現代人の10人に1人は腰痛に悩まされています。その中の約1%、120万人は椎間板ヘルニアだと言われています。
医者にヘルニアと診断されたけど手術をしないといけないレベルなのか、それとも手術はせずに保存療法という方法を選択するのか。
そこで今回は手術はせずに注射や薬で痛みを抑える治療をして行こうと考えている方へ注射の種類、効果、リスクなどについて触れたいと思います。
なぜヘルニアになる?
ヘルニアという言葉は”逸脱した状態”を表します。腰椎椎間板ヘルニアとはつまり椎間板が逸脱した状態になってしまっているということです。この椎間板は骨と骨の間にあり、クッションの役目をして背骨にかかる負担を軽減させてくれているものです。長年の悪い姿勢や、同じ動きの繰り返し、事故や激しい運動の繰り返しで椎間板がつぶれて中の組織が出てきてしまい、脊椎の神経を圧迫しているために痛みや痺れが起こってきます。痺れの範囲は、ヘルニアが接触する程度が低いとお尻や太もも出て、後ろにヘルニアが起こると、左右両方の末梢神経が支配する部分に、同時に痺れが起こります。ただ、一概にこうなるとここに痺れが出る!と断定もできず足先だけ痺れたり、お尻の辺りだけ痺れたりと、その人の筋量や、骨格などの違いで痛み痺れの出る部分も変わってくるようです。
注射という選択。種類はどれくらいある?
①【局所ブロック】
トリガーブロックとも呼ばれており痛みのある筋肉や筋膜に直接麻酔薬やビタミン剤を注射する方法です。
痛みのある部分は筋細胞が炎症を起こしているので炎症を抑えたい場合は即効性を期待するなら有効的な方法です。
②【神経根ブロック】
ルートブロックとも呼ばれます。どの神経根が悪いのかを診断するためのものですが、治療としても使われることがあります。
炎症を起こしている神経に直接針を刺すので炎症を抑える効果が高いです。
③【硬膜外ブロック】
神経ブロックとも呼ばれます。。脊髄を覆う硬膜という膜と、黄色靭帯の間に数mmの隙間があります。この隙間に局所麻酔を注入し、神経による痛みの伝達をブロックする治療法です。効果が早いと2~3週間は痛みが治まりその後何度か繰り返し注射することで痛みがなくなる効果が期待できます。
硬膜外ブロックには更に2種類あります。
□腰部硬膜外ブロック□
患者は背中を丸め横になります。そして、背骨の真ん中から注射針を刺し、脊髄の近くで硬膜の外の部分に局所麻酔薬を入れる治療です。もし、注射針が硬膜を貫いてしまうと、その場所から髄液が漏れ出したり、髄液にバイ菌が混じって髄膜炎を発症したりする危険性がありますので、しっかりした専門医のいる病院で処置してもらうことをおすすめします。
□仙骨部硬膜外ブロック□
これは、腰部硬膜外ブロックと同じ部分に薬剤を入れますが、お尻の先にある仙骨の方から針を刺します。うつ伏せでお尻を突き出す格好になったら、お尻の割れ目の高い部分に注射針を刺して局所麻酔薬を注入します。腰部硬膜外ブロックと比べると硬膜を貫くというリスクはありませんので、安心感のあるブロック注射と言えます。しかし、局所麻酔薬による急性薬物中毒を起こして頭痛などを発症するという副作用もあります。
数種類ある選択肢の注射治療
上記で紹介しました治療というのはどれも対処療法です。対処療法というのは痛みを何かで一時的に取る、もしくは抑えるという受動的なもので根本から何とかするというものではないのです。注射をして痛みや痺れがなくなった、という方もいますが、あくまでも一時的なものでいつかまた症状が出てくると覚悟しておいてください。病院に行くと椎間板ヘルニアと診断をされて手術をするのが怖いと言って、病院に行かずにコルセットや湿布で誤魔化している方も沢山いるのではないでしょうか?ヘルニアは必ず手術をしなくてはいけないものなのでしょうか?正直なところ、つぶれてしまった椎間板を完璧に元に戻すことは難しいことですが手術をしなくても痺れを抑えることは可能です。痛みが出る→注射をする→痛みが治まる→またしばらくして痛みが出る、この繰り返しの日々から抜け出すには受動的でいるより能動的に行動してみましょう。今日は簡単にできるストレッチを紹介致します。
注射はいらない!ヘルニア改善ストレッチ①
①床(ストレッチマット)の上に仰向けに寝ます。
②対角線の腕と脚が一直線に並ぶようにした大きなXの字を身体でつくります。
③肘から先は折りたたみ両手は頭の後ろで組みます。両膝は90°に曲げましょう。
④90°に曲げた膝を左右交互に内側へ深く倒しましょう。
ももの横、お尻辺りにストレッチがかかります。(症状が強く出ている方は深く倒せないはずです)
⑤10回ほど繰り返し、動きに慣れてきたところで呼吸をつけて行ってみましょう。腹式呼吸です。できない方はこの機会にマスターしましょう。お腹の中に風船が入ってるとイメージしてください。鼻から空気を吸い込み風船を膨らませます。膝を内側へ倒すのと同時に口から「ふぅ~~~」と声を出しながら風船の空気を抜いていきましょう。風船の空気を完全に出し切ったら全身を脱力させます。
注射はいらない!ヘルニア改善ストレッチ②
①床(ストレッチマット)の上に仰向けに寝ます。
②対角線の腕と脚が一直線に並ぶようにした大きなXの字を身体でつくります。
③手を軽く握り締め、朝起きてする伸びのように突き上げます。
足はつま先を天井に向けて、踵を突出し膝裏を伸ばします。
おしりで棒を挟んで落とさないようなイメージでおしりを閉じます。
④③の状態をキープしたまま、鼻から空気を吸い、口から吐きます。
ただ単に吐くのではなく、ゆっくりと「ふぅ~~~」と声を出してみましょう。声が出なくなるまで出来るとかなりお腹が苦しくなってくるはずです。息をしっかりと吐き切ったら、全身を脱力します。
⑤頑張って10回連続でやってみましょう!
余裕で出来た方は両手、後頭部、両踵を床へ押し当ててみましょう。
少し強度が上がります。
2つのストレッチで効かせたい関節と筋肉
①のストレッチは股関節の柔軟性を上げることが目的です。股関節の作りは腰部の作りより可動性があり、あらゆる動きに対応することができます。股関節の柔軟性を上げることで今まで腰にかけ過ぎていた負担を分散させることができます。
②のストレッチはカラダの外へ出てきてしまった背骨をカラダの中へ戻すというストレッチでした。本来、背骨は綺麗なS字を描いており、カラダの中に埋まっているものです。しかし、現代人は腹筋と背筋が非常に弱くなっているため姿勢が悪くS字は崩れ、背骨がカラダの外側へボコボコっと飛び出てきていますよね。スポーツ選手やモデルさんの背中をイメージしてください。背骨はしっかりカラダの中へ埋まっていて肩甲骨は下がって浮き出ていますよね。あのような感じがベストです。2つのストレッチは腹筋と背筋を使って背骨をカラダの良い位置へ埋めておくという使い方の練習をしていました。
注射の種類も費用も関係ないカラダへ
ここまででヘルニアとブロック注射というものがなんなのか、少しお分かりいただけたはずです。先程も言ったように完璧に治すのは難しいものですが、ご自身が能動的になれば痺れや痛みは軽減させることができます。まずは先程のストレッチから始めてみてはいかがでしょうか。あれだけじゃよくわからないという方は私たちプロフェッショナルにお任せください。丁寧なカウンセリング後にお客様一人ひとりに合ったストレッチメニューを作成致します。必要であれば食事指導もさせて頂きます。日々の生活をより豊かにするためにも健康な身体造りの第一歩を始めてみませんか?ヘルニアの痺れ、治療でお悩みの方はカラダラボ太田本店担当川津まで。