ここ最近、首の調子が悪い。特に左の首筋に痛みが出ているという方は注意が必要です。
首は脳から神経を送り出す大事な部位で、左側は心臓とも関わりがあるとされています。そんな左の首筋に痛みが出ていたらあなたはどのように対処しますか?ほったらかしは一番ダメです。
今回は、左の首筋に痛みについてです。お読みください。
首筋の痛みは左か右に偏る
首筋に痛みやだるさ、痺れを感じたり、そのせいで肩が上がらなかったり顔を動かせなくなったというような症状は、厄介ですよね。首に異常が出ると日々の生活にも支障を来しますし、理由が寝違えや肩凝りならまだ良いのですが、何らかの病気のサインという可能性もあるので早めに治したいところです。
大抵は左右どちらかに偏っていることが多いのですが、それは何故なのでしょう?
左側が痛むという人は、顔を右側に向ける寝相をよくしていたり、スマホやパソコンのマウスなどを左手だけで操作することが多い人です。
右側はこれと反対になりますね。首は垂直に頭を支えますが、これがどちらかに傾くと、傾いた方とは逆の筋肉に負担が掛かります。大した角度ではなくとも、長い間続けばじわじわと蓄積されて、炎症を起こしてしまうのです。また痛みが偏るのは、その方向に身体の向きも偏っているからです。もし同じ姿勢をしばらく取り続けなければいけない時は、こまめに首を回したり伸ばしたりしましょう。
左の首筋の痛みが続く場合は注意が必要!?
首が痛い時、単なる寝違えによるものなら放置していても治ります。ですが左側だけが痛かったり、リンパが腫れていたら狭心症やガンの可能性があります。
もし首の左側に、特に動いていないにもかかわらず、全速力で走った後のような激しい痛みを感じる場合はすぐに病院へ行きましょう。自力が無理なら救急車を呼んで下さい。
これは心臓から半径30cmの辺りまで痛みが広がる「放散痛」というものです。心臓の神経は左肩の近くを通っているので、この痛みを「肩が痛い」と思い込んでしまうことがあるのです。ですが心臓に関する痛みは何かで刺されたようなものらしいので、そのような刺激でなければそれほど気にする必要はありません。とはいえなかなか治らないようなら病院で検査を受けましょう。
首の左側から頭にかけて痛む場合は脳の血管に異常が見られるか、顎関節症やリウマチなど、当てはまる病気がたくさんあります。また頸椎周辺の神経に圧力が掛かると痛みと合わせて手足の痺れが発生します。
一般的に起きやすい左の首筋の痛みの原因
睡眠中に変な体勢を取ることで首や肩に長い間強い力が加わり、筋肉が炎症を起こすことを「寝違える」と言います。長時間寝転がったり正座をした後、首や膝に固まったような感覚を覚えることと同じです。寝違えると首を動かすたびに痛みを感じたり、必要以上に曲げられなくなります。こうなってしまうのは寝相ももちろんですが、自分に合っていない枕を使っていてもなりやすいです。頭の重さは大人だと約5kg、大きめの人だと10kg近いこともあるようです。首はそんな頭を支える柱としての役目の他に、四方八方を見るためにあちこち動かします。これを毎日続けるのですから、負担は大きいはずです。
また肩も同様に、左右合わせて10kgはある両腕を吊り下げています。首や肩の周辺には僧帽筋や三角筋といった筋肉が集まっており、肩凝りと深く関わるのは頭や腕を維持するための「僧帽筋」です。
肩凝りとはこれが硬くなることで引き起こされます。
首に関する症状には「むち打ち症」があります。これはレントゲンを撮っても原因が写らないと言われています。全身が強張って動かしにくくなりますが、代表的なのは首の痛みですね。事故以外にも、誰かに後ろから押されただけでなってしまう可能性があります。予想外の力が与えられると、小さなものでも大きな衝撃になることは珍しくないのです。
首筋の痛みの原因を解消しよう!
パソコンを扱う人が増えたことで、首を痛める人も多くなりました。それは背中を丸めて顔を少し突き出す格好になっていることが多いからです。この体勢は頸椎に大きな負担が掛かります。特に顎を突き出すと首が後ろに反るので、周辺の筋肉が強張ります。
そのままで長時間過ごすと、血液が流れにくくなり、疲れも溜まりやすくなります。
書類整理やテレビを観ていても同じことなので、きちんと背中を椅子に付け、ピンと背筋を伸ばして、顎を引きましょう。
また同じ姿勢は良くないので、30分ごとに次の運動を行うともっといいですよ。
1.首を5秒ほどかけて左右にゆっくり倒します。5回ずつはやりましょう。
2.顔を首筋が張るくらいまで左右に向けます。時間と回数は1と同じです。
3.肩を大きく回します。前と後ろに5回ずつですね。
4.腕を上げ下げしながら揺れ動かします。少し動くだけで血の巡りが良くなり、疲労も溜まりにくくなります。あくまでもリラックス目的なので、力まないことがコツです。
ただし首の痛みが酷ければ、まずは医師に相談して下さいね。
首筋の痛みの原因をさらに解消しよう!
今回は誰でも出来る、首の凝りに効くストレッチをお教えします。
ただしこれは寝違えには効きません。また、痛みを感じる時はやめましょう。
1.鎖骨周辺を手の平や指先で30秒以上揉みます。片方ずつ、2~3セット行いましょう。
2.両肩に手を置いて、まずは後ろへ。肘はくっつくくらい近付けて、クロールのように交互に回します。前と後ろ、それぞれ10回ずつやりましょう。
3.両手を後ろで組み、そのまま前屈みになります。両腕は天井に向けてまっすぐ伸ばし、10~20秒キープします。出来そうなら左右に4、5回ほど振りましょう。
4.片方の手を90度に曲げ、手の甲を腰に付けて、後ろへやります。もう片方の手は、耳をカバーするように頭の上へ。そのまま斜め前に倒し、10秒キープします。これを左右に2、3回やります。
5.両手を後ろへ回し、片手でもう片方の手首を掴みます。そのまま下へ伸ばし、掴んでいる手の方向へ首を倒したら5秒キープします。これを3回行います。反対も同様です。次は伸ばした方の手を腰の後ろへやり、反対の手を頭に回して耳を押さえ、横に倒したら5秒キープします。これも3回行ったら、腕を変えます。また頬に手を当て、10秒ずつ左右を向きます。
首筋の痛みで気になる障害
首の痛みだけではなく、手足の痺れなどもあると頸椎に何らかの異常があるかもしれません。
1.頸椎症
椎間板から柔らかさが失われると、衝撃を緩和しにくくなるので、頸椎に直接負荷が掛かります。すると頸椎から腕へ伸びる神経に圧力が掛かるため、痺れが発生したり、感覚がなくなったり、上手く動かせなくなります。またこれが脊髄に及んだ場合は痺れが足にまで広がり、トイレが近くなったり、逆に出にくくなったりします。主に50歳以上の人に見られます。
2.頸椎椎間板ヘルニア
頸椎症と似たようなものですが、こちらは30~40代の人がなるのも珍しくありません。
3.脊柱靱帯骨化症
背骨を繋ぎ止めている靱帯が骨のように厚みを増す病気です。原因はまだ分かっていません。具体的な症状は頸椎症とほぼ同じです。まずは病院でどこの靱帯に異常があるかを調べましょう。
4.その他
肺炎などに罹患した後、細菌が頸椎に感染することで痛みや熱が現れます。これは投薬治療が必要です。また腫瘍に圧迫されても同じことが起こるので、病院で良性か悪性かを確認しましょう。どれも放っておくと悪化するだけなので、早期発見と治療を心掛けましょう。
左の首筋の痛みが寝違えや姿勢でなかったら
左の首筋の痛みが寝違えや悪い姿勢のせいであれば、その間違いを正すだけで解決できそうですが、それ以外の原因であれば一度精密検査を病院でして、医師の指示のもと、最善策を見つけてもらいましょう。判断を誤ると危険です。この記事を参考にして気をつけてくださいね。