指の付け根や手首、それ以外にも関節にしこりができることがあります。人それぞれ大きさや硬さは多少違いますが、触れると痛いようです。強い痛みや熱感がなければ、他の病気を疑う必要がありますが、ほとんどの場合ある病気が原因として考えられます。そこで今回は指の付け根などにできるしこりについてまとめてみました。
指の付け根のしこりはガングリオンの可能性大!
指の付け根や足などに突然しこりを見つけた時はどうすればいいのでしょうか。
最初はきっと驚きますよね。
得体の知れないできものが、何の前触れもなく突然身体のどこかに現れるのですから。
これは「ガングリオン」と言い、ゼリーのような物質が溜まって、こぶのような塊になったもののことを指します。
大きさは数ミリ程度のものから、ピンポン玉と変わらないものまで実に様々で、柔らかかったり硬かったりと、感触も異なります。
見た目こそ怪しいですが、ほとんどの場合は身体に悪い影響を及ぼすことなく、病院で取り除くことが可能です。
さほど気に病む必要はありません。
出来やすい部分は手の甲や関節周辺によく見られますが、手の平や手首、膝や椎間板などにも出来ることがあるようです。
ガングリオンを見つけやすいのは20~50代ととても年齢層が幅広く、どちらかというと女性に出来やすいとのことです。
もしガングリオンと思しきものを発見したら、慌てずに病院へ行って、診察してもらいましょう。
指の付け根のしこり『ガングリオン』の症状は?
指の付け根などに出来るガングリオンは、大抵は特に何らかの症状が出るということはありません。
ですが出来た場所次第では痛みやかゆさ、運動がしにくくなるといった症状に見舞われることもあるようです。
今回は具体的にどのような症状が現れるのかをお教えしますね。
1.痺れや痛み
神経の近くに出来ると、しこりによって神経が押さえ付けられるので、それにより痛みが伴うようです。
これがしばらく続くとだんだん痺れてきて、上手く身体が動かせなくなります。
手だけではなく、膝に出来た時も似たような状態になります。
膝の半月板にガングリオンが出現すると、高確率で痛みを感じます。
2.違和感はあるのにしこりはない
手の関節の辺りが痛んだり、痺れたりするにもかかわらず、しこりらしいものは見られない。
そういうケースもガングリオンです。
病院へ行き、超音波検査やMRIをしてもらえば、肉眼では確認出来ないところにガングリオンを発見することが出来るでしょう。
これは「骨内ガングリオン」と言うタイプで、外側からでは何の異常も見られないため、ガングリオンだと判断しにくいのです。
さらにサイズも小さいものが多く、触診をしても分かりにくいという難点があります。
ガングリオンになる原因を教えて!
指や手の付け根などに見られる「ガングリオン」というしこりですが、手に多いというだけで、関節ならどこにでも出来ます。
ですが何故ガングリオンが出来るのか、はっきりとした理由は未だに不明だったりします。
ただ「こうなのでは?」と言われている説は何個かあるので、今回はそれらをお教えしたいと思います。
1.どこかにぶつけた
ぶつけた際に防衛本能としてガングリオンを生み出すことがあります。
これは衝撃から身を守るための働きなので、悪いものではありません。
ガングリオンの周りを軽くマッサージすると治ります。
2.ストレスを感じる・ホルモンが乱れる
ストレスを溜め込んだり、ホルモンのバランスが崩れることで血管が縮み、血の巡りが悪くなります。
するとガングリオンが出来ます。
必要のない要素が身体の外に出なくなり、それがガングリオンという塊になってしまったのです。
3.関節を使いすぎる
パソコンや家事などで手を頻繁に動かしていると、その刺激により体内の組織液が溜まって、ガングリオンになります。
ほどほどに手を休めて下さいね。
4.その他
しこりが手の甲側、それも指の第一関節の辺りにあるなら、ヘバーデン結節とも関係があるかもしれません。
ヘバーデン結節とは指の関節に水ぶくれのようなものが現れ、痛みや腫れといったリウマチに似た症状が出ます。
これとセットでガングリオンが出来ることがあります。
何日かすると自然に治ります。
ガングリオンはどうやって治すの?
指の付け根などに見られるガングリオンというしこりは、基本的には無害とはいえ気になりますよね。
どうすれば治るのでしょうか。
いくつかやり方があるので、ご紹介したいと思います。
1.穿刺治療
一番ポピュラーな方法です。
注射器でしこりの中にあるゼリー状の物質を吸い取るのですが、同じところにまた出来る可能性があるのが難点です。
2.切除
麻酔をガングリオンの周りに施し、メスで根元にある袋ごと切り取ってしまいます。
再発はまずしませんが、痕が残ります。
3.薬物
薬を使ってガングリオンの中身を別の部分へとやってしまいます。
耳の後ろなど、手術しにくい場所に出来た時に行います。
ただこれは周りにまき散らすだけなので、違う場所に出来たり、再発する可能性も少なくありません。
4.レーザー治療
レーザーで焼き切ってしまえば、痕も残りませんし、再発の心配もほぼありません。
ただ一回では終わらないので1~2ヶ月ほど通院する必要があります。
指の付け根のしこりは他にも考えられます
指の付け根に痛みを感じたら「ばね指」の可能性があります。
通常は指の曲げ伸ばしをする筋肉が「靱帯性腱鞘」というトンネルを通ることで指を動かすのですが、ばね指はそれが上手く出来なくなります。
しこりのようなものが見られることもあるようです。
ばね指は親指から小指まで、どの指でも起こり得ます。
男性よりは女性の方が多く、特に幼少期と中年以降の発症率が高いようです。
前者は親指が、後者は中指と薬指がなりやすいそうです。
痛みはもちろんですが、一度曲げたら伸ばせなくなるという症状は「弾発現象」というばね指特有の症状で、こうなるともう片方の手で伸ばしてやる羽目になります。
さらにしこりが出来ていると、曲げるたびに痛みを感じることも珍しくありません。
症状が悪化してくると、指がまともに動かせなくなり、曲げ伸ばしが自由に行えなくなるかもしれないのです。
もし手や指の付け根に原因不明の痛みやしこりを発見したら、すぐに整形外科を訪ねましょう。
ばね指だったらどう治療していくの?
ばね指のほとんどは1本だけに症状が現れ、放置していても自然と指の付け根の痛みやしこりが治っていきます。
治療をするにしても、塗り薬や湿布で済む程度です。
しかし複数の指に症状が出るタイプの場合、他の症状も引き起こされるケースがよくあります。
こちらは関節リウマチや糖尿病などを抱えている人が発症しやすく、治療方法に大差はありません。
痛みが酷くてどうしようもない時には、少しの麻酔とステロイドを混ぜたものを、症状が出ている指に注射器を使って入れてやります。
1回の注射で3ヶ月ほど、長いと半年は効果が続きます。
これなら痛みは和らぎますが、治癒したわけではないため、余程のことがないかぎりはそのまま安静にしておきましょう。
注射でもあまり緩和されなかったり、痺れや痛みが増しているようなら、手術に踏み切るのも手です。
指の付け根に痛みを感じる人は意外と多いようです。
特にスポーツなどで腱鞘炎になっている人や、手や指をよく使う職種に就いている人などは気を付けましょう。
家事やパソコンくらいなら大丈夫ですが、度が過ぎると手を痛めてしまうので、適当なタイミングで休憩を挟んで下さい。
なお指の関節に現れるものは、寝る前や起きた時に症状が出やすいという点も、しっかり頭に入れておきましょう。
痛みが無ければ様子見でも良いでしょう
指の付け根のしこりが痛まないのであれば、様子をうかがうのも良いでしょう。
そのまま消失するかもしれません。
しかし、痛みを伴う、もしくは生活に支障が出るというのであれば、話は別です。
すぐに整形外科を受診してください。
そうしないと手指が使えなくなってしまうかもしれませんからね。