおこり、症状が回復するまでに時間がかかります。

一過性脳梗塞の原因が異常脂質症によって、血管が細くなっている場合には異常脂質症を直す必要があります。

一過性脳梗塞が血管の痙攣による場合には、特に治療は行いませんが、脳梗塞が再発する可能性が高いので、その場合に救急車を呼ぶ手順を確認しておくことをお勧めします。特に一人暮らしの場合には、緊急の連絡を取る方法を確保しておくことです。(電話ができない場合もあります)。

病院で異常がなかったら自分自身で対処しよう

病院で異常がなかった場合には、病院の診察科を替える必要があります。

ストレスが原因の場合は神経内科や精神科を訪ねてみましょう。

更年期障害の場合は女性の場合は婦人科、男性の場合は泌尿器科を訪ねてみましょう。

顔面神経麻痺、脳梗塞の場合には脳外科を訪ねてみましょう。

顔面神経麻痺では神経の通り道に歪みがでていることから、整形外科も受診する必要があります。

それでも問題がないといわれた場合には、受付嬢などで無理に笑顔を続けているうちに、顔面の筋肉の疲れによってしびれを感じる場合があります。この場合にはエステで治る場合があります。

肩こりや歯痛から右半分だけ顔にしびれがでる場合があります。マッサージや、ストレッチによって肩こりを軽くし、歯を治すことによって治ることがあります。

またストレス発散に努め、規則正しい生活を送ることによって、ストレス性、顔面神経麻痺による右半分だけ顔にしびれがでる場合にも治ることがあります。

顔の右半分のしびれは命にかかわる病気の可能性があります

顔の右半分にしびれが感じた場合、右半身にほかの症状がある場合にはすぐに救急車を呼びましょう。脳梗塞は早く治療すれば、命を落とすこともなく、後遺症も軽くなります。

その他の右半分のしびれで男性の更年期障害には注意が必要です。女性の更年期障害は閉経に伴い始まりますが、ホルモンが安定すると治ります。しかし、男性の場合には治療しないと治りません。血液検査で分かりますので、泌尿器科を訪ねて下さい。

どんな病気にも共通しますが、ストレスをためないことと、規則正しい生活は予防にも治療にもなります。毎日規則正しい生活を送ることは難しいかもしれませんが、自分に合ったストレス解消法を見つけることが重要です。

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