スポーツの世界ではストレッチやメンテナンスが当たり前の考え方になってきました。
マッサージ業の普及により、一般の方々のメンテナスも増えつつあります。
しかし、まだまだ正しい知識や知恵が普及してなく様々な症状を抱えている方が多いように思えます。
ここでは椎間板ヘルニアをはじめとした各種腰痛の改善方法の考え方を提供していきます。また、女性の日常生活からも身体つくりを考えていきます。
雑巾の捻じれと身体の捻じれが椎間板ヘルニアを含む腰痛改善の鍵
皆さん雑巾を捻ったことはありますか?
雑巾を絞る場合、ただ手の指でギュッと握りしめただけでは水を絞り出すことはできませんよね。
雑巾を捻ることによって簡単に大きな力を生み、雑巾に含まれた水がバケツに注がれます。
身体も捻ることによって、体内にエネルギーが蓄積され多くの仕事を成すことが可能となります。
それはスポーツに限らず、日常の生活も同様です。
椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・脊柱管狭窄症・腰椎分離症など、男性女性に関わらず悩みを抱えている方は多数おりますよね。
そんな皆さんの身体は雑巾のような捻じれを行うことが可能ですか?
そもそも身体の捻じれる部分を知っていますか?
その豆知識をご紹介したいと思います。
椎間板ヘルニアと背骨(頸椎・胸椎・腰椎)の構造
エクササイズや日常動作の中でも「腰を捻る」というフレーズを良く耳にします。
日々、患者様とのカウンセリングにおいても「腰が捻じれなくなって」と相談にのる機会が多分にあります。それは男性・女性問わず絶えない話題の一つです。
そもそも、腰は捻じれるのか?
背骨は頸椎C1~C7・胸椎T1~T12・腰椎L1~L5で構成されている。その中で腰椎は最も巨大で、椎間関節がほぼ垂直に近い形状をしています。
腰椎以外の椎体は、上関節面と下関節面が比較的並行に積み重なっています。しかし胸椎―腰椎の移行部から椎間関節は急激に立ち上がってきます。
背骨のS字カーブの終わりにある部分です。
この関節面の形状により、腰椎の回旋(捻り)は制限されます。つま各椎の構造上を考えると頸椎と胸椎は捻りやすいですが腰椎は全くといっていいほど捻じれない構造になっているのです。
例えば、立位で身体を捻って125度振り向く場合、胸椎部分で30度・頸椎と股関節部分で90度の動きを受け持つ。
つまり、腰椎部分は5度しか回旋しない構造となっているのです。
椎間板ヘルニアは椎間板が飛び出ることにより神経に触れ、足腰の痛みや痺れを伴います。腰椎という捻じれない箇所を無理やり捻ってしまう結果、椎骨の圧迫から椎間板が耐え切れなくなって飛び出してしまうのも無理ないでしょう。
椎間板ヘルニアの症状は男性と女性によって異なるのか
上記でも触れたように、身体を捻る場合において腰椎部分の役割というのが非常に少なく、胸椎と股関節の役割というのが非常に多い。
では腰は捻らない方が良いのか?と問われる全てが間違いとは言えないだろう。
そもそも歩行動作一つにとっても身体が捻じれ足が前にでてきますし、子供がハイハイする場合においても前足(手)が出て身体が捻じれ後足が腰の捻じれについてきます。
ですので表現の方法を変えると、「腰を捻る」ではなく「腰が捻じれる」というのが正しい表現になってきます。
体幹の回旋運動は胸椎や股関節が動くことで、腰部にある筋肉の広背筋・僧帽筋・腰方形筋・腹直筋などが捻じれているように見える。つまり、胸椎や股関節の動きに各種筋肉が連動して動き、その結果腰が捻じれてくるのです。
女性は男性に対して筋量が劣るものの、柔軟性は高いため捻じれやすい身体を持っていおり、椎間板ヘルニアのリスクはやや低いと考えられてます。
男性は女性に比べると筋肉量も多く、身体が硬いため腰痛になった際の改善スピードは遅く、最悪オペと診断される機会も多いのではないでしょうか。
オペの技術は非常に高くなっているものの、できればメスは入れずに改善できるのがベストと考えております。
そのためにも「腰が捻じれる」身体作りを目指したいものです。
女性の家事・育児の動作で気を付けたい腰の捻りからくる症状
体幹の回旋運動である捻りの動作は非常に大きな力を生み出します。
それが身体に良い結果を与えることもありますし、逆に負荷を与えてしまうこともあります。
野球のバッティングや投球動作・ゴルフのスイング動作・サッカーのキック動作・バレーボールのスパイク動作など各種スポーツにおいても共通して腰が捻じれる動作が行われ、様々な仕事を遂行します。
その腰の捻じれが自然に行われることがスポーツパフォーマンスの向上の一つの要因になることは一般的にも知られていることである。
家事・育児の動作においても「腰が捻じれる」状態にすると、女性の椎間板ヘルニアやぎっくり腰を含めた各種腰痛が減少すると考えます。
少し考えただけでも掃除機がけ・食器の出し入れ・窓拭きと中腰で腰を捻る機会が多いことは間違いない。また、子供は自分の意志とは別で動くために通常の家事とは比べ物にならないくらいのスピードで腰が捻じれます。
その際に「腰が捻じれる」状態ではなく「腰を捻る」状態では捻りの大きな力がそのまま腰椎に押し寄せ、炎症を起こしぎっくり腰になってしまうのも想像つくのではないでしょうか。
スポーツほどの捻りのパワーは生まないにしても、家事・育児も身体のメンテナンスをしてなくては取り返しのつかないことになってしまいます。
女性の家事・育児前後のメンテナンスと症状改善法
スポーツ選手の身体においてウォーミングアップやクールダウンは必須であることは、一般的にも知られているであろう。
日常生活のウォーミングアップやクールダウンもスポーツ選手同様必要である。
腰痛は突然やってくることはありません。日々の生活の筋肉の硬直により「腰が捻じれる」状態から「腰を捻る」動作に変化してしまい腰痛はあなたのもとへ舞い降りてくるのです。それは男性女性に関係なく、そして椎間板ヘルニアも同様です。
上記で身体の構造にも触れましたが、捻れる箇所は胸椎と股関節であるということです。
つまり、家事・育児の合間や就寝の前後に背骨と股関節のストレッチさえ遂行していただければ、多くの腰痛は防ぐことが可能になります。
股関節は外旋・内旋が同様の可動域を獲得できているのか。男性は外旋が得意で内旋が不得意です。逆に女性は内旋は得意ですが外旋が不得意です。
出産後に骨盤ベルトを装着する時間が長ければ長いほど、外旋が不得意になってきているようにも思えます。
中殿筋や大腿筋膜張筋を縮めたり伸ばしたりすることをお勧めします。
年間3,000を超えるセッションを行わさせて頂いている中で、提案させていただくストレッチメニューを遂行して頂いている方とそうでない方では腰痛になるリスクが大きく相違してきます。
日頃からご自身で行っていただくウォーミングアップとクールダウン、特に背骨と股関節の柔軟性を維持・向上していくかが鍵となるのです。
まとめ
「腰を捻る」ではなく「腰は捻じれる」皆様しっかり覚えていただいたでしょうか。
体幹の回旋運動は良くも悪くも大きなエネルギーを生みます。
どう活かすかはあなた自身の意思で変化してきます。
是非、胸椎と股関節のメンテナンスをしまして、効率的に身体が動くようにし、家事にも育児にも負けない女性の身体作りをし、椎間板ヘルニアを含めた症状の予防・改善をしていきましょう。