病院に初めて一人で行こう、何十年振りかに病院に行こうと思っている方は受付、診察、治療、会計など最近の病院はどういった流れになっているかご存知ですか?診察でどんなことを伝えたらよいか、どういった格好で行ったらよいかと迷われるかもしれません。そこで今回は最近の病院での間違えない診察の受け方を説明します。
病院で診察を受けるには正しい診療科選びから
◆診療科名の表記について
厚生労働省からのお知らせを見ていただければわかりますが、2008年の春から、診療科の表記方法が変わっていることはご存知でしょうか?
内科、外科といった大まかな2つの区別は誰もが知っていることだと思います。
この内科や外科の前に、心臓などといった「身体の部位」や高齢者や婦人、小児など「対象患者の種類」、がんやアレルギーなどといった「病名」、整形や心療、美容などの「処置法」といった項目を付け加えるというものです。体の部位だけ考えてみても33種類も存在します。
こうした組み合わせを考えるだけでも何万通りもの科ができる可能性がありえるわけです。
こうした新表記方法は、新たに看板を取り付ける際に行われており、当面の間は、従来通りのままになっているかもしれません。
しかし、この方式が採用されたことにより、医師が沢山いる大きな病院ほど、細かく細分化されることになり、利用患者がより自分の症状にマッチしている診察や治療を受診しやすくなるのです。
病院で診察をする基本的な流れ
◆医療機関での受診方法
訪問先の医療機関により違いが若干みられるかと思いますが、多くの病院では、受付カウンターにある受診申込書に、氏名や住所、受信希望の科などを記載して、保険証と共に受付に提出します。
どこで診てもらうべきか判断がつかない場合などは、受付係の人に確認されてみてはいかがでしょう?
受診申込書を提出後は、診察券が発行され、希望の診療科がある場所に赴くようにと告げられます。
希望の科へ足を運ぶと、大抵、診療科ごとに、受付があり、診察券を提出して、自分の順番が来るまで待ちます。
順番は利用患者の症状に応じて多少前後するものなので、先を越されたからと、キレて怒るようなことはつつしみましょう。
名前が呼ばれたら診察室へ入り、診察の後、必要に応じて、レントゲンや血液検査などの検査や消毒や注射などの処置が行われます。
終わったら診察内容などが記載された用紙を受け取り会計窓口に提出して支払ます。
薬は、必要があれば病状に応じて処方箋が渡されますので、病院の近くや行きつけの薬局などに処方箋を提出して受け取りましょう。
間違えない診察の受け方はコレ!!
◆診察の様子
ようやく自分の名前が呼ばれ診察室に入れます。
医師は、患者の状態について詳しく知り、的確な治療を行いたいと考えています。
まず、診察室に入ったら、「自分の症状について、正しく伝える」ことと「どうして欲しいか」をしっかり医師へ伝えることです。
医師は、患者との対話の中から、思い当たる病名をいくつか推理して、一番可能性が高いものを選んでいきます。
ここで覚えておきたいのは、症状と関係ないような質問にも、しっかり答えるということです。
医師の脳裏には、たとえ可能性は低くても、重い病気かもしれないという疑いを持ちながら、症状を確認しているものです。
沢山の人が順番を待っているような大病院では、限られた診察時間を有効に診てもらえるように、「いつ」「どこで」「誰が」「なぜ」「どのぐらい」「どうなった」といったようなことだけでも、すぐ答えられるように、あらかじめ回答を準備しておくと、よいかもしれませんね。
より良い診察にするための受け方
また、医師により伝えられた治療計画がどうしても、自分の希望にそぐわない場合は、きちんと伝えましょう。
「仕事でやり遂げたいプロジェクトが3日後にあるから、入院はその後にしてもらえないか。」「手術後は個室にしてもらえないか?」といった具合です。
もちろん言ったからといって、それらが全て叶う訳ではありませんので、諦める覚悟も必要ですが、伝えておくことで、希望に近い形に治療の計画が変更されるケースもあります。
こんなはずじゃなかったと後悔しなくてもいいように、ダメ元で伝えておきましょう。
他には、現在、服用している薬の名前や、現在治療中のその他の疾病、過去にあった大きな手術や入院経験、アレルギーの有無、近しい親族の死因や病気、喫煙や飲酒などの習慣なども、すぐ答えられるようにしておくといいですね。
また、少しでも不安に感じる症状や、今後の治療方法などについて疑問などがあれば、診察時にきちんと医師に質問しておきましょう。
とはいえ、混雑時に、世間話などで時間を費やすようなことは、他の患者さんの迷惑にもなるため、極力控えたほうがよいでしょう。
診察の受け方で注意したいのは病院の受付時間
医療機関での診察時間は、通常、午前中だけのことが多いです。
患者の症状によっては、採血検査や点滴などの処置もとられます。現在の病院での治療が困難だと判断された時には、医療設備が整っている大病院や専門医師がいる病院への転院処置がとられます。
その際には病院より転院先の病院に、これまでの診察の経緯などが記された紹介状が送られます。
こうした点滴などの処置や紹介状を書く転院処置などは、すぐに行えるものではなく、処置を行うために、ある程度の時間が必要になります。
たとえば、点滴一つとっても2~3時間は軽くかかってしまうことがありますよね。
採血などの検査も、同様にすぐ結果がでないものですし、紹介状をしたためるのも言ってすぐできるものではありません。
こういった点からも、診察時間ぎりぎりに病院を訪れるというのは、あまり好ましくありません。
病院で的確な処置を受けられるようにするためにも、自己判断でしばらく様子を見たりせず、早めに受診されることをオススメします。
かかりつけ医を見つけることはオススメ
万一、何かあったときのために、気軽に駆け込むことができる「かかりつけの診療所」を見つけてキープしておくようにしましょう。
大病院は設備も整っていて安心ですが、日によって担当の医師が変わったり、予約が必要であったりして、なかなか急な対応ができないものだからです。
昔と違い、近頃では、診療所と大病院との連携がしっかりなされているケースが多く、患者の情報の引き継ぎなども、かなりスムーズに行われています。
こうした病院間の連携を、「地域完結型」と呼んでいます。
日頃から病気の事だけでなく些細な体調の変化など何でも話せる、かかりつけの医師を見つけておくことは、子どもの急な発熱なども、すぐ対応して貰えるなど、患者側から見ても利点が多いのではないでしょうか。
とはいえ、医師により、診察方法や方針なども、それぞれ違ってくるものです。
自分自身がしっかり納得し、信頼できる医師を見つけるためには、あちこち受診してみることも必要かもしれませんね。
診察の受け方は知らなくてもいいんです
病院で診察の受け方を正しく知っている必要はありません。何よりも自分の症状の5W1Hと過去の既往症や最近の生活習慣をしっかりと伝えられることが大切です。何も伝えられないと医師は問診もできず、原因を特定するのに時間もかかり、さらに診断を間違えてしまうかもしれません。そうならないためにも事前準備だけはしっかりとまとめていきましょう。