年寄りになると腰が曲がるのは単なる老化現象なのだろうか

最終更新日:2023/07/02

年寄りになってから腰が曲がったような気がする。

若いときはそんなことなかったのに・・・と思う方は多いのではないでしょうか。

実際に腰が曲がっているお年寄りは多いですよね。

お年寄りで腰が曲がるのは、単なる老化現象なのでしょうか。

それとも他に原因があるのでしょうか。

ここではお年寄りの腰が曲がる原因と治療法、そして対処法をご紹介します。

年寄りになって腰が曲がる原因は骨にある?

年寄りになると腰が曲がるのはなぜでしょうか。

すぐに思いつくのが、姿勢の悪さではないでしょうか。

親に背中が曲がってる、と注意されますよね。

背中を曲げていると骨盤がずれます。

骨盤の下が前に出ると猫背になります。

日常的にその姿勢でいると、背中が曲がってしまうのです。

男性より女性のほうが腰が曲がりやすいのは、骨粗鬆症も関係しています。

女性に多い骨粗鬆症ですが、かるい衝撃でも脊椎の圧迫骨折を起してしまいます。

ひどい人はくしゃみをしただけで骨折することもあります。

脊椎の前方がくさび形につぶれることが多くあり、ひどい場合は背中から腰にかけて曲がってしまいます。

ひどい変形の時は、椎体が一つつぶれただけでも背中から腰が曲がることがあります。

更年期を迎えた閉経後の女性は、女性ホルモンの分泌が減ることで、骨の吸収と形成のバランスが崩れます。

髄核の水分減少と腰椎からカルシウムが流出することで、椎間板と腰椎が薄くなり、骨折しやすくなります。

お年寄りに多い、腰が曲がる後弯症とその原因

背骨はもともとまっすぐではありません。

前後から見るとまっすぐですが、横から見ると緩やかなS字カーブを描いています。

頚椎と腰椎が前に出た形、胸椎が後ろに出た形です。

このカーブによってしなやかに体を前に倒したりすることが出来るのです。

この背骨が極端に曲がってしまうことを脊柱変形といいます。

前に曲がる、後ろに曲がる、横に曲がる、の3種類がありますが、よく問題になるのが、後ろに曲がるタイプです。

腰の曲がったお年寄りの多くがこの後ろに曲がったタイプです。

40~50代以降年を取ると共に、軟骨が弱くなってつぶれたりずれたりすることで背骨の変形が進みます。

骨粗鬆症の圧迫骨折で曲がる場合もよくあります。

原因としては、日常生活では自分の前で作業することが多いことで自然と前傾姿勢になります。

背骨の前方に負荷がかかるので、背骨が後ろに曲がる人が多くなるのでしょう。

子供の頃から脊柱変形があって進行する人もいますが、成人してから発症する人は、日常生活に原因があることが多くあります。

腰が曲がる後弯症の症状

年寄りになり腰が曲がることでどのような不都合があるでしょうか。

一番辛いのは痛みではないでしょうか。

曲がっている背骨の周りが痛い、ということがよくあります。

しかし、骨が痛いのか、椎間板が痛いのか、関節部分が痛いのか、周りの筋肉が痛いのか、どこが痛いのかはっきりとわからないのがつらい所です。

またヘルニアの患者さんは神経が傷んで、足が痛いといいます。

大きく分けて、背骨の周りの痛みと、神経の痛み、この二つがよく聞く自覚症状です。

そして同じ姿勢で長時間いられなくなります。

背骨が曲がることで特定の筋肉に負荷がかかり、筋肉痛になるのです。

女性の場合は、日常の家事労働に支障が出ると非常に困りますよね。

立って家事が出来ないと非常に困りますよね。

横になると痛みが引く場合も多いのですが、日常生活を送るにはそういう訳にもいきません。

背中の曲がる角度がひどいと、顔が前を向けず下を向いてしまいます。

この場合も前が見にくい、外見が悪い、など日常生活に支障が出てきます。

腰が曲がる後弯症の治療法

お年寄りになり腰が曲がるとどうしたらいいでしょうか。

よく聞くのがリハビリテーションです。

人によっては痛みがなくなる方もいます。

通常の腹筋や背筋トレーニングですが、ゆっくりと行うことが大切です。

うつぶせの姿勢を取ることから始めるのがいいでしょう。

リハビリテーションで背中の痛みを取る事は出来ませんが、周りの筋力を維持することで、広がっていく痛みをおさえることができます。

痛みがひどい人には、薬物治療もあります。

現在は副作用も少ない薬がでています。

痛みが軽減して、リハビリテーションが出来るようになる人もいます。

薬ですべてが治るわけではありませんが、痛みがマシになることにより、外出したり活動範囲が広がります。

このような社会活動を行うことは、体の維持に非常に有効です。

それでも改善しない場合は手術ということもあります。

金属製のねじや棒で曲がっている骨を自然に近い形に近づけます。

固定することにより背骨が動かなくなるので、日常生活に影響を与えますが、痛みがひどく改善しない時には有効な場合があります。

日々の運動が年寄りになってから腰が曲がるのを防ぐ

お年寄りになって腰が曲がるのを防ぐにはどうしたらいいでしょうか。

買い物や散歩などの外出にはリュックサックがお勧めです。

500mlのペットボトルを一本入れることで、適度な負荷がかかり、背中がまっすぐになります。

薄めの雑誌を背中部分にいれるのもいい方法です。

腹筋も有効ですが、きつい腹筋は腰を痛める原因になります。

ゆっくりとした腹筋をしましょう。

両ひざを立てて仰向けになります。

足を延ばしたままでは腰に負担がかかるので注意です。

自分のおへそを見るように頭をゆっくりあげましょう。

頭を挙げるだけの腹筋ですが、へその周りを見ながら鍛えている、と意識しながら行うことにより効果があります。

意識を集中することで、軽い運動でもトレーニングの効果をあげることができます。

5回程度の腹筋で大丈夫ですので、まずは続けて行っていきましょう。

また全身を鍛えることも大事ですので、負担に感じない程度に正しい姿勢で軽くウォーキングをするのもいいでしょう。

運動やストレッチの他に、腰曲がりにはこんな対処法も

お年寄りになると腰が曲がる、その予防としてトレーニング以外はどうしたらいいでしょうか。

老化の原因となる活性酸素を取り除くことも大切です。

黒ごまなどに含まれている、セサミンが活性酸素を減らすのに有効と言われています。

ゴマを食べてもいいですが、含まれているのはごく微量のため、サプリメントがお勧めです。

老化防止にセサミンを取りましょう。

またカルシウムを取ることで骨粗鬆症を予防することも出来ます。

乳製品、豆腐、納豆などの大豆製品、小魚、ひじきやわかめなどの海草類などにカルシウムが多く含まれています。

日本人はカルシウム不足と言われているので、ぜひ積極的に取りましょう。

食品からとることが難しい時は、サプリメントを使うのも効果的です。

太りすぎも骨に負担をかけます。

体重管理も仕事のうち、と考えて気をつけましょう。

必要な栄養を取るために食品を食べ過ぎる、と言う方は、サプリメントも上手につかっていきましょう。

背筋と腹筋の重要さもご理解いただけたと思いますので、複合的な予防で腰が曲がるのを防いでいきましょう。

お年寄りになっても、健康な身体でいたい

いかがでしたか?

やはり、加齢に伴って腰が曲がるという人は多いようです。

しかし当然ながらすべてのお年寄りの腰が曲がっているわけではありません。

若いうちから健康に気を付けて、簡単な運動をするなどして腰の曲がりを防ぎたいですね。

そしてお年寄りになって腰が曲がってしまったら、「加齢のせいだ」と放置せず、まずは病院で診てもらい、お医者さんにアドバイスをもらうといいかもしれませんね。

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