子供の腕が上がらない!肘の痛みを訴える場合の原因と対処

最終更新日:2023/10/08

子供の腕が急に上がらない!

腕の痛みを訴えている。

そんな時に考えられる原因をご存知ですか?

子供の腕が上がらない症状や、肘に痛みを訴える場合は、「小児肘内障(しょうにちゅうないしょう)」かもしれません!

小児肘内障って、聞き慣れないですよね。

でも、案外多く誰でも経験する可能性があるので、症状や対処法を頭に入れておくといいかもしれませんね!

それでは小児肘内障について紹介していきたいと思います。

子供の腕が上がらない!考えられる原因は?

子供の腕を引いた時、腕が上がらない、肘が曲がらないなどという症状があったり、強く引っ張っていないのにもかかわらず痛みを訴えてきたら、小児肘内障を疑って下さい。

小児肘内障とは簡単に言うと亜脱臼のことを指しています。

通常の脱臼と違い、関節が完全に外れるわけではありません。

しかし少しでもずれれば激しい痛みを感じ、動かしにくくなります。

身体の出来ていない子供、特に7歳くらいまでは骨がまだきちんと形作られていないので、些細なことからあっさりと外れてしまうのです。

手を繋いでいる時には、力を入れすぎないように気を付けて下さい。

小児肘内障になると、腕はだらりと垂れ下がったままで、肘を曲げられなくなります。

痛みは度合いによって、手首や肩にまで広がることがあるようです。

重症化すると上半身がまったく動かせなくなってしまいます。

そして厄介なのは、言葉を話し始めている年齢なら「痛い」と直接伝えてくれますが、赤ちゃんの場合は泣くことしか出来ないため、両親を始めとする周りの大人達が気付いてあげなければならないでしょう。

この訴えを見逃さないようにして下さい。

子供の腕が上がらない小児肘内障の原因とは

子供の腕が上がらない時は、小児肘内障になっている可能性があります。

骨と骨を繋ぐ関節が少しずれてしまう状態のことなのですが、何故こんなことが起こるのでしょうか。

5歳にも満たない子供は身体が発達途中なので、あちこちがまだ軟らかく、強く引っ張られた途端にその衝撃で骨の位置が変わり、関節のずれと激しい痛みを発するようになるのです。

7歳くらいになれば靱帯や骨が頑丈になっいてくるので、発症することは少なくなると言われています。

大体は転んだ子供を起こす時に引っ張り上げたり、交通事故から守ろうと咄嗟に手を引っ張った時などに起こりますが、寝ている最中に自分の肘を身体で押し潰したことが原因で、小児肘内障になってしまう子もいたりします。

幼い子供は身も心も未熟なので、ほんの小さな衝撃が加わっただけで何らかのトラブルに見舞われることが珍しくありません。

親と手を繋いでいる時や、友達と一緒に遊んでいる時、寝返りを打った時など、あらゆることが怪我に繋がります。

子供達は大きな怪我を負わないようにしながら加減を覚えていき、大人達はそんな子供達を時には支え、時には見守ることで、無用な怪我を防ぐことが出来るでしょう。

小児肘内障の症状とは

小児肘内障とは子供がなりやすい亜脱臼のことですが、これは腕が上がらないという点が大きな特徴です。

骨と靱帯がずれたため、腕を曲げ伸ばすことが出来ず、軽く触れただけでも激しい痛みを感じます。

腫れ上がることはないものの、腕はだらんと垂れ下がったままで、まともに動くことがありません。

腕に力を入れないで伸ばしていると痛みはないものの、意識してまっすぐ伸ばそうとしたり、曲げようとして力を込めると肘とその周辺が痛むようです。

骨折や打撲などとは違い、腫れや赤みを帯びることはないので、症状が軽いうちは気が付かないことも珍しくありません。

小児肘内障になる子供は、歩けるようになってから、小学2年生くらいまでの子供がなりやすいと言われています。

軟らかく未熟な関節が頑丈に形作られるタイミングがこの頃だからです。

そのため、幼い子供の手を強く引っ張ったり、捻ったりする行為は避けて下さい。

意識しなくても、咄嗟にやってしまうこともあるので気を付けましょう。

例えば子供と手を繋いでいる時、信号が変わりそうだからと走り出した際に手を引っ張ってしまい、弾みで小児肘内障になってしまうといったことも有り得るのです。

小学2年生辺りから、骨の形が大人と同じものになっていくので、小児肘内障になる確率は徐々に減っていくことでしょう。

子供の腕が上がらない、医者での治療方法は?

子供の腕が上がらないことに気が付いたら、小児肘内障という亜脱臼の一種を疑ってみましょう。

これは整形外科や整骨院などで治すことが出来ます。

具体的な方法は、片手で肘を支えた後、反対の手で骨が外れている方の肘を曲げてやり、手の平を上に向けさせます。

こうすれば再び動かすことが出来ますが、処置を受けた後でも痛みを感じているなら、やり方が間違っているということになります。

正しいやり方が行われ、肘が曲げられるようになっても痛い場合は、関節周辺の靱帯が傷付いているか、骨が折れている可能性があります。

手に強い衝撃を受けた心当たりがあるのなら、念のためにレントゲンなどの設備が備えられた整形外科を訪ねましょう。

自宅ではなく幼稚園や保育園など保護者の目の届かないところで怪我をした場合は、転んだだけなら先生も深く気に留めず、子供に事情を聞こうにも、小さい子供では状況を詳しく説明出来ません。

脱臼ならよくあることだと流さず、骨折や靱帯の損傷などの可能性も考慮して、適切な治療を受けられる施設へ向かいましょう。

小児肘内障はクセになる?後遺症は?

脱臼は一度でもなると、癖が付くと言われています。

これは子供が対象となる小児肘内障でも同様です。

治ったとしても、数日間は油断しないで下さい。

完治直後が最も再発しやすい頃なのです。

この時期は外からの衝撃にくれぐれも気を付けて、困った時はサポーターを取り付けるといった対処をすることが有効でしょう。

小児肘内障は子供の身体がまだ未発達であることが原因なので、成長すれば自然と起こりにくくなります。

後遺症はまずないと言っても良いですが、骨や靱帯の調子が生まれ付き悪い場合は脱臼しやすくなるかもしれません。

数回程度ならどんな子供でも起こり得ますが、10歳以上になっても治まる気配がなければ、原因は先天的なものであると見なして良いでしょう。

また腕を強く引っ張ったために脱臼したのではなく、高いところから落ちた時や、転んでぶつけたことで発症すると、骨が折れることもあります。

腕が上がらないといった症状や、患部の腫れが目立つので、恐らくすぐに異常事態だと気が付くでしょう。

見た目に何も変化がなくても、何処かに強打した時は、念のために病院へ行って検査を受けて下さい。

放置しておくと成長した後に、肘の曲げ伸ばしが上手く出来なくなるかもしれません。

小児肘内障の整復後に注意するべきことは?

子供の様子を確認した時、腕が上がらない症状が見られた場合、小児肘内障という脱臼になっているかもしれないことはもう想定することはできますね。

これは通常の脱臼と同じく癖が付き、治ったばかりなのに再発することも珍しくありません。

つまずいて転んでしまったり、何かにぶつからないように、完治してからも何日かは肘を固定しておくと良いでしょう。

後遺症に関しては心配ありません。

ですがもともと骨や靱帯に障害があると、骨や関節の位置がずれることがよくあると言われています。

もしも10歳を過ぎているのに脱臼癖が付いたままの場合は、生まれ付きの障害が原因で脱臼が起きていると考えて下さい。

脱臼した時の状況によっては、骨が外れているのではなく折れている可能性があります。
骨折すると痛みが増し、患部が腫れ上がっていきます。

ですが小さなヒビ程度なら、外見の変化はあまり大きくないので、気が付かないことがあるようです。

放置しておいた結果、悪化しては手遅れになってしまうので、落ちたり転んだりしたことで腕をぶつけていたのなら、面倒であっても一度は病院で診てもらうことをオススメします。

処置が遅れると、大人になってから後遺症が現れてしまい、腕や肘の動きが鈍くなることでしょう。

大人たちがしっかりと見守ってあげましょう!

子供の腕が上がらない!となると気が動転してしまうお母さんはきっと多いですよね。

小児肘内障は、どのご家庭のお子さんにも起こり得ることなのです。

子供の関節は未熟なので、周りの大人が気をつけてあげる必要があります。

子供の成長と共に、関節もしっかり発達するまでは、注意が必要ですね。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です