「ヘルニアや腰痛になってしまった」という患者様が来店されることがあります。
そんな患者様方々に弊社ではストレッチでご自身でもリハビリをしていただき、改善や予防をお薦めしております。
カラダを極力動かしたくなかったり、忙しくて治療する時間が取れないという声をよく耳にします。
そんな患者様に紹介している、ご自宅でも簡単にできてしまい且つ道具を一切使わないストレッチをご紹介します。
ストレッチでヘルニア・腰痛のリハビリをしていきましょう。
ヘルニアの種類
私が担当させていただいている患者様の中にも、ヘルニア・腰痛が解消され
「前にかがむことができるようになりました」
「寝起きの動作がスムーズになり、スッキリ朝を迎えることができるようになりました」「何をするにも腰が気になっていたのが、ウソのように意識しなくなりました」
「気づいたときには改善してた」
という声を多数いただいております。
しかし、このヘルニアにもいくつか種類があり、それに応じてストレッチ方法やリハビリ方法も変化していきます。
ここでは簡単にヘルニアの種類をご説明させていただきます。
1.膨隆(ぼうりゅう)型
椎間板の一部が膨らんだ状態のことを言い、比較的初期症状となっております。外に飛び出してはおりませんが、多少の神経圧迫を受けている状態です。
この場合は、脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋の硬化で神経圧迫を受けている可能性が高いので、その筋肉の柔軟性を向上させます。
2.脱出型
椎間板の一部が線維輪を突き出した状態で、一般的なヘルニア症状の状態と言えます。膨隆型の症状より重く、股関節周辺の筋肉の硬化が原因となって突出してしまいます。
3.穿破(せんぱ)脱出型
線維輪を突き出し椎間板・脊柱管の間の後縦靭帯(こうじゅうじんたい)に触れるだけではなく突き抜けている状態のことをいいます。
上半身の筋肉と下半身の筋肉の柔軟性とバランスを整えなくては改善は見込めません。
オペの可能性が非常に高く、医師との相談が必須となります。
MRIを撮影して、オペする程度でない場合は、ストレッチで十分改善が見込めます。
腰椎椎間板ヘルニアといっても、上記のような種類があり、ご自身がどのタイプに属するのかによっても、今後の改善方針が変わってきますので、一度病院で検査を受ける必要があります。
膨隆型ヘルニアの腰痛予防改善ストレッチとリハビリ方法
上記でもお伝えしたように膨隆型は非常に軽度のヘルニアですので、足のしびれや歩行困難になっている状態ではありません。
したがって、脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋の筋肉の柔軟性を向上させるようなストレッチとリハビリ方法が必要となってきます。
特に、肩甲骨周辺を動かすことによって改善が見込まれます。
肩甲骨の上層部には広背筋や僧帽筋があることは一般的に知られております。
特に、広背筋の起始部と停止部は上腕骨から肩甲骨の側面を通り、腸骨にくっついております。
このことからも肩甲骨を上方・下方に動かすだけでも、広背筋の柔軟性が向上して神経圧迫が軽減し痛みや不快感が軽減していきます。
以下に簡単なストレッチをまとめましたので、読みながらお試しください。
・タオルやバットを肩幅よりやや広めに持ち、上下・左右の動きを10回~20回動かす
・両肩を耳につけるくらい拳上させ肩甲骨を後ろに10回~20回大きく回す
・両手を後ろ手に組んで頭を動かさないで、身体を左右に10回~20回ツイストする
このようなストレッチだけでも改善が見込めますので、是非行ってみてください。
脱出型ヘルニアの予防改善ストレッチと腰痛全般のリハビリ方法
脱出型のヘルニアは下半身をメインでストレッチやリハビリを行っていきます。
特に半腱様筋・半膜様筋や大臀筋・中臀筋・大腿筋膜張筋といった股関節周辺の筋肉の柔軟性が必要となってきます。
症状としてみられるのが、多少の痺れ。
これが左側面で起きているのか、それとも右側面で起きているのかが患者様から一番最初にお聞きしなくてはなりません。
それによって、アプローチは全くといっていいほど変化していくからです。
半腱様筋と半膜様筋の硬さをチェックすると左右差がある場合が大半です。
右に症状が出ている場合は、右側が硬化してますし、左側に症状が出ている場合は、左側が硬化しているのです。
したがって、例えば右側に出ている場合には右側の半腱様筋と半膜様筋の筋肉の柔軟性を向上させて、左右の殿筋群のバランスを整えていきます。
・基本座位の状態から右側の足を伸ばし、10回~20回両手でタッチする
・基本座位の状態で身体を前に10回~20回倒す
・お姫様座りの状態で身体を前に10回~20回倒す
以上、3種類のストレッチを行うと飛躍的に前屈の状態がとりやすくなってきますので取り組んでみてください。
穿破脱出型のヘルニアの腰痛予防改善ストレッチとリハビリ方法
まず穿破脱出型のヘルニアの場合には、医師とオペの相談をした上でストレッチやリハビリを行うことをお薦めします。
そこでオペではなく保存治療で改善を図る場合には下記のような方法で行いましょう。
膨隆型は上半身のストレッチ、脱出型は下半身のストレッチとお伝えしてきました。
穿破脱出型の場合には、脱出型の下半身ストレッチから始まり、膨隆型の上半身のストレッチの順番で行わなくてはなりません。
上半身から始めてしまった場合には、下半身がロックかかっている状態のため痛みが増してしまう場合がありますので要注意です。
そして骨盤の左右の筋肉を調整することをお薦めします。
・仰向けの状態で両膝を抱え、両膝を右肩・左肩に寄せる運動を10回~20回行う
・仰向けの状態で右膝を抱え左肩に寄せる運動を10回~20回行う
・仰向けの状態で左膝を抱え右肩に寄せる運動を10回~20回行う
この3種類を膨隆型の上半身のストレッチと脱出型の下半身のストレッチに加えて行ってみてください。
これは一番最初に行ってから、脱出型→膨隆型ストレッチと進めていきます。
痛みがともなっても心配ありません。
回数を重ねることで、痛みは軽減していきます。
ストレッチを行う上での注意点
最後にストレッチを行う上での注意点としまして、
①動作は大きくゆっくり行います
筋肉は動かすことにより収縮していきます。
伸び縮みをするという筋肉本来の機能を活かさなくてはなりません。
筋肉を良い状態に保っていれば、関節も円滑に動くことができます。
筋肉の機能も関節可動域の範囲で一つ一つの動きを大きく丁寧に行っていくことが、状態を向上させる一つのポイントとなるのです。
②呼吸は吐くことに注視し、リラックスして行います
ヘルニアのストレッチ・リハビリを行っているのに、息を止めて行うとリラックスできず筋肉が緩みません。
息を吐きながらリラックスして行うとより効果的です。
③回数は10回~20回行います
回数に関しては朝の場合は、比較的少なく10回程度。
夜行う場合は20回しっかり行う。
そうすることにより、寝ている間に筋肉が硬化するのを防ぎます。
ヘルニアの予防改善ストレッチと腰痛全般のリハビリ方法とはのまとめ
今回は、ヘルニアの種類とそれに対するストレッチやリハビリ方法をご提案させていただきました。
ご自身では何型かは判断できませんので、MRIを撮影し医師の診察を仰いでからリハビリに取り組んでください。
それにより、改善できるスピードや症状具合は大きく変化していきます。
適切な方法を選ぶためにも、事前の対処が必要になってくるのです。
是非、こちらを参考にして日常悩まされているヘルニア症状を取り除きましょう。
顔を洗ったり、洗濯物を取りこんだり、子供を抱きかかえたりする時の痛みから解放されれますよ。