後頭部に違和感、ふらつきなどの症状があって病気なのかな?と悩んでいる方いますよね。
これらの症状で考えられる原因は2つあります。
片頭痛と後頭神経痛です。
片頭痛はよく耳にするけど後頭神経痛って聞きなれないですよね。
今回は後頭神経痛についてご紹介していきたいと思います。
後頭部の違和感やふらつき・・2つの原因
後頭部の違和感や頭痛、ふらつきといった症状を感じるものの1つに片頭痛があります。
片頭痛は脈に合わせてズキズキとした頭痛が頭の片側や両側、後頭部などに発作的に現れるのが特長で日本人の8%に見られると言われています。
頭の血管が拡張しすぎてしまう事が引き金となりセロトニンという物質が過剰分泌される事が原因とされていますが、女性に多く見られる事から、女性ホルモンが関係しているのではという説もあります。
又、この頭痛が起こる30分~1時間ほど前にチカチカとした光が目の前に現れたり、視野が部分的に見えにくくなると言った閃輝暗点と呼ばれる前駆症状を伴う場合も見られ、症状が重症化すると頭全体が痛んだり、吐き気などをもよおしてしまう事もあります。
一方、後頭部や耳の後ろが痛くなる症状が出るものに後頭神経痛があります。
片頭痛が血管が収縮した後拡張し、回りの神経を引っ張ることで痛みが出るのに対して、後頭神経痛による頭痛は知覚神経が刺激されて痛む為、一見、同じように感じる頭痛でも原因が異なります。
後頭神経痛は痛みの場所が移動する事が特徴とされており、頭のてっぺんにかけて痛みが縦に動くという症状が出る事があり、姿勢の悪さやストレス、雨の日の前日など天候によっても症状が出る場合があるようです。
市販の鎮痛剤では中々効かず、症状に合った適切な薬を服用することで症状の改善が見られると言われています。
後頭部の違和感やふらつきの原因「後頭神経痛」の特徴
片頭痛や緊張型頭痛、後頭神経痛などいずれも辛い頭痛ですが、頭痛を起こす原因や痛み方、吐き気やふらつきといった症状があるか等それぞれ特徴が異なります。
例えば片頭痛の場合はズキズキと脈打つ様な痛みがあり、吐き気や眩しい光が苦痛になるといった症状が見られますし、緊張型頭痛であれば肩から後頭部にかけての鈍い痛みが特徴ですが、我慢できないほどではありません。
後頭神経痛を見極める際にポイントとなる特徴的な症状は、生え際や耳の後ろなどの圧痛点を押すと強い痛みを感じる場所があり、そこから縦に痛みが動くという点です。
後頭神経の走っている所に沿って痛みが出ることが多く、首から後頭部、髪の生え際、耳の後ろ、頭のてっぺんまで痛みが走るというケースも見られます。
キリキリ、ピリピリ、チクチクといった神経の痛みがあり、一瞬だけ電撃のように痛みが走るという訴えも聞かれるなど、痛みの出方は人によって様々ですが、大半の方はかなりの痛みを伴うと言われています。
特に顔の痛みを引き起こす三叉神経と大後頭神経はつながりがある為、後頭神経痛では目の奥が痛くなる事もあります。
痛み自体は数秒のものから数時間に及ぶ場合がありますが、痛みのない間欠期があるといわれ、概ね1週間程度の事が多く数日から数週間ほど続くとされています。
しかし間欠期には感覚が遠のいた様な鈍さや違和感などが出たり、痺れ感や触られている様な感覚になる事もあります。
後頭神経痛の原因は『外力』
怪我や事故などで外傷を負い、筋肉などにむち打ちなどの様な外力が働いた場合も後頭神経痛の症状が起こることがあります。
一般的に神経と血管はセットになっており、大後頭神経は後頭動脈と並行して走っているため、血管が筋肉などで圧迫される事によって神経にも大きな負担がかかることがあるからです。
事故などで頭や首を強く打ち付けた際、時間が経ってから負担がかかった部分が痺れたり痛みが出たり、ふらつきや違和感を感じたりする経験をされた方もいるかもしれませんが、神経に負担がかかった後遺症として、後頭神経痛が起こることもあると言われています。
こうした事故の場合以外でも、後頭神経に大きな負担がかかった事がきっかけとなり後頭神経痛の症状を引き起こす可能性があるのです。
例えば頭や首の手術を行う際、神経に触れることがあればそれがダメージになって症状を引き起こす可能性になりますし、後頭部の後頭神経は皮膚を支配する神経の一つでもある為、手術で切開するという行為は、皮神経を切るという事になりますので、これによって症状が起こるということもあるようです。
後頭神経痛の原因は『肩こり』
後頭部の激しい痛みや違和感、ふらつきを伴う後頭神経痛の原因の一つに肩こりがあります。
現代人はスマホやパソコンを使用する機会も増え、下を向いたまま作業する事が多くなった現代は肩こりに悩む方も多いのではないでしょうか。
そもそも約5キロ近くある人間の頭を支えてくれている僧帽筋という筋肉は、下を向いた時に頭が前に落ちないように支える働きもしています。
首から背中にかけての部分を広範囲に覆っている僧帽筋に負担がかかりすぎて、肩や首が凝った状態だと、筋肉とともに体勢によって伸びたり戻ったりする働きのある神経や皮膚の伸びも悪くなります。
僧帽筋を貫通している大後頭神経との滑走性が悪くなると後頭神経症を引き起こす原因となりますので、出来るだけ肩に負担のかかる体勢を取りすぎないように気をつけましょう。
又、デスクワーク中心の生活を送っていると肩だけでなく、姿勢の悪さも問題になります。
パソコンなどを使用する際にモニターを真正面からでなく左右どちらかの前方に置き、モニターを見る時に身体は正面を向いたまま首だけひねる様な歪んだ姿勢をとり続けるのは危険です。
顔を向けている側の大後頭神経は頭蓋骨と頚椎に挟まれて、反対側の大後頭神経は引っ張られてしまい、どちらの場合も神経が興奮しやすくなり、痛みが出る人もいますので、日頃から姿勢を意識して過ごすと良いでしょう。
後頭神経痛の治療とは
後頭神経痛は痛みの強いことが多い疾患ですが、1週間ほどで自然に軽快する為、病院にいかずに自然に治ったという方も多いかもしれません。
痛みに対して通常の鎮痛薬などを飲んで対処していたという方も、病院で相談すれば後頭神経痛に有効な薬があり、とても楽になりますので処方して頂きましょう。
大後頭神経は三叉神経とリンクしている為、関連の深い後頭神経痛は三叉神経の特効薬であるカルバマゼピン、製品名はテグレトールがよく効くといわれています。
通常の鎮痛薬を飲んでも中々効かなかったという方でも、1錠飲むだけで痛みをずっと楽にしてくれます。
それでも効かない場合は、痛む部分に局所麻酔薬を使った神経ブロックを週1回のペースで何度か行うと大抵治まりますので、後頭部が痛んで辛いという方は病院を受診しましょう。
又、後頭神経痛の違和感やふらつきといった神経の問題には、神経の修復に有効なビタミンB12が効果的とされています。
内服以外にも注射が行われる場合もあるようですので相談してみましょう。
後頭部の違和感やふらつきを感じる方・・セルフケアが大切です
後頭神経症への対処法として日頃の生活の中で気をつけたいことを紹介します。
ストレスを抱え込んでいたり、生活習慣が乱れていると精神や身体の状態が体調に反映されやすくなります
ですから、出来るだけストレスを溜めずに栄養や睡眠、適度な運動を心がけた生活をするようにしましょう。
ストレスを感じて痛みが悪化すると、そのことがさらなるストレスを生みますので、出来るだけ気楽に過ごす事が大切です。
又、症状の改善効果のあると言われるツボを押して見るのも効果的です。
外後頭隆起という頭の後ろの骨の出っ張りから外側に2.5cmほどの場所にある大後頭神経の出口とされている『天柱』や、天柱から外側2,5センチ程の所にある『風池』の部分を圧迫することで後頭神経痛の後頭部の症状や違和感、ふらつきなどの症状の改善に効果があると言われています。
他にもストレスがかかると身体に不足するセロトニンを含んだ豆類、ナッツ類やバナナなどの食品を積極的に摂るなど食事のメニューも意識してみると良いでしょう。
セロトニンが増えると、自律神経を整えてくれます。
又、日頃から身体のコンディションが悪いと姿勢も悪くなりがちです。
首や身体に負担をかけない正しい姿勢で過ごすように心がけてみましょう。
生活習慣の改善を心掛けましょう!
後頭神経痛についてご紹介してみました。
あまり聞いたことのない病名ですよね。
後頭神経痛は現代人のほとんどがなってもおかしくない疾患と言えるようです。
姿勢が悪いということは悪循環になりやすいので注意が必要ですね。
原因や特徴を理解することで自分で対処できるようになりますよね。
痛みを感じた場合は、落ち着くのを待ち、長引かせないことが重要ですね。