椎間板ヘルニアで手術となった場合、術後どれだけの時間で元の生活に戻れるのでしょうか?
入院日数とリハビリ期間を知ることで現場復帰の計画や今後の過ごし方も見えてきますよね。
今回は椎間板ヘルニアの手術に関連する情報をまとめてみます。
椎間板ヘルニアの手術と入院日数
早期復帰を希望する場合などは手術を進められることがあります。
手術と言っても いくつか種類があるので、まずは手術方法とその手術に対しての入院日数について紹介します。
■ラブ法
ヘルニアの原因の神経を圧迫している部分を切除します。
手術2日前から入院をします。手術は全身麻酔、うつ伏せで行います。30分程で済んでしまうようです。脊柱部分を3~4センチほど切開します。
術後2日で歩行可能です。1週間~10日で抜糸、それに合わせて退院というのが一般的です。入院日数は大体2週間見ておけばいいでしょう。
健康保険が適用されますので、入院費と合わせておよそ10万円程かかります。
■内視鏡下ヘルニア摘出術
ラブ法と内容はほとんど同じです。ラブ法より良い点は傷口が2センチかそれ以下で済むということ、術後の痛みが少ないという点です。こちらは入院日数は少し短く1週間~10日で退院できます。
■レーザー治療( PLDD )
椎間板の中の飛び出た髄核にレーザーを当て髄核を蒸発させて椎間板ヘルニアを治す方法です。こちらの方法は局所麻酔、傷口が針穴程度で目立ちにくいです。そして、なんと1泊2日で退院できてしまいます。しかし保険が適用されないので費用が35万円~、と少しお高くなっております。ただ、これでヘルニアが治るのであれば高いなんて言ってられませんね。
椎間板ヘルニアは手術すれば治るの?
ヘルニアの手術で100 % 治ったり、手術が成功したりするとは実は言い切れないのです。中には手術したことでさらに悪化してしまうケースや手術以前と何も変わらなかったという方もいらっしゃいます。
ヘルニアは一度なると一生痛みが続くものと言われています。つまり、その痛みと向き合い付き合っていかなければなりません。多くの方は腹筋や背筋を鍛えたりコルセットを使ったりして痛みを軽減させ、鎮痛剤を飲んでごまかしながら生活をしています。
手術をしても一時的に痛みが取れるだけで、また再発するという患者さんは多いようですので、手術は最終手段として考えるべきです。
どうしても手術を希望される場合は、複数の専門医と相談を何度も繰り返してからにしましょう。
医師:手術は成功しました。
あなた:ありがとうございました!
医師:では○日に退院です。
あなた:ありがとうございました!
これで終わりではないのです。
もちろんリハビリは必須ですが、それ以外にも日常生活においてのカラダの使い方の改善とストレッチをしていかなければ、今までと同じ生活を繰り返すということです。椎間板ヘルニアはかなりの確率で再発してしまいます。術後5年以内の再発率が最も高いと言われています。
ということは術後5年のカラダ造りが今後を左右するということです。また同じ悲劇を繰り返さないためにも正しいカラダの使い方でストレッチとトレーニングをする必要があります。
入院日数を気にするなら入院しなければ良い
椎間板ヘルニアは必ずしも手術が必要というわけではありません。手術をしない対処療法という選択肢もあります。いくつか紹介したいと思います。
▲消炎鎮痛剤
いわゆる痛み止めです。内服薬と座薬があります。ヘルニアの痛みが強い場合は、効果が得られないことがあります。
▲硬膜外ブロック
いわゆるブロック注射です。ヘルニアの原因の神経に直接、麻酔薬・抗炎症薬を注入します。痛みが軽減するまで注射し続けます。神経を麻痺させて痛みを感じなくさせているだけなので、根本的な治療にはなりません。
▲温熱・牽引療法
効果が得られにくいようです。自宅で安静にしているのとあまり変わらないかもしれません。
▲運動療法
痛みがあるからと言ってずっと安静にしていてもヘルニアは治りません。安静にしていた分、筋肉や関節が硬くなってしまっているかもしれません。痛みがある程度治まったら軽い運動をしましょう。正しいカラダの使い方でストレッチをすることで痛みの軽減や再発防止になります。
一般的に知られているものだとざっとこんな感じでしょうか。運動療法以外は痛みを外側から一時的に抑えるという方法なので、痛みはぶり返す可能性が高いです。
椎間板ヘルニアが再発して再手術なんてことも。その原因は?
せっかく手術をしても再発する可能性が高いのであれば、手術をためらってしまいますよね。もし、ご自身や家族が手術を検討されているのなら、担当医師にしっかり説明を受けましょう。
再発してしまう原因としては、いろいろとあります。例えば、手術の方法自体が原因になっていることもあります。元々私達人間の身体には構造上椎間板というクッション組織が必要だから備わっている訳ですから、痛みの原因だからとそれをそのまま丸ごと取り除いてしまう手術だと長い目で見たときに、部品が一つ欠けていることによって、また別の痛みの原因になることもあります。どちらがいいということは、一概には言えません。手術は成功したけど根本的なカラダの使い方(姿勢や日常生活で負荷のかかる動作)が治らずに再発する場合もあります。リハビリを担当してくれる理学療法士や作業療法士に都度、相談してあらゆる場面での腰の使い方などを教えてもらうといいでしょう。
椎間板ヘルニアにならないために正しい身体の使い方を
皆さんは足元に落ちているものを拾うとき、足首、膝、股関節、この3つの関節をしっかり曲げていますか?椎間板ヘルニアやぎっくり腰に限らず、腰痛をお持ちの方は腰だけ曲げてしまいがちです。この使い方が余計に椎間板ヘルニアや腰痛を悪化させてしまうのです。赤ちゃんはお尻を落としてしゃがみますよね。あんなカラダの使い方が出来ればヘルニアにはなりません。しかし、大人になるにつれて足首の硬さやももの裏の硬さでしゃがむ動作が億劫になってしまうのです。
和式トイレが減ったのも椎間板ヘルニア患者や腰痛患者が急増している一つの原因だと考えます。成人の平均的な排尿回数は1日5回以上10回未満と言われています。(個人差もありますが)少なくとも5回はしゃがむ体勢を取らなければいけなかったのです。(現代では和式トイレの使い方がわからないお子さんもいるそうですね…)
昔は洗濯物をしたり農作業をしたりと必然的にしゃがむ動作が日常の中に沢山ありました。
それに習いめんどくさがらずに足首、膝、股関節、この3つをしっかりと曲げるように心がけるだけでも腰への負担を減らすことが出来ます。今の心がけで5年後、10年後のあなたのカラダが決まります。
まとめ【椎間板ヘルニアを手術で治す!入院日数とリハビリ期間】
入院日数よりリハビリ期間のほうが長く、手術をしたから治るというわけでもないことがお分かりいただけたかと思います。
ご自身の意識改善が椎間板ヘルニアの完治にも繋がります。
何度も繰り返しますが手術は信頼できる医師と相談に相談を重ねてから、最終手段として考えるべきです。
まずはカラダの使い方から改善してみてください。