生理前の胃痛、胃もたれには市販の胃薬を飲んだら効くの?

最終更新日:2023/04/09

生理前にお腹が痛くて、学校や仕事を休んだり、何も手に付かないことがあるそうです。そんな生理前に胃痛が生じたとき、皆さんはどう乗り越えていますか?市販されているような胃薬を飲んで楽になったことはありますか?そこで今回は生理前の胃痛をどう対処したら良いかまとめてみました。

生理前の胃痛の原因は女性ホルモンのせい

生理が近づくと、みぞおちのあたりが痛み始め、普通に生活を送ることも困難になってしまうという女性がいます。
しかし、胃に痛みを感じて病院で検査をしても何らの疾患もみつかりません。
そのため、仕方なく処方された胃薬を飲んで痛みを抑えているという方も多いそうです。この「生理前の胃痛」原因、女性ホルモンの働きによるものでした。
生理前になると、プロゲステロンとよばれる女性ホルモンの分泌量が増えてきます。
これは、体を妊娠しやすい状態にある働きを有しているとともに、子宮の働きを抑える働きをも有しています。
これが、子宮に近い胃腸の動きも抑えてしまうのです。
そのために、胃痛や便秘の症状を引き起こすのです。
プロゲステロンの増加は、以下のような症状を引き起こします。
まず、子宮の働きを抑えるため、食欲は増し、イライラしやすくなります。
さらに交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れ、胃が炎症を起こし胃痛につながるのです。
さらには、プロゲステロンの分泌が増えることにより、子宮とともに胃腸の収縮運動も活発になるため、胃に痛みが出ることもあります。

その生理前の胃痛はPMSのせい

生理前になると胃痛がし、胃薬を服用するようになる、という女性は多くいます。
これ、PMSが原因かもしれません。
「PMS(月経前症候群)」とは、生理前、身体や心にさまざまな不快症状全般がおきる状態をいいます。
なんと、女性の約85パーセントが、このPMSに悩まされたことがあるといわれています。
生理前に、イライラしたり意味もなく落ち込む、などの心の変化や、腰痛やむくみなどの身体の変化を感じたことはないでしょうか。
実は、これらがすべてPMSの症状なのです。
PMSが現れる時期は、生理の3日前から10日くらい前までの間約1週間ほどの期間です。原則として毎月来る生理ですから、ほとんどの女性が一か月のうち約1週間も、この不快なPMSに悩まされているということになるのです。
そして、PMSの症状は以下の3つに大別できます。
心の症状、身体症状、行動症状です。
まず心の症状は、イライラ、憂鬱感、わけもなく泣きたくなる、孤独を感じる、などです。
身体症状としては、肌荒れ、腰痛、むくみやすくなる、胸が張る、体重が増える、などです。
最後の行動症状としては、攻撃的になる、怒りっぽくなる、甘いものが食べたくなる、眠気が強くなる、集中力が低下する、攻撃的になる、怒りっぽくなる、甘いものが食べたくなる、眠気が強くなる、集中力が低下するなどです。

生理前の胃痛には胃薬はOK

PMSによる胃痛の場合、市販の薬でも効果がしっかりと期待できます。
生理痛用の薬、もしくは解熱鎮痛剤などでPMSへの対処が可能です。
もっとも、市販薬では胃が弱くなるので、注意が必要です。
というのも、PMSの胃痛の原因となるプロスタグランジンの生成を抑えてくれるため、胃痛には効果があります。
しかしプロスタグランジンは同時に胃の防御を行ってくれるという効果もあります。
したがって、この生成を抑えてしまうことは、胃粘膜を弱くすることにつながるのです。よって、胃痛薬を飲む際は、低刺激のものを選びましょう。
さらに、妊娠か生理の前兆か判断がつかない場合には、素人判断での市販の薬の服用は避けましょう。
さらに、薬は自身の症状にあったものを的確に選ぶことが必要です。
生理前の胃痛であると思っても、ストレス由来の神経性胃炎などの可能性もあります。
間違った薬を服用した場合、胃酸が多く出たり胃が張ったりするような症状を感じることもあります。
医師にしっかりと相談し、適切な薬を服用しましょう。

生理前の胃痛には胃薬よりも漢方薬が良いかも

古くから、「女性の味方」といわれる漢方薬。月経前症候群(PMS)の治療にも、漢方は幅広く取り入れられています。
そもそもPMSは、子宮や卵巣といった器官の異常によるものでなく、女性ホルモンの正常な増減が原因でおこるとされています。
そのため、器官の異常などに対処することを得意とする西洋医学よりも漢方医学の方が効果的ともいえます。
その理由は、漢方医学の考え方にありました。
漢方医学には、心と体が互いに影響を与えているという「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方があります。
また病気だけを見てアプローチするのではなく、病気を抱えている体全体にアプローチし、体全体のバランスを整えて、不調や症状を解消していくのです。
漢方薬は複数の生薬が配合されているため、1つの漢方で複数の症状に複合的アプローチを施し、そして解消することができることも漢方の特長です。
PMSの症状はなんと300もあるといわれ、まさに個人によって様々。画一的な治療が必ずしも効果的とはいえません。
様々な不調が重なり合い、結果として体全体のバランスを崩してしまっている女性には、漢方が非常に有益なのです。
生理前の胃痛に対処するための胃薬を探されている方は、ぜひ漢方を試してみて下さい。

生理前の胃痛には胃薬とストレス発散

生理前の胃痛に悩まされ、胃薬を服用している方も多いのではないでしょうか。
この原因として、ストレスは大きな要因です。
特に生理前の時期は、完璧に物事を行おうとせず、穏やかな気持ちで、ゆったりと肩の力を抜いて、日常生活のタスクを行うことを心がけましょう。
そのほか、ストレス軽減やリラックスのためにも、ハーブティーなどを生活に取り入れることもオススメです。
その際は、ノンカフェインで体を温める作用のあるものを選ぶと、生理前や生理中の冷えを改善することができるので、オススメです。
他にも、アロマによるリラックスもオススメです。
自分が好きな香りをひとつ見つけておくのもいいですね。
イランイランやオレンジ系の香りは、リラックス効果が高いとされています。
さらに、PMSになると、腰痛や肩こり、むくみを感じることが多くなります。
これらを解消するために、身体をほぐすために整体やマッサージを受けに行くのもオススメです。
体全体が緩むと、寝ているときやリラックスしているときに活発に動く神経である「副交感神経」が活発になります。
この結果、心身ともに深いリラックスができるのです。
心身ともに緊張状態になっているため、副交感神経の動きが鈍くなっているPMS期間中には、特にオススメのリラックス方法です。

生理前の胃痛は胃薬だけでなく食事が大切

暴飲暴食気味になり、食生活が乱れてしまう生理前。
食生活の乱れは、生理前の胃痛を悪化させてしまいます。
刺激物や過度なカフェイン・アルコールの摂取には避けましょう。
その他、脂肪の多い動物性たんぱく質やスイーツ、香辛料を使った料理も控えるようにしましょう。
さらに、体に良いイメージのある食物繊維が豊富な食べ物も、生理期間中にはNG。
消化に負担がかかってしまうからです。
この時期に食べたほうが良いとされる食事は、野菜スープやホットミルク、お粥や煮込みうどんなどの柔らかくて食べやすいものがオススメです。
ここでは、胃に優しい「卵のおかゆ」のレシピを紹介します。
材料はお茶碗1杯のごはん、卵1つ、適量の水、ほんだし小さじ1〜2杯、お好みで味噌です。
作り方です。
まず、鍋にご飯とご飯がひたひたになるくらいの水を入れます。
次に弱火で煮込み、ほんだしを加えます。
お好きな柔らかさになるまで煮たら、お好みで味噌を入れます。
最後に溶いた卵を入れて固まったら完成です。
その他に、刻み野菜やおろし大根を加えるのもおすすめです。
胃薬の服用も有益ですが、こればかりに頼るもよくないもの。日々食べる物にも気を使って、明るく元気に過ごしましょう。

生理前の胃痛とは上手く付き合うしかありません

生理前の胃痛は女性であれば、起きるのが当たり前と考えるしかありません。
ですから、その痛みを少しでも和らげられるような方法を見つけてください。
胃薬や漢方薬、痛みを忘れられるような楽しいことをするなどなんでも良いです。
そして、本当に辛いときは正直に周りにそれを伝え理解してもらってくださいね。

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