手指や関節がかゆいといった経験はありますか?指は敏感なところですので、かゆみがあると熟睡できない、勉強や仕事に集中できないといった日常生活に支障を来します。指がかゆい原因は様々です。かゆいからといって掻き毟ると悪化しますから、きちんと原因を究明し治療してください。それでは指のかゆみについて症状や原因、その治療法についてまとめていきます。
手指や関節がかゆいのは「主婦湿疹」かも!?
指の関節がかゆい理由として主婦湿疹が考えられます。
水仕事が多い主婦や美容師などの手にできる手の荒れや湿疹を、一般に「主婦湿疹」と呼んでいます。
こうした主婦湿疹が発症する原因には、皮膚を保護するはずの皮脂が、水仕事により、必要以上に失われてしまい乾燥することが考えられます。
皮脂は通常、保湿クリームのように皮膚を、様々な刺激から守ってくれています。
水で流され保護する皮脂を失った皮膚は、ほんの些細な刺激にも過敏に反応してしまい炎症を起こしてしまうのです。
手が荒れているからといって、なかなか毎日の家事や仕事を休むわけにもいかないため、こうした主婦湿疹は長引きやすいといわれています。
主婦湿疹は、指紋が消えてしまったり、ひび割れができるなど乾燥タイプと、水膨れなどの発疹が目立ってくる湿潤タイプの2つのタイプに区別できます。
右利きの人なら右手の親指、人差し指、中指が、左利きの人なら左手の親指、人差し指、中指など、本人がよく使用している指から症状が広がっていくようです。
主婦湿疹はこうして治療
主婦湿疹で指の関節がかゆいときの対処法を覚えてください。
主婦湿疹の対処法としては、生活習慣の改善と、薬を使った治療が考えられます。
使用する薬はは、ひび割れなど乾燥タイプの症状か、水膨れなど湿潤タイプの症状があらわれているかによって変わってきます。
乾燥タイプの症状があらわれているなら、尿素やヘパリン類似物質など、皮膚を柔らかくして保湿に優れた成分が含まれているものを選択しましょう。
刺激がないものがよいと考えるならワセリンも効果的です。
入浴剤などにも、しっとり効果があるものを選ぶとより効果的かもしれませんね。
水膨れなど湿潤タイプの症状があらわれているなら、ステロイド剤も効果的です。
自分の症状にあった薬を使用していれば大抵1週間ほどで治るものですが、あまりに症状が酷かったり、どれを使用するか迷うようであれば、医師や薬剤師に相談してみましょう。
また、薬だけでなく、日常の生活の中でも、刺激の少ない石鹸や洗剤を使ったり、食器洗浄機を活用する、外出時や就寝時には、コットン製の手袋をはめて手を保護するなど、主婦湿疹の原因となる刺激から手を守ることも大切です。
手足の指や関節がかゆいのは掌蹠膿疱症かも!?
指の関節がかゆい理由として掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)が考えられます。 掌蹠膿疱症とは、手のひらや足の裏などに、白血球のひとつである好中球が角質内に蓄積されてしまうことによっておこります。
水虫のようにかびや細菌が原因ではないため、伝染することはありません。
掌蹠膿疱症は、手のひらの中ほどや、親指や小指の根元、足の土踏まずなどによく発症します。爪などにも発症しますが、現在のところ原因はわかっていません。
一説には、金属アレルギーが原因になっているのではないかといった説もあります。
また、歯槽膿漏、蓄膿症、中耳炎、扁桃炎などの前触れとして発症するケースなども見られます。判明しているのは、タバコに含まれているニコチンが掌蹠膿疱症の症状を更に悪化させやすいという点です。
掌蹠膿疱症の症状としては、最初は、かゆみを伴う小さな水泡から、次第に黄色く変色していきカサブタになって皮がむけるといったことを繰り返します。
掌蹠膿疱症の合併症と治療法
指の関節がかゆくなる掌蹠膿疱症で気をつけたい点が多々あります。
掌蹠膿疱症を発症した時に骨関節炎などの合併症を引き起こすことがあります。
レジでおつりの受け取りなどが困難になったりと、生活に支障をきたすだけでなく、治療せずに放置していると関節が変形するといったことにもなりかねません。
医療機関を受診してきちんと治療を行うことが大切です。
この骨関節炎は、特に中年以上の方で発症するケースが多く見受けられます。
掌蹠膿疱症の治療には、炎症を抑えるステロイド剤やビタミンD3が配合された薬などによるものがメインになります。
外部からの治療で改善されない場合は、内服薬による治療を行いますが、副作用もかなりあります。紫外線療法なども行われています。
原因不明であると言われるものの、禁煙したり、金属を除去したりするのも改善への近道につながる可能性があります。
掌蹠膿疱症の完治には、普通3年程度の月日を要するといわれています。
治らないとあきらめてしまうのではなく根気強く治療を継続して行くことが大切です。
手指や関節がかゆいのは「手水虫」!?
指の関節がかゆい理由として手水虫という可能性もあります。
足にできる水虫と比べてできる確率が低いため、手水虫とは全く思わず、ハンドクリームなどで手当てを行い、更に症状を悪化させてしまうことがよくあります。
白癬菌は一般的に湿度や温度が高い場所を好んで繁殖するケースが多いため、手で発症しにくいものですが、入浴時に足の白癬菌が付着して繁殖している風呂場のマットや、足の爪を切る際に、知らず知らず白癬菌が手に付着して、手水虫を発症するケースがあるということを、しっかり覚えておきましょう。
手水虫も足の水虫と同様に、角質増殖型水虫・爪水虫・趾間型水虫・小水疱型水虫といった4つのタイプがあります。
痛みやかゆみもなくカサカサになる角質増殖型は、特に水虫と気が付きにくいので注意が必要です。
・手水虫の治療法
足の水虫の治療と同じように、外用薬や内服薬を用いて治療を行います。
特に、爪などに発症した際は、治療に時間もかかるため医療機関を受診して、内服薬で治療を行うことが必要です。
手指や関節がかゆいのは接触皮膚炎では!?
指の関節がかゆい理由として接触皮膚炎ということも考えられます。
接触皮膚炎は、ムカデなどの毒虫や漆や蕎麦などの植物、金属、化粧品、衣類、刺激性が強い洗剤やせっけんなどの刺激によって引き起こされるアレルギー症状のことをいいます。
アレルギーを起こした箇所が、赤くはれ、かゆくなったり、酷い場合は水膨れなどの症状もあらわれます。
アレルギーの原因となるものには、身の回りほとんどのものが該当するといっても過言ではありません。
・接触皮膚炎の治療法
医療機関を受診して、いつ、どこで、どんな時に発症したかについて事細かに告げて、パッチテストなどを行い、アレルギーを引き起こす原因となる物質をしっかり見極めることが治療への近道になります。
アレルギーの原因となる物質と接触しないように、日々の生活の中で、遠ざけるように心がけると共に、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤などで治療を行っていきます。
また、強いかゆみを感じることが多いですが、掻きむしって更に悪化させることがないように気をつけたいものです。
指の治療は第一優先で
手指や関節がかゆいと本当に事ばかりでしょう。
家事もつらい、勉強や仕事もつらい、何をするにも指は使うものです。
なってしまったものは仕方ありませんので、少しでも早く治療できるようにこの記事を参考にしてください。
そして、再発予防にも努めてくださいね。