指の関節がカクカクして思った通りに動かせない場合、ばね指の可能性があります。最初はほとんど痛みを感じませんが、徐々に痛むようになってしまうこともあります。重症化すると手術しなければいけないなんてこともあるのです。違和感が出たら早期に対処して不安を解消してくださいね。
指の関節のカクカクの原因とは
誰もが一度はなったことがあるような、指がカクカクとなる症状に不思議に思った方も多いでしょう。
一度ではなく何度も経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
多くの方がピアノの練習後だったりバスケなどのスポーツの練習後だったりするようです。または、字を書くお仕事やパソコンでタイピングばかりするお仕事の方もなりやすいと言われています。
この症状は指をよく使う人がなるんじゃないかと思われる方も多いようですが、実は高い頻度で指を動かす人以外でも、更年期の女性や妊娠中、出産後に症状が出るケースも多いそうです。ですから、男性よりも女性の方が発症率が高いと言われています。
そしてこの指がカクカクとなる症状、「バネ指」「スプリングフィンガー」と呼ばれます。
とある産後すぐの女性は激しいバネ指の症状に見舞われ、朝起きたときにカクンと曲がると滅多なことでは伸びなくて、伸ばすまで相当な時間と痛みを要したそうです。またバネ指の影響は家事にも出て、包丁が握れず瓶の蓋も開けられず辛い日々を過ごしたんだそうです。バネ指がなかなか治らない時期は「いつまで続くんだろう」と不安に思ったそうですよ。
指の関節がカクカクするのは『バネ指』
バネ指とは指の関節に生じる障害の一つで「スプリングフィンガー」「弾撥指(だんぱつし)」とも別名で呼ばれます。
バネ指に罹ると指の関節が堅いバネのように弾力を持ち動かしにくくなる症状が出ます。原因は指の関節動作に関わる「腱」に炎症など異常が発生することです。
腱組織に炎症をもたらす原因は多々ありますが、バネ指では異常な状態にある関節に炎症を伴っている場合が多いため腱鞘炎の種類の1つとされています。
バネ指の仕組みですが、指にある腱の「指を曲げる動作」に関わる「屈筋腱」と呼ばれる腱組織の動かすことのできる部分に異常が起こることです。そんなバネ指の主な特徴ですが、指がバネのように張り、動かすことが困難になることが最も大きな特徴です。動かすことが困難になる症状が継続する期間は個人差による部分が大きく、規則的ではありません。
また最初のバネ指の症状を確認した後、数年間経過した後に大きな痛みが出てくるケースがあることも特徴です。
バネ指はどんな方がなりやすい?
指がカクカクとする症状「バネ指」は、男性よりも女性のほうが発症しやすいといわれています。その理由はバネ指が発症するタイミングが更年期・出産後と女性特有の時期が多いためだそうです。
でも「バネ指は女性ホルモンが原因」というわけでもないそうでバネ指の原因は不明なんだそうです。
また原因といわれている一つに「特定の指の使い過ぎ」という説もあり、携帯やゲームの操作で特定の指のみ多く使うことがバネ指の原因ともいわれています。
5本の指をバランスよく適宜休憩を挟みながら使うことが大切なんだそうです。
休憩中は指のマッサージをして曲げ伸ばしすること効がより効果的です。またバネ指は冷えると症状が悪化するともいわれています。
もともとバネ指の原因が指の関節で腱鞘炎が起こっていることが原因なので冷えるとより関節が動かしにくくなるからだそうです。バネ指になってしまった場合は手首やひじ、首などを温めて指の筋肉を温かくすることが効果的なんだそうです。
指の関節のカクカク。朝になりやすい
朝起きた際に指関節が痛む独特の症状の原因は結節にあります。
朝起きた際に手の指が動かしにくい違和感を感じる原因は指関節の炎症によって生じている腱鞘内の結節が原因となっている可能性があるんだそうです。
指の痛みの発生ポイントは「バネ指」の言葉通り指を伸ばす動作に起こります。
また朝起きた際にその症状を感じる傾向が強く、指が伸びず、また伸ばすと激痛が走ると訴えることが大きい特徴です。
その痛みの原因とは腱鞘内の結節が押しつぶされてしまうことにあります。
そもそも腱鞘とは腱が通る筒状のサヤのようなもので、その中に腱が滑るように移動しつつ骨と腱組織を結合させて関節を構成しています。
そしてその腱鞘内に炎症を起こすと炎症した部分に「結節」と呼ばれる塊のようなものが生じます。その塊のような結節が関節に押しつぶされるように可動していくのですが、腱鞘内を結節が引っ掛かりながらも押しつぶされていく際に激痛が生じるのです。
バネ指の治療法は
バネ指の治療法は原則として保存療法となります。
保存療法とは手術を用いない治療方法のことで、具体的には指の過度な使用を避けて安静にすること、添木によってバネ指を一時固定すること、非ステロイド系の炎症剤を投薬すること、温熱療法があります。
これは現状の悪化を防ぐのが目的となります。
また関節内の炎症が強く、その痛みがあまりに激しい場合にのみ「ステロイド腱鞘内注射」の検討を図る場合もあります。
しかしこれらの保存療法でも効果が表れない場合は手術療法を取ります。
バネ指の手術療法では原則として腱鞘の切開を行う「切開手術」が基本です。手術の際には局所麻酔を行い、皮膚切開を行って腱鞘内の塊となっている結節を取り除きます。また手術の際に「屈筋腱の癒着」がある場合にはそれらをすべてはがして正常な状態に戻します。
バネ指の治療には保存療法よりも手術による治療法に高い効果があることが特徴です。加齢に伴い完治する可能性は低くなっていく傾向にあることも特徴です。
子供もバネ指になります
乳幼児、子供のバネ指の症状ですが、基本的にバネ指は成人女性に多く発症する傾向にあります。しかし稀ではありますが乳幼児・子供にも発症するケースが見られます。このような子供のバネ指は「指の使い過ぎ」といったものではなく先天的な要因が大きいと考えられております。乳幼児や子供のバネ指はほとんど親指に発症し、指の付け根に発症するケースが大半なんだそうです。
また、乳幼児の場合は成人のバネ指と異なり指の軟骨組織が固まることによって関節が動かなくなるケースもあり、この症状などから「剛直指」と呼ばれる例も多いのが特徴です。
治療法は手術療法とは違い、指を強制的に伸ばした状態を装具で維持する治療法をとります。子供や乳幼児のバネ指の装具による完治率は約50%以上という結果を示しており、成人に比べても完治率が非常に高いことが明らかとなっています。
加齢によってバネ指の完治率が下がるケースに乳幼児からも当てはまるのです。
スマホいじりはほどほどに
最近はスマホが普及して指を酷使する人がたくさん増えてきました。
その結果、若い世代からバネ指になり、指の関節がカクカクするという症状を抱えてしまっているようです。体は使わなければ、衰えたり固まったりしますし、逆に使い過ぎたら炎症することになります。何事もほどほどに時間を決めてするのが、一番なのかもしれませんね。