朝起きたら、腕に痛みがあったり、首に痛みを感じることってありますよね。
寝違えの経験のある方は多いのではないでしょうか。
寝違えたときって、行動するのも辛いときありますよね。
そんな寝違えの原因とは何なのでしょうか。
また、寝違えと勘違いしてしまいやすい病気について、ご紹介したいと思います。
寝違えて痛みを感じる原因は
朝起きて、腕が痛かったり首が痛くて振り向けないという経験のある人は多いのではないでしょうか。
起き上がり動き出すのも困難で、一日中何をするのも辛いですよね。
寝違えは、脇の内側を通る腋窩神経(えきかしんけい)が圧迫され、血行障害や炎症を起こしている状態です。
眠っている際は普通、寝返りを打つことで体の一部分に負担がかかることを回避します。
しかし時に、不自然な体勢のまま眠り続けてしまうことがあります。
そうなると首や背中などに不自然な力がかかり続けてしまいます。
それにより筋肉が強張ってしまったり、炎症を起こしてしまい目覚めた時に痛みを感じてしまうのです。
寝違えてしまい起き上がれない、首を動かせないなどの症状があるときには湿布やアイシング、炎症を抑える薬で対処したり軽いストレッチで筋肉をほぐす、ツボを刺激するなどの方法が効果的です。
通常はその日のうちに気づいたら症状が落ち着いていることが多いですが、場合によっては1ヶ月ほど症状が続いてしまうこともあるようです。
なぜ寝違えてしまうのか
それでは寝違えて、首や肩、腕に痛みを感じてしまう原因としてはどのようなものがあるのでしょうか。
寝違えは肩や首の問題だと思っている方が多いと思いますが、実際は首を支える神経と繋がっている脇の下の腋窩神経の血行不良が原因となっています。
具体的な原因としては、まず枕やベッドという寝具が体と合っていないことが考えられます。
枕が合っていないと不自然な力が首にかかってしまいます。
またベッドは体が沈んでしまうため一箇所に集中して圧力がかかりやすく、寝返りもうちにくくなるので布団の方が良いと言われています。
疲労やストレスが溜まってしまっていることも寝違えの原因となります。
人は眠っている間に筋肉の緊張状態をほぐし、疲れを取るようになっています。
しかし疲労やストレスが溜まっていると、睡眠不足や浅い眠りになってしまい筋肉を休めることができません。
その結果、寝違えやすい状態になってしまうのです。
また、お酒に酔った状態で寝てしまった時も寝違えやすいです。
泥酔状態で眠ると不自然な体勢になりやすく、さらにアルコールを飲んでいると熟睡してしまい寝返りを打たない場合が多いのです。
寝返りを打たないということは、体に不自然な力がかかってしまい寝違えの原因となります。
寝違えて腕の痛みがある場合に考えられる病気とは
「体が痛いけどただの寝違えだろう。」
そう思っていたら実は全く別の病気だったということもあります。
寝違えた際の症状ととてもよく似ているので、見分けをつけるのが難しい病気というのが幾つかあります。
まずは椎間板ヘルニアです。
寝違えの痛みの症状に加え、体にしびれを感じている場合はこの病気を疑ってみてください。
寝違えの原因は筋肉の損傷や炎症ですが、しびれを伴う場合は椎間板ヘルニアなどで神経が圧迫されている可能性があります。
整形外科などでレントゲンを撮ることで確認できる場合が多いので、心当たりがある場合は一度受診してみてください。
他には頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)という病気が考えられます。
これは首から肩や腕、背中などにかけて、痛みが生じる症状のことを言います。
肩や首の凝り、痛みや痺れがある方はこれを疑ってみてください。
先ほどのヘルニアが原因のこともあるようです。
また、神経や筋肉だけでなくストレスなど心因的な問題が原因となることもあります。
特に、パソコンの前に座り続けるデスクワークが多い方に多く見られる病気です。
普段からデスクワークが多い方は、意識して時々体を動かすようにしましょう。
命に関わる重い病気であるクモ膜下出血にも、寝違えにかなり似た症状があります。
大切な命を守るために、少しでもおかしいと思ったら病院に行って検査するようにしてください。
腕の痛みの原因の頸肩腕症候群の症状と要因
寝違えに似た症状として紹介した頸肩腕症候群、これは首の筋肉や肩、上背部、上腕などに痛みや痺れが見られることが多く、感覚障害や運動障害が見られます。
目の疲れや痛み、花粉症などによって症状が悪化することもあります。
頸肩腕症候群によって頭痛や眩暈、耳鳴りが引き起こされたり集中力の低下、情緒不安定、抑うつ症状、睡眠障害、うつ病などの精神症状が現れることもあります。
手足の先が冷たくなる「レイノー現象」や冷え、倦怠感や筋力の低下、動悸息切れ、胃腸障害や月経困難などの全身症状が出現することもあり、症状は肩や腕に限ったものではないのです。
パソコンでの作業やデスクワークにより、長時間同じ姿勢でいることで頸肩腕症候群が発症しやすくなります。
特にパソコンを使う際には、目の疲労も出てしまい症状が現れやすいです。
元は職業病と言われていましたが、パソコンを使う人が増えている現代では現代病とも呼ばれています。
体を動かす機会が少なかったり、ストレスが溜まっていると頸肩腕症候群になりやすいので、日常生活での注意が必要です。
頸肩腕症候群の予防法と対処法
頸肩腕症候群は誰しもかかり得る病気です。
しかし日常生活を見直すことで予防することができます。
まずは自分の仕事内容や作業時間を見直し、なるべく「VDT作業ガイドライン」の内容に沿った作業時間になるようにしてください。
また、作業中に小休憩を挟むなどして同じ姿勢をし続けないように意識しましょう。
また、疲労やストレスを蓄積させないためにも休養や睡眠はしっかり確保しましょう。
趣味がパソコンやゲーム、読書などの人はその時にも同じ姿勢で長時間いることを避けるようにしてください。
また、食生活にも注意が必要です。
体が冷えやすい人は食生活を見直してみてください。
お風呂に入ったり、蒸しタオルで肩を温めることも冷えの解消になるので気になる人は実践してみてください。
冷え性がひどい場合には漢方薬が処方されることもあります。
休息や睡眠、冷え対策などが頸肩腕症候群の予防となるので、日常生活の中で気を使うようにしましょう。
もし頸肩腕症候群になってしまったら、マッサージや指圧、整体などで体の凝りをほぐすことで症状を和らげます。
痛みが強い場合は鎮痛剤などで抑える場合もありますが、日常生活の中での根本的な原因を取り除かない限り再発する可能性が高いです。
また、頸肩腕症候群でない他の疾患である可能性も考えられるので、寝違えかと思っても痛みや痺れの症状がある場合は自己判断に頼らず病院にかかることも大切です。
腕の痛みは寝違えが原因じゃないかもと感じたら・・
「寝違えたのかと思って放置していたが、そうではないのかもしれない。」そう思い始めたら、そのままにせずに整形外科を受診してみてください。
そこで器質的異常がないか検査してもらいましょう。
検査の結果、特に異常が認められず頸肩腕症候群と診断されたら、整骨院や治療院での施術を受けることで症状を改善することができます。
頸肩腕症候群は職業病や現代病ともされ、誰でもかかり得る病気です。
日常生活から予防するよう心がけましょう。
頸肩腕部の痺れや痛みの原因としては様々な疾患が考えられます。
もちろん寝違えが原因のことも多いですが、そうではない可能性も十分にあります。
自己判断に頼りすぎず、少しでもおかしいと思ったら整形外科を受診して検査を受けるようにしてください。
勝手な判断で放置したり間違った対処をすることで、症状が悪化してしまうこともあります。
検査を受けてその原因をはっきりとさせた上で、専門家の指示に従って症状に合った適切な治療を受けるようにしましょう。
異常を感じたら病院へ
いかがでしたでしょうか?
寝違えの経験はたくさんの方が経験することですよね。
しかし、なかなか痛みが直らなかったりすると、とても辛いですよね。
今回紹介した頸肩腕症候群は、誰にでも起こり得るもので、寝違えた!と思っていても、実はその症状が病気のサインかもしれませんね。
痛みに異常を感じたら、必ず病院を受診しましょう。